監督は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー、上映時間は2時間半で、内容はかなり重い映画だ。
1967年にデトロイトで起きたアルジェ・モーテル事件を再現した映画になっている。

1967年、アメリカの人種差別はなお根強く残り、それは当時のアメリカで5番目の大都市、北部のデトロイトでも顕著であった。
そんなある晩デトロイト市警が、黒人街にある夜間営業許可のない酒場を摘発した。
その店の客はほとんどが黒人で、警官も目立たないように客を裏口から連行しようとするのだが、裏口のカギが開かないため仕方なく表口から連行する。
しかし多数の客を車に乗せる行為は目立ち、その状況を見た黒人たちが暴徒と化してしまった。
そこからアメリカの歴史上でも最大級の暴動、12番街暴動が発生する。
州知事はすぐにミシガン州軍の派遣を決断、街は厳戒態勢となった。

夜が明けても街は混乱状況で、店から略奪を行う者もいた。
白人警官のクラウスも街の警備にあたっていたのだが、逃走する黒人の略奪者を見かけ、追走の際に銃撃してしまう。
クラウスはすぐに事情聴取されるが、混乱時と言うことで処罰は後回しとなり、再び警備の任務に就くことになった。

黒人のメルヴィンは石工だったが、時折頼まれて警備の仕事も請け負っていた。
暴動の後の夜も、連絡を受け店の警備をすることになった。
そこで暴動を起こそうとして若者を、自分の甥だと庇う優しい男であった。

ちょうどその夜、地元で圧倒的な支持を誇る人気バンド、ザ・ドラマティックスのコンサートが予定されていた。
しかしコンサートの最中にまた暴動が起きそうになり、市警はザ・ドラマティックスの出番となる前にコンサートを中止し、客に帰宅するよううながす。
そして、ザ・ドラマティックスのメンバーにも、早々にデトロイトを立ち去るように告げた。
モータウンと契約できるかもしれない期待があったザ・ドラマティックスのメンバーは、納得がいかないものの渋々街を出ようとする。
しかし乗車したバスが暴徒の攻撃を受け、メンバーは散り散りに逃げることになった。
メインボーカルのラリーとその友人のフレドは、取り急ぎ近くにあったアルジェ・モーテルに逃げ込み、そこで一夜を明かすことにした。

ラリーとフレドはモーテルで白人女性のジュリーとカレンと知り合う。
4人は同じモーテルの別館に泊まっていた黒人のカールの部屋に行くのだが、悪ふざけしたカールと仲間が陸上のスターター用のピストルを撃った。
カールの悪ふざけに呆れたラリーとフレドは自室に戻り、ジュリーとカレンも黒人の退役軍人グリーンの部屋に行った。
4人が去った後もカールの悪ふざけは止まらず、窓から見える警戒中の警官隊に向かって、スターター用のピストルを発砲してしまった。

カールの発砲により街は混乱に陥いる。
警官隊は発砲元と思われるアルジェ・モーテルに踏み込んだ。
主なメンバーは警官のクラウスと同僚二人、メルヴィン、州軍の兵士たちだった。
クラウスはまず、自分に向かってきたカールを射殺してしまう。
さらにラリーたち宿泊客を壁に並べて激しく訊問、一人一人を別部屋に呼び出し、あたかも殺害したような芝居をして宿泊客の口を割らそうとした。
だがその時、クラウスの同僚の一人が勘違いし、本当に宿泊客の一人を射殺してしまう。

映画は、12番街暴動の発生からアルジェ・モーテル事件の公判までを、時系列で描いている。
監督はおそらく観ている人間に誤解を与えぬよう、取材できた詳細をあますことなく丁寧に描写したのだろう。
ただその結果、映画としてはちょっと長くなってしまった感がある。
実際に起こった事件を追っているため、メリハリを付けづらいと言う事もわかるが、ザ・ドラマティックスの出番がなくなるシーンや、ラリーたちとジュリー、カレンの出会いのシーンなどはもう少しテンポ良くできたんじゃないかとも思う。
また現場にいたメルヴィンの役どころも最後までわかりづらかった。
途中、メルヴィンが容疑を掛けられて勾留されるのだが、かなり簡単に解放されてしまう。
その後、公判で重要な証言をするのかと思いきや、さにあらず。
せっかくスター・ウォーズでフィン役だったジョン・ボイエガを起用しているのに、生かし切れていなかった。

とは言え、人種差別と言ういかにもアメリカらしいテーマで、作品としても悪くない。
それなのに、アカデミー賞にノミネートされている様子がないのは、ちょっと不思議だった。
個人的には昨年の「ムーンライト」よりよっぽど面白かった。


14.デトロイト


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日本が誇るロボットアニメ、その中でも元祖と言えるマジンガーZがリメイクされた。
全世界興行を目標としており、すでにイタリア、フランスで公開、日本でも年明けから封切られたのだが、当初はMX4Dのみの上映だった。
繰り返しになるが、マジンガーZと言えばロボットアニメの元祖、マジンガーシリーズから同じ永井豪原作のゲッターロボ、ゲッターロボGと続き、サンライズ制作のコンバトラーV、ボルテスVを経て日本のロボットアニメが花を開く。
マジンガーZがなければガンダムシリーズも生まれず、日本のアニメが世界に賞賛されることもなったと言っても過言ではない。
とは言え、MX4Dで観る価値があるかどうか、冷静に考えるとかなり微妙だ。
どうしようかと迷っていたら、2D上映が追加公開されたので喜びいさんで観に行くことにした。

しかし、そもそも自分がそれほどマジンガーZに傾倒していなかったこともあり、内容をすっかり忘れてしまっていた。
大枠は覚えいたのでそれほど問題はなかったが、ボスボロットを作った三博士の事などはまったく覚えていなかった。

マジンガーZとグレートマジンガーがミケーレ帝国の襲撃を退けてから数年後。
地球は安定的な光子力エネルギーを利用して、平和に発展していた。
しかしある日、北米地区の光子力エネルギー研究所が謎の軍団に襲われる。
たまたま北米に赴任していた剣鉄也がグレートマジンガーで迎撃するのだが、研究所は崩壊、剣鉄也とグレートマジンガーは行方不明となってしまった。

その半年前、日本で建設されていた新たなる光子力エネルギー研究施設の工事現場から、ミケーレ帝国の遺産と思われる巨大なロボットが発掘される。
そして中からAIを搭載したアンドロイドも一緒に発掘された。
マジンガーZやグレートマジンガーの10倍以上の大きさのロボットは、マジンガーINFINITYと呼ばれるようになっていた。
一緒に発掘されたアンドロイドはLISAと名付けられたが、LISAは体のパーツのほとんどが有機組織造られていた。
LISAの分析も手伝いINFINITYの解析は進んでいたが、研究者の兜甲児と研究施設所長の弓さやかがINFINITYを視察しているとき、鉄仮面軍団と死んだはずのアシュラ男爵、そしてブロッケン伯爵が現れる。
彼らはINFINITYとLISAを狙っていたのだ
そして機械獣軍団が研究所を襲いはじめた。

ストーリー的にははっきり言って大したことはない。
子どものころに観た、東映まんがまつりの「マジンガーZ対●●●」的な内容である。
ただ、かなり単調ではあるものの、TVシリーズの設定をきちんと踏襲している。
往年のファンであれば、その部分は満足できると思う。

CGで描かれたマジンガーと機械獣もなかなかの迫力だ。
そういう意味では、むしろMX4Dで観た方がこの作品の本当の価値が理解できたかもしれない。

子どものころにアニメを観ていた世代や、その後にファンになった人以外が観ても、ほとんど心に響かないと思う。
しかし、マジンガーZのパイルダー・オンを見て「すげーっ!」と思った人なら、一度見ておいて損はないかもしれない。

13.マジンガーZ / INFINITY


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たまにはラーメンの記事も。

金曜日に、昨年春にオープンして話題の船橋「零一弐三(すうじ)」へ行った。

●零一弐三(すうじ)
https://ameblo.jp/shotaroikeda/page-1.html

ご主人は二郎インスパイアで有名な「ちばから」と、こちらはよく知らないが志村三丁目の煮干し系「伊吹」で修業されたとのこと。
当初は二郎系、煮干し系を一定期間連続で提供していたようだが、今は火木金土が二郎系、日月が煮干し系の営業となっている。

私が行ったのは二郎風の日。
そもそも私がちばからを食べたことがないので、二郎とどれだけ近いのかはわからない。
このラーメンで言えば、見た目と麺、豚、野菜はかなり二郎に近い印象だった。
ただスープは二郎風の日でも魚出汁をベースにしていると思われ、魚系スープによくあるあっさりだけどドロッとしたスープになってた。

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もういい年になった私にはちょうどいい感じだったが、若い人だと脂が足りないと感じるかもしれない。

船橋は、西船橋も含めて意外とおいしいラーメン店が多い。
ご当地B級グルメとなっている、ソースラーメンも一度食べてみたい。


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ルパン三世が誕生してから2017年でちょうど50年、今春には新たに第5シリーズが制作されるという。
その宣伝も兼ねて、「カリオストロの城」が地上波で放送された。
何度も日記には書いているが、「カリオストロ」「ナウシカ」「ラピュタ」の3作品は、地上波、BSで放送された場合は必ず録画して見ることにしている。

「カリオストロの城」に関しては、もう30回以上見ているだろう。
最初に観たのは1980年1月のロードショウ時。
当時はまだJRの駅前に小さな映画館が1~2館くらい残っている時代で、松戸や本八幡などの近郊の映画館では、B級のロードショウ作品を2本立てで上映したりしていた。
私は松戸の映画館まで遠征して、「Mr.Boo ギャンブル大将」との2本立てで観た。
初めて一人で映画館で観た2作品でもある。
「カリオストロの城」から観始めたが、「Mr.Boo」の後でもう1回観たのも覚えている(当時は座席指定でも入れ替え制でもなく、満席時には立ち見もあった)

その後はTVでの放送のほか、まだ都内に残っていた名画座での上映、あるいは大学の学園祭での上映などに足を運んだ。
高校時代、初めてギンレイで観たのも「カリオストロの城」だったと思う。

TVでの放送も、最初は一部がカットされたバージョンだった。
有名なのは、ルパンと次元が最初に太閤の館跡に行った際、次元がルパンにプロレス技を掛けるシーンだ。
もう一つは、大司教の車ががけ崩れの渋滞に巻き込まれ、ヤギを抱いた次元と出会うシーン。
現在はノーカットバージョンが放送されるので、どちらのシーンも見ることができる。

何回も見ているので、当然ストーリーも完全に覚えているが、この映画の魅力はストーリーだけではない。
冒頭のカーアクションシーンや、ルパンが北の塔の屋上で撃たれるシーンなど、非常に大胆で印象的なカット割りがなされている。
ルパンが撃たれた直後に、クラリスのどアップが1秒くらい入るが、これが非常に効いていたりする。
またクライマックスの時計塔のシーンで、ルパンが短針から長針に歩き、途中で指輪を針の上に置くシーンがある。
このシーンは思いっきり引いたカットになっているが、ルパンの動きが絶妙なので、ルパンが指輪を置いたことを遠目でも理解できる。
カリオストロ伯爵が針に挟まれるシーンも引いたカットだが、これも伯爵の最期が感覚的にわかりやすくなっている。

なお昨年の今頃、前回のTV放送とMX4Dでの上映を観て気づき、今回確認したおかしな部分は以下の通り。

・冒頭のカーチェイスのシーンで、クラリスの乗るシトロエンのナンバーが一瞬「F-73」→「F-74」に変化する。
・同シーンで、前から来たバスの2段ナンバーの上段末尾が、前ナンバーは「6」なのに後ろは「4」になっている。
・同シーンで、ルパンと次元が乗るフィアットの前ナンバーが、道路シーンでは無くなったのに、森を抜けるシーンで復活する。
・ルパンと次元が太閤の館跡に到着したとき、時計塔は7時の鐘を鳴らしているのに、周囲はまだかなり明るい(日時は1968年9月10日前後の設定)
・ルパンと次元が水道橋経由で城に忍び込もうとするのが午後10時なのに、次元がルパンとはぐれて水道橋の窓から外をのぞくシーンでは午前2時、4時間も時間が飛んでいる。しかも館内は、午前2時だというのにまだパーティが盛況。
・クライマックスの時計塔のシーンで、カリオストロ伯爵は右手に二つの指輪を持っていたが、クラリスに飛びつかれてとっさに剣を時計塔に刺した時の右手に指輪はない。その後、時計塔をよじ登り山羊座の前に来たとき、おもむろに口の中から二つの指輪を取り出す(指輪を口の中に入れるシーンがない)

その他にも、ルパンがクラリスを結婚式会場から救い出した後、水道橋の上を走って時計塔にたどり着いた時がすでに午前2時半くらいなので、結婚式が始まったのは早くとも午前0時を回った後になるのだが、これはそういうしきたりだと言いきってしまう事もできるかもしれない。
また、MX4Dを観たときの日記にも書いたが、もしカリオストロ公国の舞台設定がスイスあたりだとすると、北緯47度で宗谷岬より北になるから、日時が夏至の頃であれば、7時の鐘で明るいという設定も矛盾しない。
ただ、不二子が窓から投げ込んだLe Monde紙の切り抜きの日付が「12.september.1968」となっていた。
だからやはりこの部分は矛盾している。

それにしても、時代設定が1968年というのは今回初めて気が付いた。
クラリスは16歳と言う設定のようだから、1952年生まれ、今年66歳と言う事か・・・。
そういう事に気付くと、さらに「カリオストロ」の魅力に引き込まれてしまう。
ちなみに今回の放送は平均視聴率11%とのこと。
個人的にはちょっと低かったようにも思うが、40年近く前の作品であることを考えるとこんなものかな・・・。


12.ルパン三世 カリオストロの城(再)


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毎年この時期に、日本アカデミー賞の最優秀賞の予想をしている。
しかし今年はやめようと思った。
なぜか。

前哨戦となる4つの賞の各賞は以下の通り。


●作品賞
報知映画賞:「あゝ、荒野」
日刊スポーツ映画大賞:「あゝ、荒野」
ヨコハマ映画祭:映画 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
毎日映画コンクール:「花筐/HANAGATAMI」 ※優秀賞に「あゝ、荒野」

●監督賞
報知映画賞:三島有紀子「幼な子われらに生まれ」
日刊スポーツ映画大賞:石井裕也「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」
ヨコハマ映画祭:白石和彌「彼女がその名を知らない鳥たち」「牝猫たち」
毎日映画コンクール:富田克也「バンコクナイツ」

●主演男優
報知映画賞:菅田将暉「キセキ―あの日のソビト―」「帝一の國」「あゝ、荒野」「火花」
日刊スポーツ映画大賞:菅田将暉「キセキ―あの日のソビト―」「帝一の國」「あゝ、荒野」「火花」
ヨコハマ映画祭:池松壮亮「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」
毎日映画コンクール:菅田将暉「あゝ、荒野」

●主演女優
報知映画賞:蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
日刊スポーツ映画大賞:蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
ヨコハマ映画祭:蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
毎日映画コンクール:長澤まさみ「散歩する侵略者」

ちょっとわかりづらいかもしれないが、今年の邦画は以下の4作品の4強状態である。

「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」 石井裕也
「幼な子われらに生まれ」 三島有紀子
「彼女がその名を知らない鳥たち」 白石和彌
「あゝ、荒野 前・後篇」 岸善幸

そしてこの4作品、すべてを観ていない。
なので予想しようもないのだ。

と思ったら、意外にもこの4作品が日本アカデミー賞の優秀賞をあまりとっていない。
作品賞にいたってはゼロだ。
それでいいのかとも思うが、観ている作品も多いので予想してみることにした。

まず作品賞。

 「君の膵臓をたべたい」
 「三度目の殺人」
○「関ヶ原」
 「ナミヤ雑貨店の奇跡」
◎「花戦さ」

観ていないのは「ナミヤ雑貨店の奇跡」。
観に行こうかと思ったが、長くてかなりダレるという評判を聞いたのでスルーした。
残り4作品で言えば、「花戦さ」を推したい。
映画を観たときの感想でも書いたが、武将や利休の視線から戦国時代を描いた作品は数多あるが、この作品は華道の池坊専好を主役にしている。
この映画では、秀吉がかなり嫉妬深く残酷な人間に描かれており、信長よりもむしろ晩年の秀吉の方が、自分勝手で残酷な人間だったのではないかと思わせた。
「関ヶ原」も同様に戦国時代の話だが、こちらは石田三成視点で描かれている。
こちらも非常にいい作品だと思ったが、斬新さと主演の野村萬斎以下キャスティングが素晴らしかったので、「花戦さ」を本命にする。

次にアニメーション作品賞

 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
 「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」
◎「メアリと魔女の花」
 「名探偵コナン から紅の恋歌」
 「夜は短し歩けよ乙女」

「名探偵コナン」以外は観ているが、ずばり言って今年は非常に低調だ。
ハッキリ言って「メアリと魔女の花」か、該当なしの2択だろう。
「メアリと魔女の花」もそんなに悪くなかったので、印は本命のみ付けておく。

続いて監督賞。

 黒沢清「散歩する侵略者」
 是枝裕和「三度目の殺人」
◎篠原哲雄「花戦さ」
○原田眞人「関ヶ原」
 廣木隆一「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

この部門も「ナミヤ雑貨店の奇跡」以外は観ている。
そしてここでも「花戦さ」本命で、「関ヶ原」が対抗だ。
「散歩する侵略者」は演劇を巧く映画化したとは思うが、ちょっとわかりづらい部分が多かった。

続いて主演男優賞。

 大泉洋「探偵はBARにいる3」
 岡田准一「関ヶ原」
 佐藤健「8年越しの花嫁 奇跡の実話」
 菅田将暉「あゝ、荒野 前編」
◎藤原竜也「22年目の告白―私が殺人犯です―」

観たのは「探偵はBARにいる3」、「関ヶ原」、「22年目の告白―私が殺人犯です―」の3作品。
おそらく観ていない「あゝ、荒野」の菅田将暉が受賞するとは思うが、観ていない作品に印を打つのは無責任だ。
なので本命は難しい役どころだった藤原竜也にして、対抗はなしにする。

続いて主演女優賞。

 蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
 新垣結衣「ミックス。」
 土屋太鳳「8年越しの花嫁 奇跡の実話」
 長澤まさみ「散歩する侵略者」
◎吉高由里子「ユリゴコロ」

観たのは「ミックス。」、「散歩する侵略者」、「ユリゴコロ」の3作品。
この部門もおそらく、観ていない蒼井優が受賞するだろう。
なので本命は、やはり難しい役どころだった吉高由里子にして対抗はなし。
ガッキーも本当にかわいかったけど、ちょっと難しいだろう・・・。

続いて助演男優賞。

 西田敏行「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
 西村雅彦「家族はつらいよ2」
 松田龍平「探偵はBARにいる3」
 村上虹郎「武曲 MUKOKU」
◎役所広司「三度目の殺人」
 役所広司「関ヶ原」

観たのは「探偵はBARにいる3」、「三度目の殺人」、「関ヶ原」の3作品。
「武曲 MUKOKU」についてはまったく評判を聞いていないが、村上虹郎は演技力があるので受賞するかもしれない。
ただ観ていない作品に印は打てないので、ここも難しい役どころだった「三度目の殺人」の役所広司だ。

続いて助演女優賞

 尾野真千子「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
 北川景子「探偵はBARにいる3」
 夏川結衣「家族はつらいよ2」
◎広瀬すず「三度目の殺人」
 薬師丸ひろ子「8年越しの花嫁 奇跡の実話」

観たのは「探偵はBARにいる3」、「三度目の殺人」の2作品。
ただ、この顔並びなら広瀬すずの大チャンスだ。
広瀬すずも非常に難しい役どころだった。
広瀬すず意外だとすると、おそらく尾野真知子だろう。


最後は外国作品賞。

 ダンケルク
○ドリーム
 美女と野獣
 女神の見えざる手
◎ラ・ラ・ランド

「女神の見えざる手」は観ていないが、普通に考えれば「ラ・ラ・ランド」だろう。
ただ、作品の完成度で言えば「ドリーム」が選ばれても不思議はない。
間違っても「美女と野獣」だけは選ばれないで欲しいと思う。

予想するだけしてみたが、やはり観ていない作品が多いと予想も難しい。

逆に言えば、いろいろな作品が候補に挙がってしまうほど、昨年は邦画が低調だったという事かもしれない。


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前作もなかなかのぶっ飛び作品だったが、今回はさらにパワーアップしている。

キングスマンの諜報部員となったエグジー(タロン・エガートン)は、テーラーを任されていた。
そしてスウェーデン王女のティルデと付き合い、彼女の両親と会う約束もしていた。

ある日テーラーを出てタクシーに乗ろうとしたエグジーが、暴漢に襲われる。
犯人はかつて同じキングスマン候補生だったヘスケスだった。
ヘスケスは右腕を強力な技手にしており、エグジーはあやうく倒されそうになってしまう。
エグジーはなんとかヘスケスを振り切るのだが、タクシー内に残されたヘスケスの技手がキングスマンのサーバにアクセスをして、キングスマンの情報をすべて引き出されてしまった。
ヘスケスは世界的な麻薬組織ゴールデン・サークルを束ねるポピー・アダムズ(ジュリアン・ムーア)の手下となっていたのだ。

エグジーはティルデの両親、スウェーデン国王夫妻と食事をすることになった。
会話は同じ諜報部員のロキシーに遠隔でサポートしてもらっていたのだが、その時に謎のミサイル群がキングスマンの拠点を攻撃してくる。
エグジーの自宅の部屋を含めてすべての拠点が破壊され、サーバ内に記録がなかった自宅にいたマーリンとエグジーの二人以外、キングスマン関係者は壊滅状態にされてしまった。
残されたエグジーとマーリンは、緊急時の対応として引き継いでいたカギでウィスキーの瓶を見つける。
そしてそのウィスキーの製造メーカー「ステイツマン」を訪ね、ケンタッキーへと向かった。

ステイツマンはキングスマン同様、アメリカの諜報組織だった。
そしてステイツマンの秘密基地に、なんとハリー(コリン・ファース)が保護されていた。
ハリーから発生していたマイクロ波を拾ったステイツマンの調査員ジンジャーが、不思議に思ってマイクロ波の発信元に急行、するとちょうど前作でハリーがヴァレンタインに殺害された直後の現場に遭遇した。
ステイツマンの最新医療機器でハリーは一命を取り留めたが、キングスマンとしての記憶はなくなっていた。

その後エグジーとマーリンはステイツマンのボスであるチャンプに、自分たちがヘスケスに襲われ、彼がゴールデン・サークルと言う組織に所属していることを告げる。
そしてヘスケスが元カノと連絡を取っている事を押さえ、エグジーとステイツマンの諜報部員のウィスキーは、ヘスケスの元カノに接触することにした。
フェスで首尾よくヘスケスの元カノを見つけたエグジーは、元カノの体に盗聴&発信器を仕込もうとする。
しかしその手段は、元カノと寝る事であった。
エグジーは迷った末、先にティルデに了承を取ることにした。
だが当然、ティルデは怒り出す。
エグジーは盗聴&発信器を仕込む事には成功したが、ティルデと連絡が取れなくなったしまった。

その頃マーリンとジンジャーは、ハリーの記憶を取り戻すことに成功していた。
そして同時期、ゴールデン・サークルのボスのポピーは、自分たちの取り扱うドラッグに毒を仕込んだことを、全世界に向けて放送する。
解毒剤配布の条件は、アメリカ大統領に麻薬の合法化を承認させることだった。
アメリカ大統領はこのポピーの条件を了承する意向を見せるが、それは表面上だけだった。
内心では、世界中のドラッグ患者をこれで一掃しようと考えていたのだ。

全世界のドラッグ患者に、ポピーが仕込んだ毒の症状が現れ始めた。
そしてエグジーに電話を掛けてきたティルデにも、その症状が出ていた。
このままではティルデが死んでしまうと考えたエグジーは、ウィスキー、ハリーと3人でゴールデン・サークルの研究室に向かった。
エグジーとウィスキーが研究室から解毒剤を盗んで逃げようとしていたのだが、逃げ道をコントロールするハリーがミスをして、3人は追っ手に追いつめられてしまう。
その時、エグジーとハリーを護ろうとしてウィスキーが解毒剤を落としてしまうのだが、それを見たハリーはウィスキーがWスパイだと言って彼を撃ってしまった。

前作もなかなかぶっ飛ぶ演出が多かったが、今回もかなりぶっ飛んだ展開になっている。
まず、開始30分くらいで前作の主要キャラだったアーサーやロキシー、そしてJBまで爆死してしまう。
「これからこの映画どうなっちゃうの?」と思わせたところでステイツマンが登場し、ハリーと再会。
ハリーが生きていたという設定もかなり強引だが、その強引な設定をさらに後から重ねて使うというのもなかなかにくい演出だ。
カウボーイの諜報部員のウィスキーがいいキャラで、彼の武器が投げ縄や鞭というのも面白い。
バーでウィスキーが地元のならず者を片付けるシーンも、前作を彷彿させるシーンでかつ、ハリーがまだ本調子でないと言う前振りにもなっている。

通常、シリーズ化を考えている作品は、主要キャラを際立たせて人気者にしようとするのが常套だが、このシリーズは主要キャラをどんどん殺してしまう。
正直ちょっともったいない気もするのだが、あるいは今回のハリーがそうだったように、「少年ジャンプ」方式でどのキャラも「実は生きていました」とバンバン復活させてしまうのかもしれない。
また、今回はあまり活躍しなかったチャニング・テイタムのテキーラが、次回はきっと活躍するだろうと思わせる終わり方だったのだが、次回以降も「またテキーラ活躍しないのかよ」と言う徹底的なスベリキャラにしてしまうかもしれない。
それもそれで面白いし、そういうなんでもアリな展開も、このシリーズなら許されてしまうと思う。

相変わらずアクションシーンは残酷な死に方も多いので、誰にでもおススメと言う訳にはいかないかもしれないが、少なくとも前作が面白いと思った人には必見の作品である。


11.キングスマン ゴールデン・サークル

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木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆というなかかの女優ラインナップの作品だ。
主役は木村文乃だが、それ以外の4人のパラレルストーリーを2話ずつとりあげたTVドラマが昨夏に放送されている。
原作は面白いのだろうが、映像化するにあたりこのTVドラマのパラレルストーリーを作ったことで、映画の立ち位置がわかりづらくなってしまった。

脚本家の矢崎莉桜(木村文乃)は、かつてコンクールで賞を取りヒットドラマを担当していたが、最近はいい作品が書けないでいた。
そこに、かつての恋人でありTV局のプロデューサー田村(田中圭)から、次期クールに穴が開きそうなのでなんとかならないかと相談され、新作を書くことを考える。
先日莉桜が開いたセミナーに来た女性の中から4人をピックアップ、彼女たちの恋愛相談に乗り、それを新作に役立てようとした。

まず最初は「A」の女、島原智美(佐々木希)。
ブランドショップの店員をしていたのだが、好きな彼と知り合ってから5年も経つのに一線を越えられないでいる。
かと言って、新しい恋に進むこともできない。
続いて「B」の女、野瀬修子(志田未来)。
美術館、博物館の学芸員を目指しているが職に恵まれず、学習塾でアルバイトをしていた。
そしてそのアルバイト先の同僚に、ストーカーとして付きまとわれている
「C」の女は相田聡子(池田エライザ)。
ナイスバディで男からもモテるが、本当の恋愛ができない。
そして親友が憧れている先輩と、寝てしまったりする。
最後は、親友の聡子に先輩を取られてしまった「D」の神保実希(夏帆)。
これまで男と付き合ったことがなく、憧れの先輩に処女をささげようとしているイタイ女だ。

この4人からそれぞれ恋愛相談を受けていた莉桜は、彼女たちを冷静に分析、かつ突き放すようなアドバイスをする。
だがその一方で、着々と新作のプロットを考えていた。

そこに、莉桜が講師をする脚本教室の生徒、伊藤(岡田将生)が現れた。
伊藤は自信過剰で、かなりイタイ男である。
そしてなんと伊藤は、偶然にも莉桜が考えていた脚本の女性A~Dすべてと関連を持ち、かつ莉桜と同じように彼女たちを題材にして脚本を書こうとしていた。
伊藤はその脚本のプロットを田村に持ち込むのだが、田村は莉桜よりも伊藤のプロットの方が面白いという。
なぜならそこには、「E」の女が存在していたからだ。
伊藤のプロットでは、「E」の女は脚本家、つまり莉桜が設定されていた。

A~Dの4人の女性の悩みを聞きながら、莉桜自信が自分のダメな部分に気付いていくというストーリーである。
話としては面白そうなのだが、TVドラマとパラレルストーリーにしたことで、映画が面白くなくなってしまった。
TVドラマを先に見ると、結末がほぼわかっているうえに4人のエピソードがダイジェストのように思えてしまう。
逆にTVドラマを見ずに映画を観ると、話がかなり飛んでしまうので雑に見えるだろう。
ドラマは4人×2話ずつで計8話だったのだが、これは面白かった。
だが映画を成立させるためには、この4人のエピソードを完結させずに、映画に持ち越した方が面白かったようにも思う。
ただ、それだとドラマが中途半端になってしまい、何が何だかわからなくなってしまった可能性もある。

いずれにしろ、映画としてはちょっと破綻した感じになってしまった。
旬の女優を5人も集めたうえ、岡田将生、田中圭、中村倫也の役どころもかなりいいと思った。
単純に12話くらいの連続ドラマにしていたら、非常にまとまりのいい作品になったんじゃないかと言う気もする。


10.伊藤くん A to E

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フリーの古美術商「獺(かわうそ)」を運営する則夫(中井貴一)は、お宝の眠っていそうな蔵のある屋敷を見つける。
ちょうど遊びに来ていた娘のいまり(森川葵)を連れその家を訪れると、絹田と名乗る家主(佐々木蔵之介)がいた。
絹田によると、父親が骨董品の道楽の趣味があり、いろいろな焼き物を購入したらしい。
少なくともそのうちの一つは高額な器だと聞かされていたようだが、則夫の目利きでは数万円の品だった。
絹田の父は樋渡屋と言う有名な骨董屋からこの品を購入したらしい。
則夫は絹田からこの焼き物を購入、樋渡屋に買い取らせてみようと企てた。
しかし樋渡屋が付けた値段は5000円、則夫は樋渡屋はこの焼き物を55万円で打ったはずだ、素人相手に詐欺まがいの行為ではないかと追及する。
すると店主の樋渡(芦屋小雁)は、この焼き物は2万5000円で販売したという。
さらにそこに、樋渡屋と結びつきの強い大物鑑定士、棚橋清一郎(近藤正臣)が来店し、器は大したことないが箱がいいから2万5000円だと付け足した。

仕方なく引き下がった則夫は、再び絹田の家を訪れる。
すると絹田が、怪しい書状を出してきた。
そこには、千利休が切腹をする当日に茶碗を送ったことが明記されていた。
絹田に気付かれぬように蔵を探る則夫。
首尾よく利休が送った茶碗を発見し、ほかの茶碗ともども100万円で引き取るのだが、帰りの車の中で偽物であることに気付く。
慌てて絹田の家に戻るが、そこにいた家主の絹田は別人(寺田農)だった。

絹田と名乗っていた男の本名は野田佐輔、落ちぶれた陶芸家だった。
かつて新人賞を受賞したのだが、樋渡と棚橋に騙されて贋作を作らされてから、まともな作品を作っていなかった。
そして書の達人の西田(木下ほうか)と紙屋のよっちゃん(坂田利夫)に偽の書状を、材木屋(宇野祥平)に箱を作らせて詐欺を行っていたのだ。
則夫はまんまとはめられたのだった。

則夫は騙されたのだが、一方で佐輔の腕に注目していた。
実は則夫もかつて、樋渡と棚橋に騙されて贋作をつかまされ、それを一般人に販売して騒ぎとなり店を潰していたのだ。
そしてその贋作を作ったのが、誰あろう佐輔だったのだ。
二人は樋渡と棚橋を一泡吹かせるために、贋作を作って売りつけようと考えた。

コンパクトにまとめられた、なかなかの秀作である。
最初は騙しあいをした則夫と佐輔が手を組んで樋渡と棚橋に騙すと言うストーリーが、テンポよく展開される。
自分たちがなんとなく似たような状況であることにお互い共感し、手を結ぶと言う流れが面白い。
二人が共感する理由の一つに、佐輔の息子の誠治(前野朋哉)と則夫の娘のいまりが付き合いだすというエピソードがあるのだが、この二人の描き方もいい演出となっている。

監督の武正晴は、「イン・ザ・ヒーロー」「百円の恋」などを撮っているが、個人的にはそれほど面白いとは思わなかった。
しかし今回の作品は素直に面白いと思えた。

派手さはないものの、手堅く仕上げた佳作と言えるだろう。


9.嘘八百

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リュック・ベンソンが制作、脚本を担当し、「ネイビーシールズ」と言うタイトルで予告編やCMのキャッチコピーが「陸、海、空、ド派手にやろうぜ!」だ。
火薬の量で勝負する大味な戦争映画かと予想していたが、内容は全然異なった。
昨年秋に公開された「ローガン・ラッキー」のような、クライム映画に近かった。

マット率いる5人のネイビーシールズの部隊は国連部隊として、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に赴任していた。
そこで川から侵入して敵の将軍を極秘で拉致するミッションを遂行する。
首尾よく将軍は拉致できたのだが、退却する際に退路を断たれ、サラエボ市街地で激しい銃撃戦を展開、敵兵に多数の死傷者を出してしまった。
極秘ミッションで騒ぎを大きくしてしまったという理由で、マットの部隊は上官から、処分が決まるまで3日間の休暇を言い渡される。

メンバーの一人のベイカーは、現地のレストランのウェイトレスであるララ・シミッチと恋仲になっていた。
そして休暇中に彼女から、かつて自分の祖父が暮らした村が湖の底に沈んでいて、その村にはナチスが金塊を隠していると告げられる。
だがその湖は、敵の勢力圏内にあった。
マットたちは策を練り、なんとか極秘に夜中に作業して、5日間で27トンの金塊をサルベージする計画を立てた。

しかしマットたちに下った処分は、3日後にアメリカに帰国するというものだった。
5人とララは金塊のサルベージを一度はあきらめたのだが、湖底に作業拠点を作れば1晩で作業が完了する事に気付く。
その他の軍の仲間たちを引き込み、上官にも内緒でマットたちは湖に向かったのだが、敵軍の将校ペドロビッチもマットたちの行動に気付いて追いかけてきた。

TVCMなどで流れる派手なアクションシーンのほとんどは、冒頭の将軍拉致のミッションのシーンだ。
ここは確かにド派手なのだが、この後実際に湖に潜るまでは、アクションシーンがほとんどない。
金塊の秘密を探り、どうやってサルベージするか、計画を立てるシーンばかりだ。
イメージとしては「ルパン三世」シリーズのようである。
非常にわかりやすい単純明快なストーリーだが、金塊を祖国の復興資金に充てたいララなど、メンバーのモチベーションがはっきりしているので展開に無理がない。
中でも、蛇のようにしつこいペトロビッチと、J・K・シモンズ演じるとぼけた上官がのキャラは非常にいい効果を生んでいる。
そしてクライマックスのサルベージのシーンも、なかなかハラハラさせてくれる。
全体の構成としては、悪くはない映画だ。

ただ、予告編とCMであれだけ「ド派手に」と煽ってしまうと、バンバン爆発するド派手映画を期待してしまう人が多いだろう。
そういう人にとってはかなり期待はずれな作品になってしまうと思う。

個人的にはメンバー一人一人をもう少し掘り下げて、続編を作っても面白いと思う。
その時も、J・K・シモンズの上官は必須である。


8.ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!


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2018年一発目のギンレイの2本は、どちらも重たい作品だった。

まず、現ローマ法王がコンクラーベで法王に選出されるまでを描いた「ローマ法王になる日まで」。

アルゼンチンの大学生ホルヘは、ある日学校を辞めて神父になると言いだす。
ホルヘは周囲の反対を押し切ってイエスズ会に入会、日本にも普及活動に行きたいと願うがそれはかなわなかった。
しかし優秀なホルヘは、やがて神学校の責任者となった。
折しもアルゼンチンでは、軍事政権が誕生していた時期だった。
ホルヘは反政府運動を行っていた神学校の生徒たちを匿ったりするのだが、やがて仲間たちが軍に連れ去られて飛行機から落とされるという悲劇に見舞われる。
独立政権がやっと終わった後、ホルヘはドイツに留学する。
やたらと年を取っている事を自虐的に笑うホルヘだが、そこで宗教画「結び目を解くマリア」と出会い深い感銘を受けた。
アルゼンチンに戻ったホルヘは田舎で神父として働くのだが、ある日ヨハネ・パウロ2世から枢機卿の補佐を任命される。
その頃は首都ブエノスアイレスで貧富の差が広がり、ホルヘは貧民街を中心に教えを説く生活をしていた。
そして時は立ち、ベネディクト16世が退位を発表した。
コンクラーベに参加するためにホルヘはバチカンを訪れるが、そこで自らがローマ法王に選出され、フランシスコを名乗るのであった。

法王フランシスコの神父としての活躍をまとめた伝記的作品だ。
ただ正直日本人にはわからない部分が多い。
特に、フランシスコのどの活躍が評価されローマ法王となったのかが、よくわからない。

ストーリーとしては、身の危険を顧みず独裁政権時代に反政府運動家たちを匿ったことが一番大きな評価のようにも見える。
ただ、若くして神学校の責任者になっているように、元々エリートとして将来を嘱望されていたのかもしれない。
だからこそ、留学後に田舎で神父をしていたときに、枢機卿補佐の白羽の矢が立ったのかもしれない。
いずれにしろ、ホルヘがどうしてローマ法王として選ばれたのかが、映画を観ただけではサッパリわからなかった。
そのため、前半の独裁政権時代の描写は緊張感を持って観ることができたのだが、その後のストーリーはやや退屈に感じてしまった。

続いて「夜明けの祈り」。

第二次世界大戦終了後、フランス軍の軍医であるマチルドは、負傷したフランス兵の帰還のためポーランドの片田舎に赴任していた。
そこに地元の修道女が駆け込んでくる。
彼女に請われてマチルドが修道院に行くと、そこには臨月の妊婦がいた。
マチルドは帝王切開で子供を取り上げるが、術後の経過のため翌日も様子を見に来ることを提案、しかし修道女をそれを拒もうとする。
命の危険を説明すると、修道女は渋々マチルドの再訪を承諾した。

修道院内に不思議な雰囲気を感じたマチルドは、昼の勤務の後夜間に修道院を再訪する。
そこで、かつてこの修道院がソ連兵に襲われ、7人もの修道女が妊娠し事が判明する。
修道女たちはもちろん、妊娠、出産に関する知識はない。
マチルドは、すぐにポーランド赤十字に協力するよう修道女たちを説得するが、院長は修道院が閉鎖されることを危惧して頑なにそれを拒んだ。

かなり重たい内容の作品だ。
こちらも事実を元にして描かれているのだが、冬のポーランドと修道院が舞台のため、映像も暗めに撮影されていることも相まって、途中までの展開があまりに重すぎて観ていてかなりつらかった。
修道院の院長がもう少し柔軟な発想ができていれば、ここまで事態は悪化しなかったのではとも思うが、人生のすべてを修道院にささげた院長にそういう発想はなかったのだろう。
ご都合主義的な匂いもするものの、ラストはやや光のある展開となる。
それでも自らも病に侵されてしまった院長の末期は悲しかった。


6.ローマ法王になる日まで
7.夜明けの祈り


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