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いわゆる「アクション・ヒーロー」カテゴリーの作品だ。
中でも、ランボーやコマンドーに始まり星の数ほど作られた「ワンマン・アーミー」物であるが、この作品では主役が女性である。
女性のスパイ映画であれば「チャーリーズエンジェル」、「アトミックブロンド」、「ANNA(アナ)」などもあるが、「ワンマン・アーミー」物は聞いたことがない。
面白そうなので観に行ったが、予想をはるかに上回るハードな内容だった。

コロンビアの山林にセスナが不時着した。
地元の麻薬カルテル一味の三人に撃ち落されたのだ。
三人の男がセスナの中を探ると、パイロットの女性が意識不明になっていた。
一人が女性からカネを奪おうとした瞬間女性が目覚め、男は瞬殺されてしまう。
女性は残りの二人も始末して、車を奪って近隣の街まで向かった。
街の近くで車を燃やし、徒歩で街に入る女性。
ダイナーで食事をとっているときに男と出会い、その男の部屋で一晩を明かす。
翌朝目覚めたときに、その男が警官であることに気づいた。
その時に女性は、自分はウクライナ人のドミニクと名をあかし、男はフリオだと名乗った。
部屋の隣には母屋があり、そこにはフリオの姉のパウリナとフリオの父、そしてパウリナの子供たち3人が住んでいた。
パウリナは臨月であったが、夫は昨年亡くなっていると言う。

フリオが呼び出されて警察署に向かうと、そこには昨日ドミニクが倒した三人の遺体が転がっていた。
三人のうちの一人は警察署長のサンティアゴの義弟で、この街では警察とカルテルがズブズブに繋がっているのだ。
サンティアゴの命令で犯人探しが始まるのだが、何の罪もない旅人二人が捕まり、拷問で殺されてしまった。
フリオはかねてから、この街の警察がカルテルとつながっていることを国に報告しようとしていた。
これまで撮り溜めた動画に加え、今回の拷問の動画と一緒にUSBにして監督官に渡そうとしたが、その監督官もサンティアゴとつながっていたため、フリオは拷問で殺されてしまう。

ドミニクはパウリナの紹介で、街を出るための車を買った。
そして家に戻った時、監察官がやってきてフリオの生首を門扉の索に串刺しにした。
監察官は、証拠となるUSBの動画の元データを探しに来たのだ。

はっきり言って、低予算で作られたことがありありとわかるB級作品だ。
しかし舞台をコロンビアの僻地の街にすることによって、低予算である事をカバーしている。
そしてドミニク役のオクサナ・オルランのアクションが素晴らしい。
元々はモデルという事で、格闘技や演技の経験があったのかどうかはわからないが、かなりの身体能力の持ち主である事だけは間違いない。
新たなるヒロインの誕生を予感させた。

アクションシーンも容赦がなく、銃撃やナイフで人がバンバン死んでいく。
警官たちがかなり激しく殺されるのだが、中盤までに警察の腐敗ぶりがしっかり描かれているので、ドミニクの活躍に共感して思わず力が入ってしまった。
ネタバレになるため詳しく書けないが、ラストも容赦のない終わり方になっている。

あくまでもB級映画だが、この後伝説のB級映画として語り継がれる予感もする。
ドミニクのバックボーンをはっきり描いておらず、そのエピソードで続編を作ることも可能だ。
オクサナ・オルランも制作者に名を連ねているので、ぜひ次回作も製作して欲しい。


167.ドミニク 孤高の反逆者


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「果てしなきスカーレット」のパブで地上波放送された、2006年の細田守版「時をかける少女」を録画して見る。
19年前の劇場公開時に観て、TV放送されたときも必ず録画して見ているので、もう9~10回目くらいだろう。
だが何度見ても感動する。

これまでも何度も感想に書いているが、細田作品で一番見なければいけないのはこの「時をかける少女」である。
製作会社がマッドハウスでキャラクターデザインは貞本義行、そして脚本は「国宝」の奥寺佐渡子だ。
この顔ぶれを見れば、面白くない訳がない。
少し前に感想を書いた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」同様、この作品も当時東京ではテアトル系の映画館だけで上映されていた。
それが口コミでジワジワと評判が広がり、日本アカデミー賞アニメーション作品賞の第一回最優秀作品賞を受賞している。

この映画の素晴らしいところは、やはり構成だろう。
序盤はタイムリープの能力を手に入れた真琴(仲里依紗)の、お調子者っぷりで笑わせてくれる。
そして中盤、タイムリープの能力がうまく利用できなくなり、坂道&踏切のエピソードに繋がる。
この起承転結の展開が完璧である。
真琴の叔母は芳山和子(原沙知絵)で研究者ではないが、本棚に高校生時代の写真とラベンダーを飾っていて、1983年版「時をかける少女」へのリスペクトが見られる点も、映画ファンとしてはシビれるポイントだ。

序盤の真琴と妹の美雪の掛け合いをはじめ、ループする時間内でのセリフも絶妙だ。
そしてセリフの「間」とキャラクターの表情も素晴らしく、これは細田守の手腕と言えるだろう。
すでに劇場公開から19年が経過しているが、この間も一般的な高校生活に大きな変化がない事もあり、今観ても全然古くささを感じない。
この後何十年も、名作として語り継がれるだろう。

細田守作品は、個人的な見解ではこの「時をかける少女」が最高傑作で、それ以外の作品は正直今一つな感じだ。
これも個人的な見解だがそれ以外の作品は、地球を護るとかシングルマザーとかDVとか、テーマが重すぎるため今一つな印象になっているのだと思う。

現在のところ「果てしなきスカーレット」もあまり評判は良くないが、先入観無しで観に行こうと思う。


166.時をかける少女 (2006年版)(再)


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JCを3、4歳時に連覇したジェンティルドンナが急死した。
体調不良でこの春から繁殖も引退していたそうだが、まだ16歳の若さだった。
死亡した11/25は、奇しくも2回目のJC制覇と同じ日だった。
サイン馬券としては、3歳時の4枠7番と4歳時の8枠15番あたりか。

さて、今年のJCだがどの馬も不安点を抱えている。
基本的には、ダービー1、2着馬が出走している今年の3歳馬が強いと思う。
しかしクロワデュノールは今週の追切まで出走を決めかねており、マスカレードボールも初めての中3週の競馬だ。
2頭とも有馬記念に直行していたらこの2頭で鉄板だと考えていたが、このレースでは絶大な信頼を置きづらい。
その他も、まだ底を見せていないアドマイヤテラやシンエンペラー、実績的に一発があっても不思議ではないディープモンスター、セイウンハーデス、ヨーホーレイク、ここが引退レースでメイチ勝負の可能性が高いブレイディヴェーグなど、今年の出走馬は面白い馬が多い。
ただ、上位人気の馬で決着がつきそうな気もする。
ポイントになるのは道中のペースだろう。

今回はホウオウビスケッツが逃げると思われるが、天皇賞秋でメイショウタバルの溜め逃げを追走した際にはかかり気味に力んでいた。
その結果いいところなく13着に沈んでおり、今回はあまり抑えないと思われる。
とは言え距離に不安が残るので、マン逃げはないだろう。
その場合、番手につけるスタミナ自慢のサンライズアースが向こう正面あたりからハナを奪い、ロングスパートを掛けてくると思われる。
有力馬がけん制しあえばそのままサンライズアースの逃げ切りまであるかもしれないが、世界の名手が揃うJCではそれはないだろう。
そうなると、直線での激しい叩き合いが予想される。

本命はダノンデサイルだ。
ダノンデサイルが勝った昨年のダービーは最後の4Fが45.1で、1986根に河野東京芝2400mでは史上最速である。
ちなみに今年のダービーが47.0、一昨年が47.2で、両レースから2秒近く速いタイムだ。
枠順は外枠に回ったが、逆包まれずに直線突き抜けやすくなる。
前走の英インターナショナルSは、初の欧州遠征でレース前からテンションが高かったとの事なので、度外視していいだろう。
この馬が一番勝利に近いと考える。

対抗はカランダガン。
詳細は昨日書いているが、日本の馬場に近いドバイでドゥレッツァを並ぶ間もなくかわし、ダノンデサイルと好勝負している。
日本の馬場に対応する可能性は非常に高い。
であれば思い印を打たざるを得ない。
鞍上のバルザローナも、土曜日に東京で2勝2着1回の戦績で対応に不安はなさそうだ。

三番手はマスカレードボールだ。
陣営は、一叩きして体調はさらに上がっている、とコメントしているが、過去に天皇賞秋→JCを連勝した馬は6頭しかおらず、3歳馬はゼロだ。
マスカレードボールは歴史の扉を開く可能性を秘めているとは思うものの、気性的にもやや不安を抱えているので、今回はやや評価を落とした。

四番手は迷ったが、ジャスティンパレスにする。
JCの後は有馬記念で引退を表明しているが、宝塚記念から装着したブリンカーが効果を上げ、ここ2戦連続して強豪相手に3着している。
しかも天皇賞秋は直線前が詰まっての3着である。
今回は前走より状態が上がっているようで、1枠1番を引き鞍上にデムーロ弟を確保できたことも大きい。
6歳馬はこの10年0.0.0.50とデータ的には不利ではあるが、この馬も一発があっても不思議ではない。

五番手はクロワデュノール。
はっきり言って、現状芝ではこの馬が現役最強だと考えている。
しかし海外帰り初戦で、前走のハードな競馬がメンタル面に与えた影響と言う部分でも不安が残る。
ここを勝って現役最強を証明するかもしれないが、今回は五番手評価が妥当か。

最後はタスティエーラだ。
天皇賞秋は、直線向いたところでいったん抜け出し勝ったと思ったところから急失速。
追切時からやや重め残りを不安視されていたが、やはり調教が少し足りなかった可能性が高い。
しかしこの間はガラリ一変、どのメディアでもタスティエーラの最終追切を高評価している。
であれば、大外に回ったが勝ち負けに加わってくる可能性が高い。


◎ダノンデサイル
〇カランダガン
▲マスカレードボール
△ジャスティンパレス
×クロワデュノール
×タスティエーラ

馬券はいつも通り1着◎○、2着◎○▲△、3着は◎○▲△×の3連単24点で勝負。


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今年のJCには、19年ぶりに欧州年度代表馬が来日する。
過去の欧州年度代表馬のJCの成績は以下の通り。

2006年:ウィジャボード(3着)
1996年:エリシオ(3着同着)
1992年:ユーザーフレンドリー(5着)

これとは別に、2001年に欧州年度代表馬になったファンタスティックライトが、その前年の2000年にJCに参戦して3着に入っている。

開設当初は外国馬にいいようにやられていたJCだが、ここ数年は外国馬の参戦もポツポツあるものの、ウィジャボード以降3着以内に入った馬はおらず、勝ったのは20年前のアルカセットまでさかのぼる。
ではこの間有力馬の来日はなかったのかと言うと、昨年も英愛ダービーを含むG1を6勝していたオーギュストロダンとKG6&QESを勝ったゴリアットという有力馬が参戦していた。

ではなぜ外国馬が勝ち負けにならないのかと言うと、一番大きいのは馬場の問題だろう。
日本馬がどうしても凱旋門賞を勝てないのと同じ理由と思われる。
加えて入国時の検疫の問題もある。
ただこれについては、2022年から直接東京競馬場の検疫施設に入厩できるようになったので、壁は低くなっている。
もう一つは、やはり日本馬の強さだろう。
中東のレースをはじめ、ヨーロッパ、そして今年はついにブリーダーズCを勝利しており、現在の日本馬の強さには世界中が注目している。

前置きが長くなったが、その状況下の中で、今年はカランダガンが満を持して来日する。
勝てるかどうかは別として、勝ちに来ていることは間違いない。
理由はいくつかある。

一番大きい理由は、カランダガンはJRAが指定する海外のレースを勝っているため、JCを勝利すれば賞金のほかに300万ドルのボーナスが交付される事だ。
出走するだけでも10万ドルのボーナスだが、カランダガンのレベルであれば出走するからには当然勝利するつもりだろう。
他にも、カランダガンは騙馬であるため凱旋門賞に出走できなかった。
凱旋門賞を勝てたかどうかはわからないが、全成績が7.5.1.0で、馬場状態も良~不良まで不問で勝ち負けしておりダート戦の勝利もある。
出走していれば、少なくとも勝ち負けであったことは間違いない。
そして10月の英チャンピオンSで、ドラクロワ、オンブズマンの強力2頭をまとめて負かして欧州年度代表馬に輝いた。
となるとこのJCで、春にドバイで負けたダノンデサイルを含む日本馬に勝利すれば、世界チャンピオンが証明される。
種牡馬の道が閉ざされているカランダガンにとっては、非常に重要な勲章だ。
ここは是が非でも負けられない。
この後の香港Cにも登録があり、ロマンチックウォリアーとの対戦も選択肢にあるが、グラファール調教師は香港Cにはたぶん参戦しないと明言している。

では、カランダガンはJCを勝てるのか。
個人的には勝つ可能性は十分あると考える。

すでに書いたが、馬場は不問で常に勝ち負けをする実力、勝負強さがある。
日本の芝の馬場に近いドバイでダノンデサイルと好勝負している点からも、日本の馬場にも十分対応可能だろう。
グラファール調教師はゴリアットや凱旋門賞馬のダリズも管理し、今年フランスのリーディングを獲得しGIを11勝している。
過去にA.ファーブル厩舎などの名門で腕を磨き、すでにA.オブライエンのライバルとも称される実力者だ。

唯一の不安点は、ラビットのいない日本のレースのペースに対応できるかどうかだ。
ホウオウビスケッツが逃げると思われるが、おそらくハイペースにはならず、ひょっとすると天皇賞秋レベルのスローペースになる可能性もある。
鞍上のM.バルザローナは今年世界中でG1を7勝しており、日本でも騎乗経験はある。
ただ、9年ぶりの日本のレースに対応できるかどうかは考慮が必要かもしれない。

最終結論は明日だが、重い印を打たざるを得ないだろう。


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1965年に実際にあった、性転換手術を行った医師の逮捕をベースにした作品だ。
NHKの「あさイチ」でも紹介されたものの、テーマがテーマだけにあまり話題になっていない。
しかし、テーマは性転換だが、自分が何者であるかを問うと言う哲学的な内容だった。

1964年、東京オリンピックを控え、警視庁は売春婦の取り締まりを強化して夜の街の浄化をはかっていた。
しかし売春防止法は男女間の売春のみを対象としているため、男娼による売春は規制の対象にならない。
そこで一計を案じた警視庁は、男娼に性転換手術を行った医師赤城(山中崇)を優生保護法違反で逮捕し、これ以上男娼を増やさない方針を取ることにした。
弁護士の狩野(錦戸亮)は、恩ある人から赤城の弁護を頼まれる。

サチ(中川未悠)は恋人の篤彦(前原滉)と同棲していた。
篤彦はサチにプロポーズして体を求めるが、サチは拒否をする。
サチは元々男性で、手術により男性器はすべて除去したが、膣形成手術を受けていなかった。
2週間後に手術をする予定なので、それまで待って欲しいと言う。
この時、赤城が逮捕されていることを、まだサチは知らなかった。

狩野は、赤城の手術は正当な医療行為であり優生保護法違反にはあたらない、と言う弁護方針を立てた。
そのため、手術を受けて夜の街に立っている男娼たちに証言台に立ってもらうことにする。
そして狩野はサチにも証言台に立って欲しいと依頼をしにきた。
性転換手術後も、性を商売にせず一般人として暮らしているサチの証言が必要だと説得する。
しかし、職場の喫茶店にも性転換の事は内緒にしており、性転換の事には触れられたくないと、サチは断った。
狩野は裁判所に男娼のメイ(中村中)を招聘し、生まれた際の自分の性を受け入れられない精神疾患で、赤城の手術はその治療のための医療行為だと主張する。
しかし証言台のメイは「精神疾患」と言う言葉に引っ掛かり、自分は精神異常者ではないと怒り出す。

その頃サチは、赤城の代わりの医師を探していた。
しかし電話帳に載っていた産婦人科にはみな断られ、最後に訪れた産婦人科もうさんくさいため手術を迷っていた。
するとその産婦人科に、かつての友人でやはり性転換手術を受けていたアー子(イズミ・セクシー)たちが来ていた。
アー子はショーパブを開店する準備をしており、サチがアー子のその店を訪れると、すぐに狩野に請われて証言台に立ったメイがやってくる。
メイはアー子が証言台に立とうとしているのを止めに来たのだ。
狩野にいいように使われるだけで、馬鹿にされるからやめておけと止めるメイに対し、アー子は自分は大丈夫だと言ってケンカになる。
しかしアー子が証言台に立つと、メイの言う通り好奇の目にさらされた。
ショックを受けたアー子は、その夜酒場でケンカをして死んでしまう。

主演の中川未悠は、これまでもトランスジェンダーとしてドキュメンタリーフィルムなどに出演していたらしいが、本格的な演技はこれが初めてのとのことだ。
正直巧い演技とは言えないが、自分のこれまでの思いが込められた演技に見えた。
監督の飯塚花笑もトランスジェンダーで、性転換を行っているらしい。
製作陣のこれまでの経験が生かされているため、性転換というエキセントリックなテーマの上っ面だけをなぞった作品ではなかった。
クライマックスで証言台に立つサチの言葉は非常に重く、少々ネタバレになってしまうが、男女という区分けは世間が定義する単純な記号でしかなく、一番大切な「自分が何者なのか」は自分自身でしか判断できないという事がよくわかる作品であった。


165.ブルーボーイ事件


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