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<   2012年 11月 ( 29 )   > この月の画像一覧

これはまだ、パスポートをもらう前に観た。

原作は辻村深月で吉川英治文学新人賞を受賞している。
いつものように原作は読んでいないのだが、映画としてはかなり面白かった。

ツナグは、死者を1日だけこの世に呼び戻せる能力を持っている。
元々は占い師として栄えた秋山家に伝わる能力であるが、現在は秋山家から渋谷家に嫁いだ渋谷アイ子(樹木希林)がその能力を受け継いでいる。
アイ子は年のためにそろそろ引退を考えており、孫の歩美(松坂桃李)に能力を受け継がせようと考えていた。
そのお試しという訳ではないが、依頼者と死者の橋渡し役を歩美が担当する事になる。
歩美が担当するのは、老母を呼び出す中年の男性、親友を呼び出す女子高校生、行方不明の婚約者を呼び出す30代の男性、の3人である。

死者を呼び出すという部分で、現実にはあり得ない話である。
この手の話は、そのあり得ない部分にどうリアリティを持たせるかがカギとなるが、この作品では呼び出された死者が本物かどうか、呼び出しているツナグでさえよくわかっていないという設定にしている。
整合性を付けるための無理やりな理論を押し付けてこないので、逆に話がリアルに思えてくる。
さらに、ツナグがどうやって死者とコンタクトを取るのか、その部分の表現方法もなかなかいい。
会話内での説明に頼らず、物語が進むにつれ少しずつコンタクト方法とストーリーの核心が明らかになってくる。

ストーリー展開も巧いし、かなり感動的な物語でもうちょっと話題になってもよさそうなものだが、映画としてはややバランスが悪いかもしれない。
その部分がちょっともったいなかったかな。

まず最初の老母を呼び出す中年男性のエピソードは、かなりの感動モノだ。
息子が遠藤憲一で母親が八千草薫だから、これがもう泣けない訳がない。
この時点で劇場内にはすすり泣きの音が聞こえていた。

だが、続く女子高校生のエピソードで雰囲気は一転する。
仲の良い女子高生によくある信頼と嫉妬がテーマになっているのだが、かなりシビアな内容で、かつ橋本愛と大野いとの演技が巧すぎるためにちょっと引いてしまう。
橋本愛は「告白」と「桐島、部活やめるってよ」でも激しい性格の役を演じていたが、地なのか演技力なのか、とにかく巧い。
そのため観ている方は、最初のエピソードとの落差に戸惑う事になってしまう。

その後の30代の男性のエピソードからラストへのつなぎ方は、非常に手堅い感じである。
途中で結末はだいたい予想が付いてしまうのだが、不満は感じない。
と言うか、むしろ心地よさを感じる。
なぜなら松坂桃李と樹木希林の孫と祖母が、全編を通して食事をしたりカーテンを繕ったりお茶を飲んだり、常に絶妙の距離感を保っていてラストもこの演出と演技が見事に効いているからだ。

途中、やりきれなくなりそうな場面もあるのだが、全体としては非常にいい出来の映画だと思う。


103.ツナグ


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いつも使っているTOHOシネマズのマイルが貯まったので、1カ月フリーパスポートをもらう事にした。
これまでは家族と映画に行くときにポップコーンに替えていたんだけど、最近は長男が家族と行動をともにしなくなり、さらに次男がもう「ポケモン」を観たがらなくなった事もあり、家族で映画に行く機会も減っていた。
今年の夏もカミサン、娘と3人で「メリダ」を観に行ったけど、上二人は別行動だった。

なのでポイントを使う機会が激減し、2012年末で無効になるポイントが4000マイル以上ある。
合計では9000マイル近く残っていたので、6000マイル使って1カ月フリーパスポートに交換してもらった。
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実は夏ぐらいからフリーパスポートにしようと思っていたんだけど、この時期にしたのには理由がある。
もちろん「ヱヴァ Q」だよ。
一応、延期にならずに11/17から公開されるみたいなので、フリーパスポート利用して何回も観てやろうと企画している。
それ以外にも、なぜか今年は秋から冬にかけて公開される作品が多かったしね。

このフリーパスで観る予定の映画は以下の通り。

・エクスペンダブルズ2
・推理作家ポー 最期の5日間
・アウトレイジ ビヨンド
・終の信託
・北のカナリアたち
・リンカーン/秘密の書
・悪の教典
・伏 鉄砲娘の捕物帳
・アルゴ
・黄金を抱いて翔べ
・のぼうの城
・ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q
・任侠ヘルパー
・綱引いちゃった!
・カラスの親指
・人生の特等席
・007 スカイフォール
・ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館

この18本は、いつも使っているTOHOシネマズ錦糸町、TOHOシネマズ市川で公開中、もしくは公開予定なので必ず観るつもり。
これとは別に、他のTOHOシネマズで上映している映画も、なんとか頑張りたいと思う。
ただこのフリーパスポート、TOHOシネマズ六本木だけは使えないんだよね。
まあ、あんまり六本木に行く事もないからいいんだけど。

ちなみに「ヱヴァ Q」以外の期待作は、「リンカーン/秘密の書」「悪の教典」「カラスの親指」「007 スカイフォール」って感じかな。

さあ、目が潰れるほど映画を観てやるぞ!
何これ?
これが「009」なの?
おふざけもいい加減にしろ!の世界だ。

制作者が「009」で何が描きたかったのか、サッパリわからない。
00サイボーグを現代に甦らせて新たなるストーリーを展開したかったのか、あるいは未完の原作の続きを描きたかったのか。
現代版として、設定を改めると言うのはわかる。
元々1960年代に連載がスタートしたマンガで、当時はベトナム戦争をはじめとした東西冷戦の真っただ中、世界平和という意味も全然異なるから、それをそのまま映画にしても当然展開に無理が生じるだろう。
ただ、それならそれでスッパリ割り切ってオールドファンの非難覚悟で新設定にすればいいのに、中途半端に原作の設定を引きずっている。
しかもそれが、オールドファンが一番気にしている原作の未完部分を引き継ぐんだが引き継がないんだか、見ていてかなりイライラする展開で、その結果ストーリーの軸となる部分がグズグズになってしまった。
もうダメもダメ、ダメダメダメ、ダメの見本のような映画である。

まず、00サイボーグの現代の設定がよくわからない。
ギルモア博士が財団を作り、27年前までは00サイボーグたちはそこに所属し世界平和を守っていたが、どうもリーダーを誰にするかと言う権力争いで、メンバーは散り散りになってしまったようだ。
そしてジェット、グレート、フランソワーズ、ハインリッヒの欧米諸国出身者は、それぞれの国の諜報部員として活躍している。
しかし、このあたりの説明も全部会話の中で流されているので、00サイボーグたちの人間関係がよくわからない。
そもそも00サイボーグたちはプロトタイプで、その後にブラックゴースト団が作ったサイボーグに比べると、格段に性能が劣る。
しかしそれをチームワークで切り抜ける、それが00サイボーグなのである。
ただ、ジェロニモやピュンマなどは人種差別の歴史もあるため、時にはジェットやグレートたちと揉めることもある。
だがそういう部分も全部含めて、00サイボーグたちの人間関係なのだ。
今回は、ジョーとフランソワーズが完全に恋人関係にあり、フランソワーズが服を脱いでジョーを誘うシーンもある。
でも、そういうのは「009」にはいらない。
フランソワーズは峰不二子じゃないし、9人のうち1人だけ女性で、でも本人がジョーの事が好きだから彼女を取りあう事はなんとなくご法度、と言うのが「009」の常識だ。
ただ、ジェットだけはフランソワーズが好きなようなんだけど。

で、こういうかつての設定をすべて捨て去るなら、それはそれでいい。
だったらもう完全にリセットすればいいのに、話の主軸に「天使編」を持ってきている。
ハッキリ言って「009」で設定を新たにするのなら、「天使編」や「神々との戦い編」を持ち出してはならない。
逆にこの2編を持ち出すのなら、設定をリセットしてはならない。
「天使編」や「神々との戦い編」は、それまでの00サイボーグの戦いの上に成り立っている話なので、設定をぶっ飛ばしてこの話をしても、話がまったく繋がらない。

石ノ森章太郎は、「地下帝国ヨミ編」で本当にサイボーグ009を終わらせるつもりだった。
大気圏再突入でジョーとジェットが燃え尽き、それを流れ星として物干し台から見ていた姉弟が、会話をする。

「お姉ちゃんは何をお願いしたの」
「世界中の人が平和に暮らせるようにかな」

やっとブラックゴースト団を叩きつぶしたと思いきや、それはブラックゴースト団の一部で、かつジョーとジェット二人を失ってしまい、今後は7人で戦わなくてはならない。
単純な勧善懲悪のヒーローものではなく、悪と戦うと言う事は厳しく覚悟が必要なんだと、石ノ森章太郎がかつて語っていた。
そういう下地があっての「サイボーグ009」なのである。

00サイボーグなのにやたら武器を使う、と言うのは許せる。
ジェットの体がかなり強化されているのも、むしろいいかもしれない。
しかし天使にこだわってしまい、脚本が無茶苦茶になっている。
誰が悪かったのか、地球に平和が訪れたのか、結末がサッパリわからない。
そもそもNSAだのGSGだのSMOだの、そういう省略形をセリフの中で多用する段階で、脚本としてはかなりオソマツと言えるだろう。
冒頭のグレートとジェットの会話も説明が多すぎ。
だったら誰か一人の独白にした方が、理解しやすかったと思う。
ピュンマ、グレートも冒頭だけの登場で、本編ではほとんど活躍してない。
それってなんか意味あるの?
9人を使いきれないんだったら、最初から「009」の映画を作る必要なかったんじゃない?

作画自体は悪くなかった。
ジョーが加速装置を使って動くシーンは迫力があった。

ただ正直、「009」を作るならもっと愛情を持って作って欲しかった。
作品からは「009」に対する愛情が、微塵も感じられなかった。
オールドファンからしてみれば、冒涜以外の何物でもない。


102.009 RE:CYBORG


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本日は上部消化管内視鏡検査のため年休を取った。
平たく言えば胃カメラである。
3年連続で会社の健康診断でひっかかり、3年間で5回目の胃カメラだ。
今回は1年ぶりの胃カメラだったが、その前まではほぼ半年置きに胃カメラを飲んでいた。

こうなってくると、胃カメラももう慣れたもの。
1年半前に鼻から入れる胃カメラも体験したが、喉を通過するのは一緒なので、あんまり負担は緩和されない。
むしろ喉までが入れやすい口の方が、苦痛が少ないかもしれない。
一番良いのは、鼻用の内視鏡を口から入れる事なんだろうね。

昨年夏の「♪チャラリ~、鼻から胃カメラ~」の時以外は、すべて同じ近所の医院で検査を受けているが、すべて担当医が異なっている。
2年半前が若目の女医さん、丸2年前が年配の男性、去年がドSの女医で、今年は若目の男性医師だった。
過去の3人では、やはり女医さんの方が丁寧で負担が少なかったかな。
年配の男性医師は手慣れているのかもしれないが、あまりこちらの負担など考えてない風に、ちゃっちゃと手際良く検査を進める。
言ってしまえばちょっと雑だが、その方が早く終わって実は負担が少ないのかもしれない。

で、今日の若目の男性医師だが、手際は悪くなかった。
時間的にも短かったと思う。
ただ通常はケーブルが胃に到達すると喉元も比較的楽になるのだが、今回はケーブルが舌の奥の方を常に圧迫していたので、いつも以上にえづいてしまった。

そもそも胃カメラのコツは、無理にえづきを我慢しないことである。
どうせ胃の中には何も入っていないので、「オエ、オエ」やっても何かを戻す事はない。
食道が反応してつい「オエーッ」となってしまうが、吐くものもないので何度「オエーッ」と言っても大して問題はないのだ。
だから体が満足するまで「オエーッ」を連発していいのである。
ただあんまり連発すると、医師も看護師さんも心配するけどね(^_^;;

今日は舌を押さえられてしまった事もあり、いつもより多めに「オエ、オエ」してしまった。
それでも診断結果は特に問題なし。
ポリープが一つ見つかったものの、あとは去年と同じ。
去年までピロリ菌がいた時にできた炎症が慢性胃炎になっていて、それと軽めの逆流性食道炎が見られる程度だった。
時折胃酸が逆流すると結構七転八倒並みの痛みなのだが、ヤバいような跡は見受けられないとの事。

午後は1本映画を観た後、夕方下の娘を同じ病院に連れて行った。
先週からいやな感じの咳が止まらず、ちょっと気になっていたんだよね。
マイコプラズマ肺炎も流行っているようだし。
病院の待合室は、午前中は混んでいるが平日の夕方は意外と空いている。
看護師さんに呼ばれて病室に行ったら、なんと午前中胃カメラの検査をしてくれた先生だった。
向こうも「あれっ?」て顔していた(^_^;;
娘をイスに座らせたら「お父さんはそちらにおかけ下さい」と、胃カメラの時に寝かされたベッドを指差された。
お互い苦笑しながら座ったよ(^_^;;
娘も、肺の雑音が聞こえないので肺炎ではなく気管支の炎症でしょう、との事。
やや多めの薬をもらって帰宅した。

近所とは言え、病院ダブルヘッダーすると、ちょっと疲れるね。
まあ、親子揃って大した事なくてよかったけど。


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今回のギンレイの2本。

まずは「屋根裏部屋のマリアたち」。

舞台は1960年代のパリ。
主人公のシュベールはそこそこの上流階級に生まれ、自らも投資家として成功しており、どういう造りかよくわからないがホテルのような建物に住んでいる。
中庭を囲むようにして門があり、1階には管理人のフランス人中年女性が住み、6階にあたる屋根裏部屋にはシュベール家の使用人や近所で使用人をしているスペイン人女性たちが住みこんでいた。
シュベールには二人の息子がいるが、寄宿舎付の学校に通わせているため普段は妻と使用人の三人で暮らしで、妻はハッキリ言ってクソアマだ。
半年前までシュベールの母親が生きていた時は良かったが、それからは好き放題やり放題である。
家事はまったく行わないし、シュベールが生まれた時から使えていた使用人も怒って出て行ってしまった。

そんな時、屋根裏部屋に住んでいるスペイン人の姪っ子が、パリにやってきた。
彼女はそのままシュベール家の使用人になるのだが、それがきっかけとなりシュベールと屋根裏部屋のスペイン人たちの交流が始まる。
物資に恵まれなくても、たくましく生きるスペイン人たち。
彼女たちを見ているうちに、シュベールは人生観を変えて、これまでの生活を捨てようと決意する。

一言でまとめると、中年男が突然自分探しに目覚める物語である。
妻のバカぶりがきちんと描けているので、シュベールが生活に嫌気をさす状況に無理はない。
年代的には私より少し上の男の話だが、共感できる部分も多かった。
ただ、ストーリー中にこれと言って珍しい話はない。
言ってしまえばありきたりな話である。
TVドラマならこういう話もありかなという気もするが、わざわざ映画館に足を運んでまで観たいかと言うと、私自身はそれほどではなかった。


続いて「ミッドナイト・イン・パリ」。
今回の本命はこちら。

売れない小説家、というよりはまだ小説家としてデビューできていないギルは、映画の脚本で糊口を凌いでいる。
というよりは、これが結構いい収入だったりするので、そこそこいい生活ができてしまう。
で、資産家の娘のイネスと結婚することになり、彼女の両親の出張に付きあって二人でパリ旅行をする事になった。
ただ、イネスはややギルを見下しているところがあり、あまりギルの話をきちんと聞かずにマイペースで行動しようとする。
ソルボンヌ大学に講演に来たと言うイネスの友人ポールと一緒にパリを見学する事になったが、ポールの言う事は聞くもののギルの言う事は否定されてばかりだ。

ある晩、少し酔ったギルはみんなと別行動を取り、ホテルまで歩いて帰る事にした。
するとクラシカルなタクシーが通りかかり、乗客に仲間に加わるように誘われた。
ギルはそのままパーティ会場に赴くのだが、そのパーティはジャン・コクトーが主催しており、フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイなども来ていた。
憧れの作家を目の当たりにして舞い上がってしまうギル。
さらに、彼はピカソの愛人に一目惚れしてしまう。
すでにギルの心は現代から1920年代へと移ってしまい、ピカソの愛人アドリアナの事が忘れられなくなってしまう。

ウディ・アレンらしい手堅い作品だ。
単なるタイムスリップ物ではなく、夜中だけ1920年代にタイムスリップするという設定が、まさに夢物語りのようで面白い。
朝、現代に帰って来たギルは、現実に引き戻されてしまうのだ。
ストーリーはだいたい予想通りに進み、ラストもドンデン返しがある訳でもないのだが、設定の面白さとギルの迷いっぷりの面白さで見せてくれる。
なかなかおススメの映画である。


100.屋根裏部屋のマリアたち
101.ミッドナイト・イン・パリ
いやー、ジャイアンツ優勝しちゃったね。
去年ジャイアンツは優勝しないって日記書いたけど、なんと日本一だってさ。
「たぶん」って付けといて良かった(^_^;;

●それでもジャイアンツはたぶん優勝できない
http://ksato.exblog.jp/14138305/


この時の日記にも書いたけど、一連の「清武の乱」の原因は橋上、秦の両コーチを採用したことに始まる。
この二人は元々スワローズ時代からの野村克也門下生なので、ジャイアンツOBは二人の抜擢にかなり難色を示したらしい。
そして当然ナベツネもだ。

日記を書いた頃は、これだけ大騒ぎになったら橋上も秦も居づらくなってベンチでも気まづい雰囲気になるだろう、と思っていた。
がしかし、実際にはこの橋上がかなりいい作戦を練っていたようだ。
秦は正式にはコーチ登録ではなくスコアラーのようだが、敵チームの解析をこの二人が担当していた。
だからスタートダッシュで出遅れたものの、各チームと一回り当たったあたりから解析が進んでジリジリ成績を上げ、交流戦では昨年両コーチがパリーグに在籍していた事もあり独走、見事優勝している。

サンスポに不定期掲載される「ノムラの考え」を読むと、場面場面の各選手の判断に注文を付ける事は多いが、ジャイアンツのベンチワークに文句を付ける事は少ない。
まだまだ不満な点はあるのかもしれないが、野村的な考えがジャイアンツの野球に浸透していると言う事だろう。
そしてそれを実践した原も、大したものである。
OBやフロントからはゴタゴタに関していろいろと横やりが入っただろうし、自身もスキャンダルを暴かれたりした。
しかしそこは腹を括って両コーチの考えを採用し、選手に実践させた。
選手も、監督が雑音をシャットアウトして腹を括った事を理解し、開き直って野球に打ち込んだに違いない。
その象徴が阿部だ。

阿部は、もはやミスタージャイアンツの継承者と呼んでもいいかもしれない。
日本シリーズの「澤村の頭小突き事件」でもわかるが、シーズン中も「ノムラの考え」で的確な指摘があると該当する選手にそれを読ませて考えさせたりしていたらしい。
阿部が勝つためには何をすべきかを考え、実践していたから、その他の選手も同じように勝つ野球を実践していたのだろう。

こうなってくると、しばらくジャイアンツの天下が続いちゃいそうだ。
昨年まで無名だった若手のピッチャーが今年中継ぎで次々と一本立ちしてしまったし、ケガで主力の誰かが離脱する以外ちょっと死角がない。
あるとすれば、今年活躍したその若手中継ぎピッチャーたちが研究され、来年思うように活躍できなくなることぐらいかな。
杉内が復活すれば、内海、杉内、ホールトン、沢村、宮国、菅野で、先発ローテーションをガッチリ固定されちゃいそうだしね。
クローザーの問題は残るものの、今年のように中継ぎ陣が活躍すれば9回1イニングだけなので、西村でもマシソンでもなんとかなりそうだし。
ちなみにかつてジャイアンツの投手コーチで、前ベイスターズ監督だった尾花高夫が、来期はジャイアンツの2軍コーチとして復帰するらしい。
また若手ピッチャーが育っちゃうよね。

ただ阿部はケガを抱えているし、重労働の捕手で出場し続けるのはちょっと厳しいかもしれない。
実松、加藤がどれだけカバーできるかだけど、この二人がきちんと勝つ野球を理解できていなければ、他のチームも付けいる隙ができるんじゃないかな。
先々週が小学校のバザー、先週が中学校のバザー、そして今週は娘の吹奏楽部の演奏会、毎週末小さいイベントが重なるので休む暇もない。
バザーは直接関係がある訳ではないが、いろいろとそこに所用が重なって学校まで行くはめになった。

今週も午前中に買い物などを済ませ、午後から小学校に向かう。
吹奏楽部の演奏は、敬老の日にも聞いている。
町内会で老人向けのイベントを開催しているのだが、毎年そこで発表をするのだ。
今日の発表は、その時と同じ曲目も多かったが、新作もあった。

でも、最近は小学生と言えども演奏は巧いよね。
まあ我々の頃とは違って、学校にも楽器が揃っているからね。
私が通っていた小学校は、当時宅地開発が進んで子どもの数が急激に増えていたため、1年間で2回新設校が出来て友達が分校していった。
そんな状況だから楽器も足りず、ピアニカやアコーディオンでさえ人数分ギリギリだった記憶がある。
それが今や、トランペットやクラリネットが人数分あるのは当たり前、管楽器もほぼフル装備で、サックスもバリトン、テナー、アルトと揃っている。
打楽器も見た事ないような楽器があるし、舞台奥にはドーンとドラムセットが控えている。
我々の小学校時代の打楽器と言えば、大太鼓、小太鼓、シンバルだったんもなぁ。

演奏も、敬老の日に聞いた「ワイルド アット ハート」と「マルマルモリモリ」はかなり巧くなっていた。
座っての撮影は禁止されているため演奏中は30分間ずっと立ちっぱなし、かなり足腰に堪えたけど、子どもが一生懸命演奏している姿は清々しかったので良かったかな。
「平清盛」が撮了したそうだ。
その会見が開かれたが、当然低視聴率に関する質問が出た。
それに対して松山ケンイチは、「いい加減じゃなく、一生懸命やった結果低視聴率なら誇りに思う」的な発言をしている。
まさにその通りだと思う。

過去にも2回日記に書いたが、「平清盛」はここ数年の大河ドラマの中でも珠玉の出来である。


●「平清盛」はハンパなく面白い
http://ksato.exblog.jp/15451084/


●「平清盛」がいよいよ面白くなってきた
http://ksato.exblog.jp/15775265/



そもそも視聴率が悪いのは、このドラマの出来が悪かったからではない。
日本人は戦国時代と幕末が好きで、それ以外はあまり興味をもたれないのが原因である。
しかも、平安末期の源平の争いについては非常にわかりづらい部分もあり、そこそこ歴史の知識の下地がないと、番組を追い切れなくなってしまう。

そういう題材を大河ドラマにする事自体の是非を問うというのは、話としてはあるだろう。
あるいは「坂の上の雲」のように、イレギュラーなスペシャルドラマとして放送していたら、もっと評価は高かったかもしれない。
ちなみに「坂の上の雲」も、視聴率自体はそれほど高くはないが、ドラマとしての評価はとても高い。
そして「平清盛」も、内容は非常に素晴らしいものになっている。

以前の日記でも触れたが、とにかくキャスティングが素晴らしい。
清盛、忠盛(中井貴一)、忠正(豊原功補)、重盛(窪田正孝)など平家一門は言わずもがな、それ以外でも特に王家は全員、この人しかいないんじゃないかというほどのハマり役である。

まず白河法皇の伊東四朗。
出演は最初の2回までだがこの人が、清盛のモチベーションとなる「貴族主導の腐った世を変えなければ」という動機付け役を見事なまでに演じている。
まさに「怪物」であった。

次に、鳥羽法皇の三上博史と崇徳上皇の井浦新。
二人は白河法皇が原因を作った皇室内の混乱の被害者であるが、二人とも困惑、嫉妬、悲哀の感情を、激しいまでに訴えかけてくる。
三上博史と井浦新の倒錯した演技は、巧いと言うほかなかった。

そして松田翔太の後白河法皇だ。
この人は本当に演技に幅がある。
「アフロ田中」も巧かったが、白河法皇に匹敵するほどの野心家である後白河法皇は、本当にこんな人だったんじゃないかと思う。
また、声も良く歌も巧い、所作も雰囲気たっぷりだ。

それと滋子の成海璃子だ。
正直、「LOVE まさお君が行く!」の頃はもっと痩せていたと思う。
太ったのがこの滋子役のためだとしたら大したものだ。
姉である深キョンよりもよっぽど貫録があった(見た目の横幅と言う意味ではなくて)。
平氏から宮中に輿入し、平家繁栄のきっかけを作って後白河法皇との橋渡し役になっていたが、妖しさのオーラを放ちまくっていた。
演出の妙もあっただろうが、演技の巧さも光る。
それに比べると深キョンの時子は最近目立たないんだけど、見せ場はやっぱり壇ノ浦まで取ってあるんだろうね。

そして、こういうストーリーのメリハリの付け方も巧い。
9月くらいから義経(神木隆之介)をチラチラと登場させ、治承・寿永の乱(源平合戦)の胎動を予感させている。
この時代に書かれたいろいろな物語、文献などのいいとこ取りして、さらに清盛、重盛と続く叔父から棟梁として認められない因縁などを巧みに取り込んでいる。
森田剛の平時忠の憎たらしさもいいよね~。
たしか義経は時忠の娘を嫁にもらう事によって頼朝との決裂が決定的になるんだけど、そういう部分を鑑みても、あまり一般に知られていない時忠を憎たらしく描く事は正しいと思う。

物語は「鹿ケ谷の陰謀」まで来ており、この後重盛は妻の兄である藤原成親(吉沢悠)を守る事ができず、失意のまま弟に棟梁を譲ることになる。
そして病死するのだが、思慮深く大局観も持ち合わせていたにもかかわらず、結果的に父親の残した功績に追いつく事ができない形になってしまった。
重盛さえ生きていれば、平氏の世ももうちょっと続いたのではと思わせる展開になっている。

北条時政の遠藤憲一、政子の杏、弁慶の青木崇高、源頼政の宇梶剛士など、この後活躍すると思われる源氏方の役者にも期待が持てるよね。
壇ノ浦の深キョン、二階堂ふみの徳子の演技も楽しみだ。

今期は面白いドラマが多いんだけど、やっぱり「平清盛」からは目が離せない。

【追記】
その後の日記はこちら

●「平清盛」終了
http://ksato.exblog.jp/17043354/



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さて、「3」でダメダメになってしまった「踊る」が、「THE FINAL」でどうなったか。
結論から言うと面白かった。
クライマックスのカーアクションや結末を含め、相変わらず強引な展開もあるのだが、ある意味それもこのシリーズの面白さでもある。
これまでのシリーズで蓄積したカードをすべて使いきった形で、「THE FINAL」と言うサブタイトル通り集大成の作品になっている。

「3」では「織田裕二と柳葉敏郎がちょっと和解したんでやっと映画が作れるようになったけど、さて何を作ろうか」という迷いが出てしまった感があり、何が言いたいのかよく分からない展開になってしまった。
キョンキョンの日向真奈美とTVシリーズの犯人を引っ張り出したきたものの、シリーズ全体のファンを喜ばせるために媚びているようにさえ見えた。
青島と室井はまったく連携がなくそれぞれ別々の案件で悩んでいるし、正直言って「これだったら『踊る』にしなくても良かったよね?」という内容だった。
おそらくそのあたりが不人気の原因だったと思うが、今回はきちんと解消している。

前回で中途半端な役どころになっていた鳥飼(小栗旬)を、今回は巧く使いきった。
これなら小栗旬を配した意味がある。
「3」から「THE FINAL」にかけてのつなぎとして、やはりTVスペシャルの「THE LAST TV」も必要だったのだろう。
この番組でもさりげなく鳥飼の変化を表現していた。
そして意外と言っては失礼だが、小泉孝太郎の役どころが光った。

若干ネタばれの話になってしまうが、それほど目立つポジションではないのだが、小泉孝太郎の小池交渉課長のアツい刑事魂が、最後の最後でストーリー全体のインパクトになっている。
そもそもが真下が作った交渉課だが、交渉課が成立以前の「交渉人 真下正義」の時は真下も輝いていた。
小池も最初は真下に憧れていた部分もあったのだろうが、組織の中で真下がだんだん輝きを失うとともに、小池の中でも何かが変わっていたのだと思われる。
そして最後のトリガーで、小池は完全に壊れてしまったのだろう。

実際、湾岸署長になった真下は本当にダメダメである。
かつては真下自身がスリーアミーゴズに呆れかえっていたのに、今や自分がほとんど同じ事をしている。
真下のダメダメ振りはコミカルな部分として描かれているのだが、実は小池の絶望の部分にもつながっており、このあたりは自然な流れを巧く作っている。
小池は、青島たち所轄が持っているアツい刑事魂を持っており、もし今回が「THE FINAL」じゃなかったら、ちょっともったいない使い方だったかもしれない。

余談だが、小泉孝太郎は今シーズンのTVドラマ「毒」の第一話でも、非常に巧い演技を見せていた。
今までは親の七光だとばかり思っていたが、実力を認めざるを得ないだろう。
犯人役の香取慎吾は、セリフが少ない役なのでちょっと評価が難しい。
もう少し正義感に燃えるシーンを入れておいた方が、香取慎吾を使った意味が出たんじゃないかとも思う。

全体としては本当に悪くないのだが、青島が偉くなった事による矛盾はやはり残った。
今回は青島自身が走りまくって犯人を捜す、だがその半面、部下の活躍がまったく見られない。
唯一そこそこ活躍したのは伊藤淳史の和久伸次郎くらいで、それ以外は見せ場がなかった。
そう考えると、やはり今回が「THE FINAL」でいいのかな。
ラスト付近で青島の「正義って言うのは胸に秘めておくくらいがちょうどいいんだ」という名セリフがあるんだけど、なんかかつての和久さんみたいで、青島もその粋に達したように思う。
だから15年後くらいに、室井が警察庁長官、沖田が警察庁次長、新城が警察行政人事院の執行官で真下が警視庁長官、そして湾岸署は魚住が署長ですみれさんが副署長、和久が刑事課長で青島は係長のまま、なんて役職で、新しい若いメンバーが現場で走り回る「新踊る」シリーズを作ったら面白そうだけどね。

それと、今回水野美紀がめでたく出演できて本当によかった。
最初は電話の声だけの予定だったようだが、各方面の調整がなされて無事画面にも登場している。
そして水野美紀のセリフが本当に笑ったよ。
あれをアドリブで入れたとしたら、水野美紀とユースケサンタマリアは本当の名コンビだ。

どうでもいいけど、北品川署にいた婦警の野添久美子って小橋めぐみだったんだね。
10代の頃からちょっとつりあがった大きな目が印象的だったけど、久しぶりに見たらエライ綺麗になっていた。
存在感があるので、今後はいろいろな作品で活躍するんじゃないかな。


99.踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望


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