人気ブログランキング |

カテゴリ:映画( 1330 )

2019年米アカデミー賞で監督賞を受賞した作品だ。
NetFlixが配給権を持っているので、日本では劇場公開はナシかと思ったが、意外と期間限定で劇場公開しているようだ。
と言う事で上映館を探して観に行った。
観た後に監督が「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンであることを思い出したが、「ゼロ・グラビティ」とはまったく異なるタイプの作品で、正直見ている間はかなり眠くなった。

サッカーのW杯が行われた1970年のメキシコ、クレオは同僚のアデラとともに、医師であるアントニオの家で住み込みの家政婦をしていた。
アントニオは学会のためカナダのケベックに向かい、クレオとアデラは日々、妻のソフィア、ソフィアの母、4人の子どもたちの面倒を見ていた。

仕事が休みの日、クレオとアデラはボーイフレンドたち遊びに行く。
アデラとラモンは映画を観るが、クレオとフェルミンはホテルに行くことにした。
そしてクレオは妊娠、後日映画を観ている際にその事をフェルミンに告げるが、フェルミンは映画の途中でトイレにたちそのまま行方をくらました。

その後、クレオは子どもたちを映画に連れて行くときに、アントニオが他の女性といるところを目撃する。
アントニオとソフィアの仲は修復できないレベルとなっていた。

クレオはフェルミンの住む村を訪れるが、彼は自分が父親であることを認めず、クレオを脅して追い返す。
ソフィアはクレオの出産を快く受け入れ、その準備のためベビーベッドを買いに行くのだが、店の前の通りでデモ行進が始まり、デモ隊と警察官が激しく衝突する。
さらにそこに民兵が加わり、デモ隊に発砲した。
デモ隊のメンバーがクレオとソフィアのいた家具店に逃げ込んでくるが、民兵もそのメンバーを追って発砲し、メンバーを殺害してしまった。
そしてその民兵の中にフェルミンが含まれており、彼は銃口をクレオに向ける。
フェルミンは発砲せずその場を立ち去ったが、クレオはショックで破水してしまった。
クレオは病院に運び込まれるが、子どもは死産だった。

ソフィアとアントニオは離婚することが決定し、アントニオが家に荷物を取りに来る間、ソフィアと子どもたちはビーチに旅行に行くことになり、クレオも同行した。
そこで二人の子どもが波にさらわれそうになるが、泳げないクレオが必死に助ける。
なんとか浜辺まで3人が戻ったとき、クレオは泣きながら子どもが生まれる事を望んでいなかった、と告げる。

旅行から帰宅後、クレオは留守番をしていた笑いながらアデラに「話すことがたくさんある」と言った。
ビーチでの懺悔ですべてが吹っ切れたようだった。

ストーリーはざっくりこんな感じである。
画面はモノクロ、撮影も長回しが多く、時代を感じさせる作品になっている。
ただ、個人的にはかなり退屈だった。
時間の流れをスローに感じさせる作りにしているのはわかるが、もう少し役者の演技や表情のアップなどの演出で、メリハリが付けられたのではないかと思う。
あえてメリハリを付けないように突き詰めた、と言えばその通りなのかもしれないが、それが面白いかと言えば、ハッキリ言って私には面白いと感じられなかった。
そのあたりは個人の好き嫌い、と割り切るしかないのだろう。

この監督の次回作は、「ゼロ・グラビティ」のような作品であることを期待したい。


63.ROMA/ローマ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
正当なルパンIII世シリーズとは別世界を描いている「LUPIN THE IIIRD」シリーズの第四弾作品だ。
第一弾のTVシリーズ「峰不二子という女」と、一昨年劇場公開された第三弾「血煙の石川五ェ門」は観たのだが、第二弾の「次元大介の墓標」は近所の劇場で公開されなかったため見逃している。

峰不二子は南部の荒野でランディと言う男と彼の息子ジーンの面倒を見ていた。
そこにランディを狙った殺し屋ビンカムとそのチームが現れる。
ランディはコドフリー・マイニングと言う巨大な会社の経理をしていたが、ジーンの心臓手術の資金を捻出するために会社のカネを横領したのだ。
その額は5億ドル。
ビンカムは砂を使って人の心を操るが、ランディはビンカムに襲われると不二子にジーンを託してアジトを爆破する。
ビンカムは爆破の難を逃れ、チームと一緒に不二子とジーンを追った。
ルパンと次元大介も、ランディが横領したコドフリー・マイニングのカネを狙っていた。
ビンカムが不二子たちに追い付いた現場に駆けつけ、ビンカムから二人を救う。

4人は街のホテルに逗留するが、ジーンはルパンと次元に5億ドルで父親の仇を討つように依頼する。
5億ドルを狙っていた不二子は、そのカネはジーンの手術代だと彼を諌めるものの、ジーンは聞き入れず、ルパンと次元も依頼を受けてしまう。
不二子はジーンと二人きりになり再度ジーンを諌めるが、その場にビンカムが現れる。
しかもルパンと次元はビンカムの仲間に足止めされ助ける事ができない。
不二子はカーチェイスの末間一髪でビンカムから逃れ、モーテルに逃げ込んだ。
だが、そこでもジーンは不二子の説得を聞き入れず、騒ぎを聞いたモーテルの主人が警察を呼んでしまう。
不二子の話を聞かないジーンはモーテルに残り、不二子は一人で逃げ出した。
しかし警察はコドフリー・マイニング社の息が掛かっており、ジーンは社長の元に連れて行かれてしまう。

起承転結はわかりやすく、ルパンシリーズとしては可もなく不可もなく、と言ったところか。
「血煙の石川五ェ門」もそうであったが、おそらく元々TV放映用に制作された作品で、30分×前後編の2本という構成のため映画としてはやや物足りない部分もあった。
また前作「血煙の石川五ェ門」からシリーズ全体のストーリーを引き継ぎ、さらに自作につながっていくと思われるのだが、「血煙の石川五ェ門」でその布石が打たれていなかったので、唐突感を感じた。
しかしこれについては私が「次元大介の墓標」を観ていない事が原因で、3作品すべてを観れば唐突感は感じないのかもしれない。

全体をきちんと整理するには、「峰不二子という女」からもう一度観直しをする必要があるかもしれない。


62.LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
原作は東野圭吾だが、いかにも東野ワールドと言った作品だった。
作者本人が映画を観て「完成した映画を観てうなりました。複雑な構造を持ったストーリーから逃げることなく、見事に真っ向勝負した作品でした。きっと多くの人が、この映画に翻弄されることでしょう」とコメントしているそうなので、おそらく原作にかなり忠実に作られているのだろう。

バイオメーカーの研究員として働いていた敦賀崇史(玉森裕太)は、しばしば同じような夢を見ていた。
同棲している研究生の麻由子(吉岡里帆)が、子どもからの親友で同じ会社の研究員をしている三輪智彦(染谷将太)の恋人である夢だ。
智彦は春の人事異動でいきなりアメリカ本社勤務となり、崇史に直接挨拶をする間もなく渡米していた。

夢の中で崇史は、毎朝並行して走る電車の向こう側に乗車していた麻由子に恋をしていた。
大学を卒業する日に告白しようと隣の電車に乗るのだが、彼女はその日に限って崇史の乗る電車に乗っており、告白することはできなかった。
しかしその半年後、智彦から初めてできた彼女だと言って麻由子を紹介される。

智彦の研究は社内でも極秘プロジェクトとして進められていた。
崇史が食堂でその話を聞くと、脳内に照射をして記憶を書き換えると言う。
智彦はすでに後輩の篠崎で実験を行ったと告げるが、崇史はプロジェクトリーダーに許可なく脳内照射を行うのは、倫理規定違反ではないかと言う。
智彦はごく限られた照射だし、プロジェクトリーダーにはすぐに報告すると言うが、崇史は智彦の研究に違和感を感じていた。

現実の崇史は、あまりにも具体的な夢を何度も見るため、ふと智彦の事が気になり始めた。
アメリカ本社の智彦に連絡を取ろうと試みるが、極秘プロジェクトのため個人のメールアドレスは社内と言えども教えられないと断られてしまう。
仕方なく崇史はプロジェクトの共有アドレスにメールを送信するが、智彦から戻ってきたメールには不審な点があった。

現実の世界と崇史の夢の世界を行き来するため、状況把握がやや難しい作品である。
しかしともすればゴチャゴチャになりそうなストーリーを、脚本と演出できちんと整理している。
また、途中から結末がほぼわかってしまうし、最後もやや予定調和な終わり方なような気もするが、玉森裕太、染谷将太、吉岡里帆の3人の演技力がストーリーをラストまで引き締めている。
特に吉岡里帆の麻由子は、夢と現実で崇史との距離感が難しい部分を演じ切っていた。
主演した「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」では、ちょっと役柄を持て余していたようにも見えたが、今回の麻由子役は良かった。

東野作品の中では地味な作品になるのかもしれないが、まずまずの完成度の作品であった。


61.パラレルワールド・ラブストーリー


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
原作はかわぐちかいじの同名漫画で、中国が尖閣諸島を占領するというかなり具体的なストーリーになっているが、映画版では侵略をする敵国が国連非加盟のテロ連合国家「東亜連邦」で、侵略する波留間群島と言う架空の島に置き換えられている。
では面白くないかと言えば、ややリアリティに欠ける部分が多いものの、企画に福井晴敏が加わっているだけに見応えのある作品になっていた。

20××年、東アジアの東亜連邦の漁船が大量に波留間群島付近に現れ、警告する海上保安庁の巡視船に向かって発砲をした。
そして軍隊が現れ巡視船を拿捕、軍隊は波留間群島の初島を占拠した。
一報を受けた日本政府は、巡視船救出のため航空機搭載型護衛艦「いぶき」と護衛艦4艦、潜水艦1艦を現地に向かわせる。
しかしその艦隊を東亜連邦の潜水艦が待ち受け、さらに空母から戦闘機を発進させた。

日本初の空母であるいぶきは、その存在自体に賛否両論が集まっていた。
そのため自衛隊は、マスコミ2社にいぶきへの体験乗艦と取材を許可しているところだった。
新聞記者の田中(小倉久寛)とネットニュースの記者本多(本田翼)の載せたまま、いぶきは現地へと向かっていた。

その頃内閣では、侃侃諤諤の議論が繰り広げられていた。
東亜連邦が戦闘をしかけてきたとき、それに対して自衛権を行使して防衛出動を発令するのか。
日本は自衛隊を保有しているが、これまで防衛出動を発令したことは一度もない。
そうこうしているうちに、初島を斥候しに行った戦闘機が撃墜され、犠牲者が出てしまう。
さらに敵戦闘機からミサイルが発射される。
内閣総理大臣の垂水(佐藤浩市)は、史上初の防衛出動発令を決意する。

日本が外敵から侵略を受けた場合、自衛権の発動はどうするのか、そして発動後の戦闘はどうなるのか。
現代において、誰もが一度は考えた疑問に対して、かなり具体的な回答を見せてくれる作品だ。
自衛権で局地的な戦闘になった場合、相手を攻撃しすぎると宣戦布告をされ戦争に拡大してしまう可能性がある。
特に、人的犠牲を最小限に抑えないと、戦争になってしまう可能性が大きくなる。
敵潜水艦、護衛艦をできるだけ撃沈しないで戦闘不能の状態にし、戦闘機も敵パイロットが可能な限り生存できるように撃墜する。
だからと言って、すべての戦闘員が助かるわけではない。
東亜連邦、日本とも想定できる被害の中で被害者を出してしまう。
その被害者が出てしまう状況設定もかなりリアルだ。

被害を最小限に抑えながら、敵に打撃を与える戦術を冷静に考えるのがいぶき艦長の秋津一佐(西島秀俊)だ。
元々空自のエースパイロットだったがが、海自へ転属して艦長となった。
ともすれば自衛権の枠を逸脱しそうな秋津の大胆な戦術に疑問を覚えるのが、副長の新波二佐(佐々木蔵之介)だ。
この二人は防衛大学同期のライバルで、海自に進んだ新波が副長と言う状態になっている。
その状況の中で、秋津の戦術に新波が異を唱えるケースもあるのだが、秋津は説得力のある言葉で戦術を実践、被害を最小限に抑えて巡視船救助に突き進む。

同時期に外務省は国連安保理への連絡を取り、戦闘終結へと必死に外交を行う。
この描き方もなかなか迫力があった。
緊迫した状況の中、クリスマスイヴの準備をするコンビニ店長(中井貴一)の描き方も悪くない。
実写映画の場合、ともすれば生々しさが出てすぎてしまい、中途半端にリアリティを追うとグズグズになってしまう可能性もある。
そういう意味では、原作と異なり敵国、占拠された島の両方を架空にした点が、逆にリアリティを強くしたようにも思う。

ただ、記者二人を乗艦させたまま現地に向かうという部分だけは、著しくリアリティに欠けてしまった。
万一民間人に被害が及んだ場合、その騒ぎは「侵略してきた敵国と交戦した」レベルではないので、普通に考えれば何があっても二人を艦から降ろすだろう。
なので、二人がどうしても艦から降りられなくなる状況を作り出すべきだった。

また国連安保理が緊急に召集されたら、間違いなく世界中のニュースになる。
となればどのエリアで緊張が高まっているかも、世界各国のメディアが血眼になって探すだろう。
日本のメディアも日本の領海で戦闘が起こっていることにすぐ気が付くはずで、政府の発表まで何もニュースが流れない、などという事も絶対にない。
政府が報道統制を掛けた、などのエピソードも入れるべきだったと思う。

とは言え、戦闘シーンのCGも素晴らしく、最後まで緊張しながら見続ける事ができた。
役者も実力者を揃えており、想像していたよりもはるかに完成度の高い作品であった。


60.空母いぶき


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
原作は中島京子で、この人の事は良く知らなかったが松たか子と黒木華が出演した「小さいおうち」の作者でもあった。
タイトルは、アメリカでは認知症患者が少しずつ記憶を失っていくことから「長いお別れ」と呼んでいることに由来する。
作者の父親は著名なフランス文学者だったようだが、その父が認知症を患った事がこの作品のベースになっているようだ。

母の曜子(松原智恵子)は下の娘の芙美(蒼井優)携帯電話に、次の父昇平(山﨑努)の誕生日には必ず実家に来るように伝言を残していた。
同時に家族とアメリカにいる上の娘の麻里(竹内結子)にも、父の誕生日に帰国するように電話をする。
芙美は将来自分の飲食店を出すため、スーパーの惣菜コーナーで働いていた。
父の誕生日にも手作りの惣菜を持って帰るのだが、父が惣菜を食べる様子がおかしい。
校長まで務めた厳格な父昇平(山﨑努)だが、母によると現役を引退してから少しずつ認知症の症状が出ているとの事だった。

芙美は数年後、キッチンカーで待望の自分の店をオープンするが、これが巧く行かない。
麻里は夫の仕事でアメリカ暮らしが続くが、現地での生活に慣れる事ができず、夫や息子とも少し溝ができ始める。
昇平はしばしば「帰る」と言って家を出て放浪してしまうので、曜子は麻里に頼んで昇平を生家に連れて行ってみる。
しかし昇平は今度は「家に帰る」と言い出してしまう。
その後自宅に戻り、昇平が家の近所を放浪しているとき、昇平を捜している芙美は小学校の同級生の道彦(中村倫也)と出会う。
バツイチの道彦と仲良くなった芙美は同棲を始め、仕事も彼の実家のレストランを手伝い始める。

このあたりまでは、割とよくあるストーリー構成である。
そしてここから先は、昇平を軸に置きながら、麻里、芙美、そして妻の曜子が人を愛する事、家族を愛する事について考える事になるのだが、3人に対して答えを出すのは、自分が誰かさえもわからない昇平だ。

監督は、商業用長編デビュー作の「湯を沸かすほどの熱い愛」でいきなり日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞を受賞した中野量太だ。
その他にも数々の映画賞を受賞している。
ちなみに主演の宮沢りえと助演の杉咲花も、日本アカデミー賞での最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞を受賞したのをはじめ、数々の映画賞を受賞した。

役者の演技力を引き出すことに長けている監督だと思うが、今回も出演者の力量を最高に引き出した作品になっている。
主役が誰なのかわかりづらいが、まず芙美役の蒼井優が素晴らしい。
特に、道彦とうまく行かなくなり、縁側で昇平と会話する時の表情が魅力的だった。
アメリカになじめない麻里の竹内結子も良かったし、入院中の松原智恵子は74歳とは思えぬかわいらしさだった。
そしてやはり山﨑努だ。
認知症と言う難しい役どころで、セリフも多くはない。
しかし見事に行間を演じきっている。
しかもロングショットではあるが、大便を漏らして糞尿だらけになった姿までさらしている。

10年近い長い物語なので、ストーリー中のメリハリはやや少なめだ。
だが遊園地のエピソードなど、この監督は人の心を優しく鷲づかみにするのがとても巧い。
「湯を沸かすほどの熱い愛」の強い感動はないが、ジワジワと心に染み入る作品である。


59.長いお別れ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
とっくの昔に終わってしまっているが、ギンレイで観た2本。

まず「日日是好日」。
2018年のオレ的ランキングでは15位だった作品だ。
黒木華が主人公の典子を、茶道を習い始めた20歳から40代半ばまでを演じている。
茶道がテーマだけに、ゆったりと時間が流れる世界観が素晴らしい。
先生役の樹木希林も、樹木希林以外には考えられないほどハマった役どころだ。
監督の大森立嗣は、「まほろ駅前」シリーズや「さよなら渓谷」など、コミカルからシリアスまで幅広く手がける引き出しの多い監督だ。
この作品はコミカルでもシリアスでもない、静かな世界を構築している。

続いて「モリのいる場所」。
豊島区の自宅から30年間外出しなかった伝説の画家熊谷守一を描いたオリジナル作品だ。
熊谷守一を描いたと言っても、その1日だけを切り取っている。
1日中自宅の庭を観察し、写生を行っていた熊谷守一のある日の1日だが、その日はいろいろな来客があり、その来客たちが織り成すエピソードで構成されている。
信州で温泉宿を営む男は宿の看板を書いてくれと依頼するが、モリは宿名ではなく「無一物」(むいちぶつ)と書いてしまう。
その他にも、モリの写真を撮り続けるカメラマンとその助手、近くでマンション建設をしている業者など、さまざまな人物が訪れる。
また、文化勲章の受賞の連絡があるが「これ以上人がやってくるのは困る」と言う理由で拒否したりもする。
他人に頓着しない熊谷守一の正確を、1日の中で描こうという作品だ。

だが、個人的な感想で言えば、ちょっと無理があったかなと思う。
監督は「南極料理人」「キツツキと雨」「モヒカン故郷に帰る」の沖田修一。
独特の間で笑いを演出する名手である。
ややファンタジーな部分や、お昼を食べながらドリフの話題をしているときに天井から金ダライ落ちてくるなど、この監督ならではの手法もあったが、熊谷守一よりもその周りの人々の方が目立ってしまった印象だ。
版権の関係か、絵画作品にはまったく触れられていない。
代表作の「猫」など、印象派のようなキュビズムのような独特の表現方法を用いた熊谷守一の、画家としての一面にもっと触れてもらいたいと思った。
なおこの作品にも、熊谷守一の妻役で樹木希林が出演していた。


57.日日是好日(再)
58.モリのいる場所


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
英勉が監督という事で、昨年の冬にシーズン1の深夜ドラマを見始めた。
そして今年の春に同じ枠でシーズン2が5話放送され、映画版へとつながった。
原作は「月刊ガンガンJOKER」にて連載されている人気作品のようだが未見、映画は原作にはないオリジナルのストーリーらしい。

シーズン2で蛇喰夢子(浜辺美波)が生徒会の豆生田楓(中川大志)に勝利したことにより、夢子に近寄る人物が現れた。
歩火樹絵里(福原遥)だ。
かつて生徒会長の桃喰綺羅莉(池田エライザ)に敗北した樹絵里は、すべて賭けで決着をつける学校と生徒会の方針に反対をし、仲間を集めて反生徒会組織ヴィレッジを結成していた。
そして生徒会を倒すには、夢子の力が必要だと言うのだ。
しかし夢子はこの申し出を断った。

夢子とヴィレッジの行動を憂いた生徒会役員の五十嵐清華(中村ゆりか)は、全生徒強制参加の生徒会選挙を企画する。
生徒は生徒会選挙に立候補するか、立候補者に別途するかの2択。
生徒会長との勝負を希望する夢子は鈴井(高杉真宙)とコンビを組み立候補する。
樹絵里はかつて生徒会長を倒した村雨とコンビを組むつもりだったが、村雨に断られたため仕方なく犬八と立候補する事になる。

夢子と鈴井は予選、準決勝と勝ち上がり決勝に進出。
樹絵里と犬八も準決勝に駒を進めるが、ここで何者かに犬八が拉致される。
犬八がいなくなったため棄権になるかと思われた樹絵里だが、そこに村雨が現れて犬八の代わりに勝負を行うことになった。

ストーリーは荒唐無稽だが、夢子役の浜辺美波をはじめ、キャスティングが素晴らしい。
若手実力派の役者がコミカルな演技をこなしているうえに、ギャンブル時の演出もなかなかだ。
監督の英勉の手腕にによるものだろう。

とは言えかなりマニアックな作品なので、誰にでもおススメできる作品ではない。
ギャンブル好きな人が本当に暇なときに、DVDで観るのがちょうどいいくらいかもしれない。


55.映画 賭ケグルイ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
内容的にはどうかなと思っていたが、予告編のCGがなかなか美しいので観に行くことにした。
そして予想通り、CGは美しいが内容はどうかな、と言う作品だった。

保険の査定員をしているティムは、友達からも心配されるほど不器用な男だった。
ある日ティムは父が亡くなったという連絡を受け、父が暮らしていたライムシティを訪れる事になる。
ライムシティは大会社を経営していたハワード・クリフォードが創設した、人間とポケモンが共存する都市だ。
街の中ではポケモンが人間同様に仕事をし、暮らしている。

ティムは連絡をくれた父の友人のヨシダ警部補に会い、その後父が住んでいた部屋を訪れる。
そこで父の相棒だったピカチュウと出会う。
ピカチュウは記憶をほとんどなくしていたが、ティムの父は生きていると主張する。
ティムはピカチュウの記憶を手掛かりに父親を捜索し始める。

ポケモンについてはよく知らない。
子どもと一緒にやったこともないので、知っているポケモンはピカチュウ、フシギダネ、ヒトガケ、ゼニガメ、ミューツーくらいだ。
映画は、元々ゲームとして発売されて「名探偵ピカチュウ」がベースになっているらしい。
アドベンチャーゲームの展開に近く、さまざまな情報を拾って次に進んでいく、という要素が強い。
そのため、ストーリー展開にメリハリが少ない。
正直、大人がストーリーを追って観るとかなり退屈である。

だが、ポケモンのCGはかなり美しかった。
単純に絵柄美しいだけではなく、ポケモンの動きの質感がなかなか素晴らしい。
実写版にするだけの価値がある完成度と言っていいだろう。
ポケモンファンの世代なら十分に堪能できると思う。


54.名探偵ピカチュウ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
映画を観たのはもう2週間も前の事だが、いまだに余韻に浸っている。
本作でシリーズ22作品目となるが、私が観ていないのは「インクレディブル・ハルク」のみ。
これまで頑張って20作品すべてを修行のように観続けたが、それが報われるレベルの作品であった。

公開からすでに1カ月経過しているが、想像していたストーリーとまるで異なるので、あまり詳細に触れない方がいいだろう。
20作品を観てしびれた部分だけ書いていきたい。

まず、アベンジャーズが崩壊し、世界の人口が半分になってしまった冒頭部の、ブラック・ウィドウとホークアイにしびれた。
この二人は他のメンバーと異なり生身の人間のため、戦闘能力が大きく劣る。
そのためホークアイは、途中からアベンジャーズの一線から身を引き家族と暮らしていた。
だがサノスに人口を半分にされたことにより、妻と子供たちを消され自暴自棄になってしまう。
一方ブラック・ウィドウは元々家族もいないロシアのスパイだが、アベンジャーズに加わることによって仲間の大切さを感じた。
だからアベンジャーズ崩壊後も、自分がハブのような立場となり全員と連絡を取れる体制を崩さなかった。
そしてこの後、作品中で重要な役割を果たす。
初期メンバーでありながら、メンバーが増えるに従い役割が薄くなった二人に、この作品ではしっかりスポットを当てている。

そしてさらにストーリーの中で、トニー・スタークは父と再会する。
このトニーと父の再会に同行するのが、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でトニーの父を巡るエピソードが原因でトニーと仲違いをしたキャプテン・アメリカだ。
さらにキャプテン・アメリカも恋人だったペギーと再会をする。

よく考えると、前作でサノスに消されてしまったメンバーは、フューリー以外は後から参加したメンバーばかりだ。
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ、オリジナルメンバーはすべて消されずに残った。
この「エンドゲーム」でシリーズ全体の総ざらいをするため、わざわざオリジナルのメンバーを残したのかもしれない。

そう考えると、「エンドゲーム」の直前に公開された「キャプテン・マーベル」はなんだったのかとも思う。
キャプテン・マーベルのパワーは強烈だが、ハッキリ言ってキャプテン・マーベルがいなくてもストーリーはどうにかなりたってしまう。
「エンドゲーム」の前にもう1作捻じ込んで、小金を稼ごうという魂胆だったか。

昨秋公開された「アントマン&ワスプ」も、シリーズからちょっと外れてしまったかと思ったがしっかり軸の中心に入っていた。
そして何より、全員がハッピーエンドではないラストシーンが心にしみた。
キャプテン・アメリカがサイドキックのファルコンに盾を渡すシーンも、次なるシリーズへの布石のようで良かった。

今後のシリーズは、この夏に公開される「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」と公開日未定の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の3作目が予定されている。
本作品で一区切りついたものの、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にはマイティー・ソーに似た新キャラが登場するようだし、今後の展開も楽しみだ。


53.アベンジャーズ/エンドゲーム


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
原作は「週刊ヤングジャンプ」で10年以上連載している超人気作品だ。
中国の戦国時代には詳しくないため、どこまでが史実に近いのかもよくわからない。
しかしそこそこ楽しめた。

春秋戦国時代、秦の国で信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)と言う子どもの奴隷が出会った。
二人は仕事の合間に剣の腕を磨き、やがて二人で大将軍になろうと誓いあっていた。
二人が成長して青年になった頃、将軍の昌文君(高嶋政宏)が現れ、漂だけを連れて帰った。
別れ別れになっても誓いを忘れない事を約束した二人だが、ある日漂が瀕死の重傷を負って戻ってくる。
しかも漂は追っ手に追われていた。
漂は息絶える寸前、信に地図を託した。
その地図に書かれていた場所を訪れると、そこには漂そっくりの男がいて、その男も刺客に命を狙われていた。
漂そっくりの男は秦の王である政で、弟の成キョウ(本郷奏多)と丞相である竭(石橋蓮司)の謀反により、王の座を追われていた。
追っ手を倒した信は、漂が政の身代りで命を落としたことに激昂する。
だが政の信念を聞き、政を護って国家統一を成し遂げれば、漂と誓った大将軍になれると考えた。
二人はその場を逃れ、途中で合流した山民族の河了貂(橋本環奈)とともに穆公の地に向かう。

政は穆公でバラバラに逃げた昌文君と合流するが、相国である呂不韋は自らも国王の座を狙っており、国内に味方はほとんどいない。
そこで昌文君は、山の民を味方につける事を思い立つ。
山の民とは、かつて名君穆公の時代に友好関係にあったが、その後秦国が友好関係を裏切り敵対関係にあった。
だが、穆公の名が付けられたこの地が荒らされていないという事は、山の民とも交渉の余地があると考えたのだ。
山の民は秦国を快く思っておらず、政たちは皆殺しになりかけたが、信の機転を利かせた説得に、山の民の王楊端和は力を貸すことを約束する。
政と山の民の合同軍は、成キョウのいる都咸陽へと進軍を始めた。

まず、バトルシーンのアクションがかなりいい出来だ。
山崎賢人の殺陣はかなり巧い。
その他の出演者も非常に見応えのある殺陣だった。
予算の関係か、両軍ともかなり人数不足のようにも見えたが、バトルシーンがそのあたりを埋めてくれている。

ただ、かなり長いストーリーの序章となるため、中途半端に見えてしまう部分も多かった。
特に大沢たかお演じる王騎は、本作でも重要な役どころで存在感もハンパないが、一方で何が目的なのかが見えてこない。
王騎は次回作以降でもっと活躍しますよ、的な見せ方になってしまっている。
原作を読んでいないので何とも言えないが、味方の主要キャラでこの作品で死亡したのは漂だけだ。
そのため今回はその他のキャラも概ね、キャラの顔見せ的に見えてしまい、ストーリー全体がやや盛り上がりに欠けてしまった。
スケールを考えると次回作を制作するのもそう簡単ではなさそうで、その部分まで先読みすると、ちょっと中途半端感が強くなってしまう。

元々原作も脚色が多く、史実に忠実と言う訳ではなさそうなので、映画用に原作からストーリーを変更してもよかったのかもしれない。


52.キングダム


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF