カテゴリ:映画( 1311 )

地上波初放送の「カメラを止めるな!(再)」を録画して見る。
前半の「ゾンビチャンネル」の番組部分はノーカットの放送だった。
まあ、当然だろう。

あらためて見ると、細かい演出がやはり巧い。
カメラ役の細田が酔い潰れて進行が回らくなり始めてから、ドラマの男優、女優、メイクの3人がカンペを見ながらオロオロ演技をする。
それがいかにも、ゾンビ作品の緊迫感をあおる演出に見える。

そしてやはり、監督役の濱津隆之の演技力が光る。
気弱で人がいいのだが、いざと言うときには思い切る、かなり愛すべきキャラである。
ゾンビ作品の代役中に、男優に向かってキレる演技は何度見ても爆笑だ。

見れば見るほど、役者、制作者ともに考慮を重ねたうえに、気合を入れて作った渾身の作品に見える。
見る人を満足させるという事はどういうことなのか、映像クリエイターを目指す人なら必ずこの作品を見るべきだろう。

38.カメラを止めるな!(再)


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
鹿児島県南大隅町が出資したと思われる映画だ。
南大隅町の「御崎祭り」ありきで作られているのだが、ハッキリ言ってかなり無理のある脚本を、監督の武正晴がなんとかまとめたと言う感じだった。

児島貴子(夏帆)は東京のキー局の看板アナウンサーだったが、プロデューサーとの不倫を週刊誌に抜かれ、情報番組のディレクター兼リポーターに左遷させられていた。
完全にやる気をなくしていた貴子に、日本全国の祭りのリポート番組の話が舞い込む。
この仕事も乗り気ではなかったのだが、リストの中に、小学生の頃1年間だけ暮らした南大隅町の御崎祭りが入っていたため、調査の取材に行くことは承諾した。

貴子が現地に行くと、町の観光課の人間は歓待してくれた。
現在の町の案内役に、かつての貴子の同級生太郎(太賀)も紹介してくれた。
貴子は一通り町の紹介を受けるのだが、TV映えしそうなネタはほとんどない。
しかも肝心の御崎祭りは、現在は若い人材不足のためトラックで神輿を運んでいた。
これでは取材はできないので、貴子は取材のために今年だけでも人が担ぐようにできないかと掛け合う。
しかし祭りを取り仕切る牛牧猛盛(伊吹吾郎)は、TVのために祭りを変更することはできないと突っぱねた。

交渉は決裂したまま貴子は一度帰京する。
貴子の中ではほとんどなくなった企画だったが、TV局内での自分の立場なども考え、半ばヤケになって取材を行う事にした。
再度南大隅町を訪れた貴子は、子供の頃に父親とよく通った食堂で寝泊まりする事にした。
そこで、かつて父親と過ごした日々を思い出すうちに、貴子は御崎祭りを本気でリポートしよう考え始める。

ストーリーは、ありきたりではあるが手堅くまとまっている。
ただはっきり言って申し訳ないが、肝心の御崎祭りがとても地味である。
担ぎ手が足りないと言っても、神輿の大きさはせいぜい20人もいれば担げてしまうレベルだ。
集落から集落へリレーをしなければならないので、各集落ごとに人手が必要なのかもしれないが、いずれにしろ映画にするにはかなり地味である。
大きな幟と傘を持つ太賀と岡山天音はかなり頑張っているとは思うが、それでも見栄えはしない。
撮影には南大隅町のオーダーもあったのかもしれないが、神輿を担ぐシーンでも担ぎ手のアップを多くして滴る汗を映し出すなど、もう少し躍動感のある画面にできたのではないかと思う。

低予算、短期間で作り上げたのだとは思うが、かなり素人臭い映画になってしまった。


37.きばいやんせ!私


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
もう少しライトなミステリーかと思って観に行ったが、ドロドロした人間関係が渦巻くちょっと重たいミステリーだった。

ステファニーは数年前に夫を交通事故で亡くしたシングルマザーだ。
今は夫の保険金でなんとか子育てしているが、いずれは働かなくてはならない。
しかし彼女はブログに料理の動画を乗せるなど、明るく息子のマイルズを育てていた。
ある日ステファニーは小学校にマイルズを迎えに行ったとき、息子の友達のニッキーと、その母親のエミリーと出会う。
エミリーは有名なアパレルブランドのPRディレクターだったが、ニッキーに下品な言葉を投げかけたり、昼からシェリーをがぶ飲みするなど、母親とは思えぬ行為で周囲から敬遠されていた。
しかしなぜかステファニーは、エミリーと意気投合する。
ニッキーの父親のショーンは、かつてベストセラーを出したものの今はヒット作がなく、大学で教鞭を取っていた。
そして忙しいエミリーとショーンに代わり、ステファニーはしばしばニッキーの面倒を見る事になった。

その日もステファニーはエミリーの依頼で、マイルズとニッキーの面倒を見ていた。
しかし夜遅くになってもエミリーと連絡が取れない。
ショーンは実母のお見舞いでロンドンに行っていたが、エミリーからの連絡を受けてすぐに帰米、警察に捜索願を出した。
二人はニッキーを気遣い、エミリーの心配をしたが、やがて警察からエミリーの死体が発見されたと連絡を受ける。
ショックを受けた二人だが、慰め合っているうちに意気投合してしまう。
そしてステファニーはショーンから、一緒に4人で住もうと誘いを受ける。
ステファニーはその誘いを受け引越しをするのだが、片付けたはずのエミリーの荷物が復活しているなど、不思議な事が起き始めた。
さらにニッキーが、エミリーからもらったと言って、ステファニーに手紙を渡した。

ミステリーとしては、割とよくある話ではある。
途中からだいたい結末は見えてしまうのだが、ステファニー役のアナ・ケンドリック、そしてエミリー役のブレイク・ライヴリーの演技が巧いので、見入ってしまった。
ラストはちょっと、ドロドロし過ぎな感もしないでもないが、ミステリー好きには楽しめる作品だと思う。


36.シンプル・フェイバー


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
「スパイダーバース」の「バース」は「birth」で実写版とは異なるシリーズのスタート作品かと思ったら
、「multi-verse:多元宇宙」の「verse」で、隣接する異次元のスパイダーマンが集合するという話であった。

N.Y.ではピーター・パーカーのスパイダーマンが活躍していた。
ブルックリンに住むマイルス・モラレスも、スパイダーマンに憧れる少年であった。
マイルスの父は警官をしており、両親はマイルスの将来を思って彼を寄宿型の学校に転校させる。
だが地元の学校が好きだったマイルスは、新しい学校に馴染めずにいた。
そんなマイルスの話し相手になってくれたのは、叔父のアーロンだった。
アーロンは街の壁にグラフィティを描くのが好きなマイルスのために、使われていない地下施設を紹介してくれたりもした。
だがその地下施設で、マイルスはクモに噛まれてしまう。
すると手から粘つく物体が出るようになり、学校で大騒動を起こしてしまった。
学校を抜け出したマイルスは、クモに噛まれた地下施設に戻るのだが、その奥でスパイダーマンがゴブリンたちと戦っている場面に出くわす。
マイルスはその戦いに巻き込まれて、スパイダーマンから装置のスタートキーとなるUSBを手渡される。
そしてスパイダーマンは息絶えてしまった。

スパイダーマン死亡のニュースが街に流れる中、マイルスは自分が新たにスパイダーマンになるべく訓練を始める。
だがその最中、彼の目の前に別のスパイダーマンが現れた。
異次元からやってきた、ピーター・B・パーカーのスパイダーマンである。

最初のスパイダーマンがマイルスに手渡したのが、異次元との行き来を可能にするための加速器のスタートキーである。
その加速器が稼働したため、ピーター・B・パーカーのスパイダーマンをはじめ、スパイダーウーマンやスパイダー・ノワール、スパイダー・ハムなどが次元を超えてやってくる。
そしてみんなで協力して、加速器を壊そうとするストーリーだ。

元々「スパイダーバース」としての原作があるそうだ。
その原作の主要キャラクターで、本作を制作したらしい。
色使いなどを含めて典型的なアメリカン・コミックスの作りで、好みはかなり分かれるだろうが、私はそれほど嫌いではない。
ディズニー作品で言えば、「Mr.インクレティブル」シリーズに近いかもしれない。

ただ、正直実写版と比べると、子供向けな感は否めない。
シリーズ化されて次回作が作られたとしても、映画館に観に行くかどうかは微妙な感じだ。


35.スパイダーマン:スパイダーバース



※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
老いてなお存在感を発揮するイーストウッドの最新作だ。
御年88歳にして、まだ製作、監督、主演で手腕を見せつけてくれる。

アール・ストーン(クリント・イーストウッド)はデイリリーを造る造園農家を運営していた。
家族よりも仕事を優先し、娘の卒業式や結婚式よりも花造りを優先する。
そして花造りの賞をもらうのだが、家族は彼の元を離れていった。

数年後、アールは農園を潰してしまう。
自宅も農場も差し押さえられ、アールは仕方なく唯一彼の味方をしてくれる孫娘を訪れた。
孫娘はちょうど結婚が決まったことでパーティー中で、彼を快く迎えてくれた。
しかしそこに駆け付けた元妻と娘は、彼を嫌ってすぐに立ち去ってしまった。
アールはそのパーティーで一人のメキシカンと出会う。
彼はいい仕事があるので気が向いたら声を掛けてくれと言った。
アールはかわいい孫娘の結婚パーティー費用を捻出しなければならないため、男の誘いに乗ることにした。

仕事はドライバーだった。
言われた場所まで荷物を運び、ダッシュボードに車のカギを入れて1時間車を離れると、戻ったときにはダッシュボードにカネが入っている仕組みだった。
アールはほんの少しだけのつもりで始めるが、かなりのギャラが入ることで辞めることができなくなる。
そして孫娘のパーティー費用を払い、差し押さえられた自宅と農園を取り戻し、さらに馴染みのバーの改修費用まで受け持った。
そんなある日、アールは積み荷がドラッグであることに気付いてしまう。
それでも彼は運び屋の仕事を辞めることはしなかった。
それどころか組織の幹部はアールが何度も問題なくドラッグを運ぶことに注目し、アールに運ばせるドラッグの量をどんどん増やしていった。
だがDEA(麻薬取締局)は、かねてからアールが流通するドラッグのルートを摘発しようと狙っていた。
そして一番ドラッグを運ぶ量の多い運び屋を摘発しようと、捜査を進めて行った。

いいギャラをもらえることに味をしめて調子に乗ったアールが、本人が気づかないままどんどん摘発に追いつめられていく。
ハッキリ言って、ストーリーは単純である。
しかしその単純なストーリーの中で、イーストウッドの老獪な演技と演出が光っている。
若者に皮肉を吐き続け、脅しを掛けられてもそれをやめない。
煮ても焼いても食えないクソジジイなのだが、一方で、自分のせいで離れていった家族との溝を埋めるのに、一所懸命である。
そして、本人がまったく気づかないうちに、DEAの捜査の手が伸びてくる。
このあたりの見せ方は、単純でありながらもきっちりハラハラさせてくれて、巧いの一言に尽きる。
実在した90歳の運び屋をモチーフにして作られた映画だが、最後も映画としてきちんといい感じで落としてくれる。
まさにイーストウッドの実力を見せつけられる映画だ。

派手さはまったくないが、映画好きをうならせる作品だ。


34.運び屋


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
クラウドファンディングで話題となった「菊とギロチン」目当てでギンレイに行く。

まず併映の「寝ても覚めても」から。

大阪の大学に通う朝子(唐田えりか)はある日写真展で、麦(ばく、東出昌大)と運命的な出会いをする。
麦の従兄弟の岡崎(渡辺大知)、親友の春代(伊藤沙莉)とは昔からの知り合いだったため、しばらくこの4人で行動するようになった。
だが突然麦はシベリアを目指し中国へとと旅立ってしまう。
それから6年半、音信不通の日が続いていた。

その後、朝子は東京のコーヒーショップで働いていた。
そしてコーヒーの出前を届けに行った先で、麦そっくりの亮平(東出昌大)と知り合いになる。
亮平は朝子をすぐに気に入るのだが、朝子は動揺してどうしたらいいのかわからない。
だが、その時朝子のルームメートだったマヤ(山下リオ)が二人の仲を取り持ち、二人は一緒に暮らすようになる。
そしてマヤも、亮平の同僚である串橋(瀬戸康史)と結婚した。

さらに数年後、亮平の転勤を機に、二人は結婚することになる。
その準備の最中、朝子は東京で春代と再会した。
そして春代から、麦が現在売れっ子のモデルになっていることを知らされる。
朝子は少し心を動かされるが、もう再開することもないと思いあまり気にも留めなかった。
しかしたまたま春代といるとき、近くで麦が撮影をしている事を知る。
二人は麦の乗った車に駆け寄るも、車はそのまま立ち去ってしまった。
朝子は車に向かって大きくさよならの手を振った。

いよいよ朝子と亮平が東京を旅立つ前夜、二人は串橋夫妻、春代と共に食事をしていた。
するとそこに、突然麦が現れる。
皆の前で麦から付いてくるように言われた朝子は、席を立ってしまう。

よくある恋愛ストーリーと言えばそれまでである。
見せ所は、二人の男の間で揺れる朝子の心情変化だ。
だがハッキリ言って、唐田えりかが朝子を演じ切れていない。
そのため前半のストーリーが淡々と進行しているように見えて、起承転結の転の部分の唐突感がハンパなくなってしまった。
感情変化が巧く表現できていないため、朝子に感情移入することもできず、単純に朝子が周りを振り回すクソアマに思えてしまった、少なくとも50歳を過ぎたオッサンには。
新人の唐田えりか起用ありきで制作された映画のようにも見えたので、それであれば、脚本、演出でもっと工夫をするべきだったと思う。

続いて「菊とギロチン」。

第二次世界大戦前夜の大正末期、世の中は閉塞し、革命家が街にあふれるようになっていた。
中濱鐵(東出昌大)率いるギロチン社も革命家たちの集団であった。
政治家へのテロを目論んでいたギロチン社だが、当局の手入れにあいメンバーはバラバラに逃走する。
鐵と行動を共にしたのは、ボンボン育ちの古田大次郎(寛一郎)だった。
そして二人は逃走の最中、女相撲の「玉岩興行」一座に合流する。

女相撲は17世紀に端を発し、昭和30年代くらいまで続けられていたそうだ。
朝鮮人として差別されていた者や、女郎から抜け出した者、さまざまな理由で家族から逃げ出した者などが集っていた。
花菊ともよ(木竜麻生)もその一人であった。
嫁に行って早逝した姉の代わりに嫁いだのだが、あまりにも酷使されたため家から逃げ出していた。
鐵と大次郎は一座と一緒に行動するうちに、鐵は朝鮮人である十勝川(韓英恵)と、大次郎は花菊と仲良くなる。
そしてある日、鐵、大次郎、十勝川は満州を目指して一座を抜けて出ていった。

農村部は貧しく、子供を売るなどの行為が当たり前に行われていた時代だ。
そして体制に反抗して無茶をするのが革命家だと勘違いした若者が、多かった時代でもある。
本作品では、この二つのテーマを織り込んで制作されている。
当時の世相を描くという意味では、非常に参考になる映画であった。

ただ、さすがに189分はちょっと上映時間が長い。
内容が濃いので飽きることはなかったが、最初から最後まで暗い雰囲気が続くので、観終わった後精神的にかなり疲労した。
各カットをもう少しずつ詰めて、せめて2時間半くらいに縮めた欲しかった。


32.寝ても覚めても
33.菊とギロチン


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
原作は「超高速!参勤交代」の土橋章宏、監督は「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」、出演者も豪華なので期待して観に行ったが、ハッキリ言って「なんだこりゃ」作品だった。

安政2年、安中藩主の板倉勝明(長谷川博己)は、浦賀にペリーが来航した話を聞き日本の未来を案じていた。
そこで藩士を鍛錬する遠足(とおあし)を行おうと考える。
藩士たちを緊急で城下に集めるのだが、その中には勘定方の唐沢甚内(佐藤健)も含まれていた。
甚内は、妻を娶り子供もいて普通の日常を送っていたが、正体は公儀の隠密だった。
藩の中で不穏な動きがあれば、すぐに江戸に知らせる役目を負っている。
甚内は板倉が藩士を緊急で集めたため、公儀への謀反と思い江戸に密書を送ってしまった。
しかし実際には板倉がしたのは、遠足の話だった。
甚内はすぐに密書を持った飛脚を追うが、時すでに遅く密書は江戸へと到着してしまった。
密書を受けた江戸は、すぐに安中藩への刺客を手配する。
甚内は遠足の最中に、その刺客を自分で迎え撃つことにした。

そして遠足が開催される。
その中には勝明の娘である雪姫(小松菜奈)も紛れていた。
雪姫は絵師を志して江戸に行くことを希望していたが、勝明に反対され城内に閉じ込められていた。
そこで遠足に紛れて藩を抜け出そうとしたのだ。
やがて江戸からの刺客が藩の外に到着し、遠足の参加者を次々と斬りだし始めた。

まず、脚本がかなり粗っぽい。
ペリーの来航で藩主の板倉が日本を憂うのはわかるが、なぜその鍛錬の策が遠足なのかがわかりづらい。
そして、ストーリーに中に伏線がほとんどなく、それどころか起承転結のメリハリもないので、最初から最後まで淡泊に展開していく。
殺陣のシーンだけやたら気合が入っているが、これはプロデューサーと監督が外国人だからかもしれない。
そもそも江戸時代の安中遠足の話を映画化するのに、なぜプロデューサーと監督が外国人なのかもよくわからない。
ストーリーは淡泊だが、竹中直人、豊川悦司、青木崇高、森山未來、染谷将太、中川大志、小関裕太など、出演者はやたら豪華である。
演技力のある実力派が出演しているだけに、ストーリーのあっさり感がより目立つことになってしまった。

原作、制作者、出演者でかなり期待してしまっていただけに、正直ガッカリ感はハンパなかった。
期待が高すぎたこともあるのだが、これだけ期待外れの作品もちょっと珍しい。


30.サムライマラソン


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
ステュアート朝最後の君主であったアン王女(オリヴィア・コールマン)の側近のサラ(レイチェル・ワイズ)、そしてサラの従妹のアビゲイル(エマ・ストーン)の権力闘争の物語だ。

サラは少女の頃にヨーク公ジェームズ家の女官となり、そこでヨーク公の次女アンと親しくなる。
その後アンはイングランド、スコットランド、アイルランドの統一王女となるのだが、サラはアンに取り立てられ実質的に王国を仕切る立場となっていた。
その頃王国は、スペイン継承戦争でフランスと戦争をしていた。
王国の司令官は、サラの夫であるマールバラ公であった。
マールバラ公はフランスとの戦いに一度は勝利するのだが、軍がイギリスに引き上げた後フランスが反撃を開始する。
すでに戦争で大金を消費していたため、イギリス議会の野党は再度の出兵をせず、フランスと和平交渉をするべきだと主張。
しかし与党とサラは、より有利な条件を引き出すために再度の遠征を決定し、アン王女もこれを了承した。

その頃アビゲイルは、父が没落したため居場所を失い、従妹のサラを頼って宮殿にやってきた。
サラはアビゲイルと面識もなかったため、最初は他の女官達と一緒に下働きをしていた。
しかしアン王女の痛風の痛みを薬草で和らげると、サラに認められサラの女官に地位を上げる。
サラはアビゲイルに厳しく接するもかわいがり、宮廷内で生き残る術を教えようとする。
そしてアビゲイル自身も、サラの女官に甘んじる事無く、軍人であるマシャム大佐の妻になろうと考えていた。
そのためにはアン王女に気に入られる必要がある。
一方野党のリーダーのハーレーは、なんとかサラを失脚させようと考え、アビゲイルにスパイになるよう命令した。
アビゲイルは最初は拒否しようとするが、アン王女とサラの秘密の関係を偶然知り、ハーレーを上手く利用してマシャム大佐の妻になることを画策する。
ここからアン王女の寵愛をめぐって、サラとアビゲイルは壮絶な権力闘争を始める。

米アカデミーでは、アン王女役のオリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞している。
だが個人的には、主演はサラとアビゲイルなんじゃないかと思う。
とにかくこの二人の関係がすごい。
一度はバクチの借金のかたとして父親に売られるまで身を落としたアビゲイルは上昇志向が激しく、なんとしてでも上流社会に戻ろうと考えている。
一方サラは、自分はアン王女に唯一意見できる人間で、自分が王国を動かしていると言う自負がある。
しかしそれは私利私欲のためではない。
アン王女が戦争の祝勝として、マールバラ公とサラに宮殿をプレゼントしようとするが、税金の無駄遣いだとアン王女をたしなめる。
王女でありながら知性に欠けるアン王女を、親友としてサポートしていたのだ。
アビゲイルを自分の女官として取り立てたのも、アビゲイルがいずれアン王女と王国の役に立つと考えたためだ。
そのためアビゲイルを厳しく指導している。
最初は主従関係だった二人が、あるきっかけで激しく火花を散らす権力を争いを始めるのだが、この争いが凄まじい。
それゆえ、アン王女ではなくこの二人が主人公に見えてしまう。

「ラ・ラ・ランド」ではキュートなミアを演じていたエマ・ストーンだが、今回のアビゲイルはかなり激しい役で、彼女の引出しの多さを認識させられた。
アビゲイルをアン王女の寝室付き女官にしたのはサラだったなど、史実とはやや異なる部分も多いようだ。
だが、二人のドロドロの戦いが非常にうまく描かれており、完成度の高い作品だと思った。


29.女王陛下のお気に入り


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
木城ゆきと原作の「銃夢」の実写映画だ。
似たようなサイバー・パンクのマンガを原作として実写映画では「ゴースト・イン・ザ・シェル」があったが、この「アリータ」の方が原作の世界観をよく再現していたと思う。

地球と火星連邦共和国(URM)の間で行われた没落戦争から300年後。
ドクター・イドは、唯一残った空中都市「ザレム」の下のアイアンシティで、ボランティアに近い町医者を経営していた。
ある日イドは、ザレムから排出されるクズ鉄の山からサイボーグの頭部を発見する。
イドはその頭部を診療所に持ち帰り、体を補完してサイボーグを復活させた。
アリータと名付けられた少女の頭部を持ったサイボーグは、記憶をすっかり亡くしていた。
しかし少しずつ記憶を取り戻し、自分がかつてURMの戦士だったことを思い出す。
そして、街で知り合った青年ヒューゴに恋をする。

その一方イドは病院経営のために、毎晩街中に出掛け賞金首を狩っていた。
イドが賞金稼ぎであることを知ったアリータは、ヒューゴのために自分も賞金を稼ごうとする。
ヒューゴの夢は、カネを貯めてザレムに行くことだった。
だが街を治めるベクターは、アリータの存在を知ると彼女に興味を持ち始める。

原作はかなり以前に読み、しかも途中までしか読んでいないため記憶が途切れ途切れだ。
Wikiで調べたところ、どうやら一番最初のマカク編と、モーターボール編の途中からザパン編あたりを読んでいたようだ。
この映画はユーゴ編をベースにしているのだが、そこはすっぽり抜けている。
そのため映画を観ていた時は、原作とかなりストーリーが異なるな、と感じてしまった。

そしてそう感じた理由のもう一つは、ストーリー展開がやや安易である部分だ。
ヒューゴが空に浮かぶザレムに憧れるが、そこは決して楽園ではない、と言う設定は、SF映画にかなりありがちである。
さらに少々ネタバレになるが、ザレムに行くためのキーマンがすべての黒幕である、と言う展開もありがち。
原作はかなり深いストーリー展開が魅力だったが、映画は良くも悪くもわかりやすくなっていた。

ただ、原作の世界観を再現した映像は素晴らしい。
格闘シーンやモーターボールのスピードと重量感は、CGで作られたとは思えないリアリティだ。
テクノロジー的な表現もリアルで、サイボーグのボディも本当にそこにありそうな質感であった。

原作のコアなファンが満足するかはわからないが、完成度は高いので評価はされ続編も作られるだろう。
この作品でも原作とは少々異なる展開にしているので、この後どう展開するかで次回作以降の評価も分かれるような気がする。


28.アリータ:バトル・エンジェル


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
埼玉をディスっているとして話題になっている作品だ。
魔夜峰央の原作の世界観をよく実写化したとは思うが、やはり劇場作品にするにはやや苦しかったようにも思える。

菅原一家は娘の愛海(島崎遥香)の結納のため、車で埼玉から東京に向かっていた。
その車内のカーラジオ(NACK 5)から、埼玉に関する都市伝説が流れてくる。

かつて埼玉と東京は明確に区切られており、埼玉から東京に入るためには通行手形が必要だった。
密かに埼玉から東京に潜入した人間は、SAT(Saitama Atack Team)に捕えられてしまう。

そんな時、白鵬堂学院3年A組に、久しぶりに男子生徒麻実麗(GACKT)がアメリカから転入してくる。
白鵬堂学院は東京都のエリート官僚を目指すための高校で、A組は千代田区や港区民、B組はその周辺区+横浜、C組以下は東京都下、そしてZ組は元埼玉県民が所属していた。
生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は東京都知事の壇ノ浦建造(中尾彬)の一人息子で、百美も将来は都知事を目指していた。
学校はA組を頂点とした完全ヒエラルキー組織となっており、百美はその頂点に立っている。
そして自分のライバルとなり得そうな男子生徒は、これまでもことごとく叩き潰していた。
百美は麗も潰そうとするが、麗は百美の出す難問を簡単にクリア。
その凛々しい姿に恋に落ちてしまう。

だがすぐに麗は埼玉出身であることが発覚、SATに捕われそうになって逃走をはかる。
百美も麗について逃げ延びようとするが、二人は逃走途中に千葉解放戦線につかまってしまう。
千葉解放戦線は東京と裏でつながっており、東京への通行手形発行を優遇する事と引き換えに、都知事に多額の裏金を送っていた。
そしてどちらが先に通行手形を撤廃するかで、埼玉解放戦線とは犬猿の仲になっていた。

百美や麗、冒頭に出てくる白鵬堂学院や壇ノ浦の内装など、画面全体にゴシック感を取り込んで、魔夜峰央の原作の世界観をうまく実写化していると思う。
江戸時代の士農工商のような身分制度で、埼玉県をコキ下ろしているが、自虐ネタなども入れており嫌味ではない。
そういう部分では、うまくまとめられていると思う。

ただ、内容的には100分を超える映画にするのは厳しかった。
映画オリジナルとして現代パートの菅原一家を付け加えるなどの演出は加えられているものの、やはり埼玉の解放というワンテーマでは、100分は持ちこたえられていなかった。
百美と麗が捕われた後は、ありきたりな展開が続きかなり間延びしている。

できるだけ原作の世界観を壊したくなかったかもしれないが、商業映画として劇場公開するのであれば、もうひと捻りもふた捻りも入れて、ストーリーを広げてほしかった。


27.翔んで埼玉


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF