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「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール監督作品だ。
この作品も「ゲット・アウト」同様、ホラーと言っても人間同士の戦いなので、それほど怖くはない。
ヒゲ面50代のくせに本格的なホラーがサッパリ苦手なおっさんでも、十分観る事ができるレベルである。

1986年、少女だったアデレードは誕生日に両親とサンタクルーズの遊園地に来ていた。
夜のため両親とはぐれたアデレードは、何かに導かれるようにビーチに降り、そこに建っていたミラーハウスに迷い込む。
そして鏡に映った自分ではなく、アデレードそっくりの実在する少女と出くわした。
アデレードはその後PTSDで失語症となり、コミュニケーションがうまく取れなくなる。
だがバレエに打ち込むことで克服し、大人になって夫、二人の子供と幸せに暮らしていた。

ある夏、アデレードたちは家族でサンタクルーズを訪れていた。
夫の親友のタイラーとその家族にビーチに誘われるが、トラウマのあるアデレードは反対をする。
だが夫に説得され、昼間の間だけという約束で家族でビーチに遊びに行く事にした。
ビーチに行く道すがら、アデレードたちは救急搬送される老人を目撃する。
その老人は、アデレードがミラーハウスに迷い込んだ夜、遊園地にいた男だった。
アデレードは嫌な予感を覚えるも、ビーチでは事なきを得て帰宅する。

しかし夜になると、家の外に赤い作業服を来た4人連れの家族が無言で立っている事に気付く。
怖くなったアデレードは911通報をするものの、到着には14分掛かると言われてしまう。
夫が武器を持って表に出て4人を確認すると、なんと全員がアデレードたちの家族とそっくりであった。
そしてその4人は、アデレードたちを鋭利なハサミで襲い始めた。

自分たちにそっくりな家族が襲い掛かってくるという発想は面白い。
自分たちを殺して入れ替わるつもりなのかと思うと、そういう目的ではなさそうだ。
ではいったい彼らの目的はなんなのか。
ズバリ、ネタバレになってしまうが、彼らの目的は最後まではっきりしない。
ストーリーのクライマックスで、アデレードにそっくりな女が自分たちの正体を証し、目的も説明するのだが、その説明が、科学的にもかなりトンデモなこじつけで、今いち理解できない。
観終わった後にそのあたりのモヤモヤ感は残るのだが、赤い服の家族から襲撃を受けて戦い、なんとかなるかと思いきや次の展開になる、と言う構成は悪くない。
そしてこれもネタバレになってしまうが、地下であたかも遊園地で遊んでいるかのような動きの演出も見事だった。
赤い服の家族が誰であるのか、最後まで説明をしない方が、余韻も持たせられて面白く感じたかもしれない。


99.アス


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土橋章宏脚本による時代劇シリーズの第4弾である。
監督は犬童一心で、4作の中では一番面白かったが、令和のこの時代にどうにもこうにも昭和の香りがする作品であった。

生涯に7回もの国替えをさせられ、「引っ越し大名」とあだ名された松平直矩(及川光博)。
参勤交代で江戸勤めをしていたときに柳沢吉保(向井理)の怒りをかい、またも国替えをさせられることとなった。
前回の国替えを仕切った前回の引っ越し奉行はすでにこの世を去っていたため、新たに引っ越し奉行を任命しなければならない。
家老の本村三右衛門(松重豊)は、武芸の達人鷹村源右衛門(高橋一生)に引っ越し奉行を任せようとするが、鷹村は幼馴染の片桐春之介(星野源)を指名する。
春之助は書物が好きで、ずっと書庫に閉じこもっている書庫番だった。
だがその分知識も豊富で、引っ越し奉行に適任だったのである。
とは言え、国替えには莫大な費用がかかる。
途方に暮れた春之助は、前任の引っ越し奉行の娘於蘭(高畑充希)を訪ねる。
何か資料は残っていないかと聞くが、けんもほろろに追い返されてしまった。

まったく国替えの案が作成できない春之助は、本村に手打ちにされそうになる。
しかしそこに於蘭が駆け付け、二人で国替えの案をまとめたと告げる。
於蘭の助けを借りて、春之助は国替えの準備を始める。

藩の財政を節約して切り詰め、かつ商人から借金をして国替えの準備を行う。
構成としては「武士の家計簿」に似ている部分もあり、面白くなりそうな要素は十分である。
ただ、脚本と演出がいただけない。
小心者の春之助を中心に、鷹村、於蘭、そして勘定方の中西(濱田岳)を使って笑いを演出しようとするのだが、これがすべてベタベタでダダ滑り状態だ。
今どき子供はおろかお年寄りでさえ、こんなベタベタな演出で笑う者はいないだろう。
正名僕蔵も下手ではないのだが、欲深い勘定奉行の演技が上滑りしていた。
それならば「武士の家計簿」のように、無理に笑いを取らずに出演者の演技力で観客をニヤリとさせた方がよかっただろう。
また、映画としての盛り上がりを要求されたのだと思うが、ラスト前の殺陣のシーンは余分だ。
高橋一生目当ての女性ファンを喜ばせたかったのかもしれないが、公儀隠密から狙われるという設定は、あまりにも無理がある。
一方で、陸奥白河藩に国替えし、片桐が皆から称賛され、序幕して碑文が出てくるラストシーンはかなり感動した。

「超高速参勤交代」の時もそうだったが、この土橋章宏と言う人の笑いのセンスはかなり古いと思う。
きちんと時代考証をするなどして時代劇としてはなかなか筋の通った作品になっているので、笑いの部分は捨ててしっかりした人情劇にした方が、結果的に笑いも取れてもっと面白い作品になるのではないかと思った。


98.引っ越し大名!


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一言で言えば、ありきたりで面白味のない映画だった。
上白石萌音と山崎紘菜という実力のある若手女優を起用しているのに、使い切れていなかった。

南堀希(山崎紘菜)は奨学金で大学を卒業し、大手企業に就職していた。
しかし配属されたのは、堅実な希の性格にはあまり合わない起業への投資セクションだった。
小松光(上白石萌音)大学生ながら企業を目指しており、幼児の遠隔診療の投資を企画していた。
光を助けるのは企業家を援助している水木(山本耕史)だが、エキセントリックな性格の光は水木のいう事もあまり聞かない。
そして水木の主催した光の企画のプレゼンに希が参加して、二人は出会うこととなる。
その直後、光は一緒に話を進めていた医師によって、企画から外されてしまう。
一時期は自棄になる光だったが、希の行きつけのスナックのアルバイトが、昼の保育士の仕事で苦労していることを聞き、保育士のためのデータベースを作ろうと発案する。
希は光との仕事に気が進まなかったが、上司から光の企画は投資に値する案件になるかもしれない、と言われ、業務外で光の仕事を手伝うことにする。
しかし普通の大学生とは発想も行動もまったく異なる光に、希は振り回されてしまう。

まず第一に、光の上白石萌音がミスキャストだ。
演技力でなんとかエキセントリックな光を表現しようとしているが、やはり優等生キャラから抜け出せていない。
観ていてちょっと上滑りしている。
山崎紘菜の希はそれほど悪くない。
しかし、二人が本気で掴み合いをするなどの演出を入れなければ、性格の合わない二人がコンビを組む面白さが生まれてこない。

ストーリー展開もありきたり、誰に向けて作られた映画かもよくわからない作品だった。


97.スタートアップ・ガールズ


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「PSYCHO-PASS SS」シリーズの最終話である。
このシリーズの3作品はそれぞれ単独のストーリーで、関連性はほとんどない。
関連性は「Case.2」と「Case.3」で前作の劇場版のSEAUnがチラッと出てくるのと、やはり「2」と「3」に新キャラとして登場する花城フレデリカだ。
そしてこの花城フレデリカの登場で、新シリーズが作られる予感がしていたのだが、「3」の公開日にオフィシャルサイトで、シーズン3制作が発表されていた。

前作の劇場版の後、SEAUnを離れた狡噛慎也は南アジアにいた。
そこで傭兵団「停戦監視団」の団長ガルシアと知り合う。
チベット・ヒマラヤ同盟王国での紛争が激化していることを知った狡噛は北に向かうことにしたのだが、ガルシアが車とドライバーを用意してくれた。
その途中、狡噛は武装ゲリラに襲撃された難民バスを救う。
そのバスには武装ゲリラに家族を殺された少女テンジンが乗っていて、彼女は武装ゲリラに復讐するために、狡噛に戦いの先生になってくれとお願いしてきた。
二人はテンジンの叔父のキンレイの紹介で、国の施設に逗留することにした。
そこで狡噛は、身を護る術をテンジンに教える。

その二人のところに、日本の外務省から花城フレデリカがやってきた。
かつてチベット・ヒマラヤ同盟王国には日本からの開発援助があり、技術者も多くやってきていたが、シビュラシステムが導入されたのち援助は打ち切り、技術者の帰国も拒否されていた。
棄民として残された日本人とその子供たちがまだ多くいることを問題視し、花城フレデリカも外務省から調査派遣されたのだった。
テンジンは父が日本人技術者であったため、彼女も調査の対象だった。
それを理由に花城フレデリカは、狡噛、テンジンと同じ施設に逗留することとなった。

チベット・ヒマラヤ同盟王国では停戦に向け、政府と内戦を続ける各グループの長が会合を行っていた。
しかし武装ゲリラだけはこの会合を受け入れなかった。
そしてこの武装ゲリラのリーダーこそが、テンジンの家族を襲ったベルモンドだった。
テンジンは復讐すべく、一人でベルモンドのもとに向かった。

サブタイトルの「恩讐の彼方に」は、もちろん菊池寛の作品名にちなんだものだ。
テンジンは日本人の父からこの文庫を受け継いでおり、たどたどしい日本語で少しずつ読み進めていた。
そして狡噛もこの作品同様、テンジンに復讐が馬鹿げた行為であると説得するのだが、若いテンジンは復讐に向かってしまう。

ストーリー自体はかなりありきたりである。
しかし作画を含めた世界観の作りこみが素晴らしい。
開発援助が途中で止まり、内戦により荒廃した山間部の都市とそこに暮らす人々、そしてそこでの狡噛の描き方が見事だ。
ラストの疾走する列車でのアクションシーンもどこかで観たような既視感はあるし、仲間を殺さないでくれと言うツェリンが思いっきり仲間に向かって発砲しているなど、粗っぽい部分もあるが、全体としてはまずまずの出来と言っていいだろう。

そして今回の3部作は、すべてシーズン3への布石なのだろう。
「Case.2」は過去の話がメインだが、花城フレデリカが須郷を外務省にスカウトしている。
須郷が外務省に移籍するかどうかわからないが、シーズン3は海外を含んだ展開となり、そこに狡噛が絡んでくるのは間違いない。

「Case.2」はすでに単体の作品として名作と言えるが、「Case.1」「Case.3」もシーズン3によっては名作として評価される可能性もある。
いずれにしろ、シーズン3が楽しみになった。


31.PSYCHO-PASS SS Case.3「恩讐の彼方に__」


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ナイト・シャマランの最新作だ。
「アンブレイカブル」「スプリット」に続く3部作の最終話である。

一切怪我も追わず病気もしないアンブレイカブルであるデヴィット(ブルース・ウィリス)は防犯用具店を経営、接触した人物の過去を読み取る特殊能力も用いて勝手に街を警護し、ネットでは警護人として話題になっていた。
そして前作「スプリット」で逃げ出した、女子高生監禁殺人事件の犯人「群れ」を追っていたのだ。

犯人のケビン(ジェームズ・マカヴォイ)は24人の人格を持つため「群れ」と呼ばれていた。
そのうちの一人ビーストになったときは、怪力でショットガンの弾も弾き返す超人となる。
デヴィットは息子のジョセフと、過去の事件から「群れ」が出没しそうなエリアを特定し、パトロールしていた。
すると偶然ケビンと接触、ケビンの過去を読み取り彼が「群れ」であると判断する。
ケビンを追いかけ、監禁中だった女子高生を開放するデヴィット。
しかしそこにケビンがビーストとなって戻ってきたため、バトルとなってしまう。
さらにバトルの途中で市警が駆け付けたため、二人はそのまま逮捕されてしまった。

その後二人は病院内に監禁される。
ケビンはフラッシュを浴びせられると人格が次々と入れ替わるため、巨大なフラッシュ付きの部屋に入れられた。
デヴィットはいきなり暴れたりはしないものの、念のためシャワーノズルに囲まれた部屋に入れられ、万一の時には放水すると警告された。
彼らを尋問するのは医師のエリー・ステイプル(サラ・ポールソン)だ。
ステイプル博士は、20年近く前に大列車事故や航空機事故を引き起こさせた天才イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)を含め、3人をヒーロー願望に取りつかれた精神病患者として研究を始めた。
3人は並んで質問を受けるのだが、イライジャだけはほとんどステイプル博士の問いに返答しない。
そして彼のずば抜けた頭脳はステイプル博士の目論見を見抜き、黙々とある計画を立てていた。

「アンブレイカブル」を観ていればわかるが、ミスター・ガラスとはイライジャの事だ。
生まれつき骨の組成が弱いため、生涯で100回近くも骨折をしており車椅子の生活である。
イライジャは壊れやすい体の自分に対して、絶対に壊れない体の人間がいるに違いない、そのアンブレイカブルを捜すために航空機事故や大列車事故を計画し、実行したのだ。
だが初めて「アンブレイカブル」を観たときは、壊れやすい自分に対して絶対に壊れない人間もいるはずだ、と言う理論があまりにも強引なため、観終わった後にドン引きしてしまった。
その後「スプリット」も観たが、その時には何も前宣伝がなかったため、ラストシーンまでまさか「アンブレイカブル」とのつながっているとは思わなかった。

そもそも「アンブレイカブル」制作の段階で「スプリット」と「ミスター・ガラス」がどこまで構想されていたのかわからない。
しかし個人的には、「アンブレイカブル」があまりにも強引な作品だったので、その補填として後の2作品が作られたのではないかと思う。
この作品のラストでは、なぜイライジャが不死身の人間を捜したのかが明らかになるのだが、「アンブレイカブル」ではその布石が描かれておらず、単純に壊れやすい自分の対極であるアンブレイカブルを捜しているように見えた。
そのため三部作ではあるものの、当初から構想されていた三部作ではなく、後付けで考えられた三部作のように思えた。

とは言うものの、「スプリット」は単体としても楽しめる作品であったし、「ミスター・ガラス」まで観れば三部作として一応の結末を得ている。
何よりケビン役のジェームズ・マカヴォイの24人格の演技が素晴らしく、それだけでも観る価値がある作品だ。


16.ミスター・ガラス


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1980年のアメリカ大統領選において、民主党はかつてジミー・カーターの副大統領を務めたモンデールを擁立、しかし景気は好調で共和党のレーガン大統領が2期目の当選を飾った。
だがこの時の民主党の予備選で注目されたのが、若きホープのゲイリー・ハート上院議員(ヒュー・ジャックマン)だった。
並み居るベテラン議員や黒人牧師のジェシー・ジャクソンも立候補していたが、モンデールに次ぐ票を集めたのだ。
4年後の大統領選挙では、当然民主党の候補になると目されていた。

そして4年後、民主党の各候補が予備選に名乗りをあげるが、やはりゲイリー・ハートが最有力候補「フロントランナー」になっていた。
ハートの選挙参謀であるビル・ディクソン(J・K・シモンズ)も、楽観はできないとチームの引き締めをはかっていたものの、今回はハートが候補になることは間違いないと考えていた。
だがハートのスキャンダルがワシントン・ポストにすっぱ抜かれると、形成は一気に逆転してしまう。

イラン・コントラ事件でレーガン人気が低下、事前の中間選挙で民主党が過半数の議席を取り戻したこともあり、政権交代が予想されていた1988年の大統領選、その民主党予備選がテーマの作品だ。
当時は高校生だったのでここまでの裏事情はよくわからなかったが、清廉潔白のイメージのある民主党の方が、クリントンなど女性スキャンダルが多いという点は意外だった。
ただ、個人的にはハートのスキャンダルはクリントンのレベルではないと思うし、アメリカの大統領選がこの程度のスキャンダルで撤退しなければならないという点も、意外だった。

テーマとしては興味深い部分もあったのだが、ストーリーはハートの選挙チームとマスコミの攻防戦に終始しており、映画としてはやや単調だなと感じた。
事実を基にしており、関係者などもまだ生存しているから極端な演出などはできないのだろうが、それならば逆に、実際のインタビュー映像を多用するなど、もう少し見せ方に工夫があっても良かったんじゃないかと思う。


12.フロントランナー



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平地G1馬が7頭出走しているとはいえ、今年平地G1を勝った馬はたったの2頭。
牝馬クラシック3冠とJCを勝ったアーモンドアイが出走しない事もあるとはいえ、春の天皇賞馬も牡馬クラシック3冠を獲った3頭もすべていないため、年の締め括りのGPとしてはかなりさびしい感じになってしまった。
しかし、オジュウチョウサンが参戦することでがぜん面白くなってきた。

オジュウチョウサンは障害のJG1の5勝を含めて現在11連勝中。
平地ではまだ1600万下の条件馬だが、ファン投票堂々の3位で出走してきた。
そして鞍上は、4000勝ジョッキー武豊だ。
武豊は、当初はスマートレイアーの騎乗予定だったが、その他にも今回の出走馬の中に過去に騎乗した馬がかなりいる。
それでもオジュウチョウサンを選択してきた。
もちろん勝算が大きいわけではないだろうが、可能性に掛けてみたのだろう。

武豊がこれまで有馬記念を勝ったのは、オグリキャップ、ディープインパクト、そして昨年のキタサンブラックの3回。
どれも記憶に残る名馬である。特に昨年のキタサンブラックは、4角手前からスパートを掛けると言う、他のジョッキーには絶対に思いつかない奇襲で見事キタサンの引退レースを制した。
さらに今回は、スタミナ勝負で先行すると思われるオジュウチョウサンをアシストするかのように、絶好の1番枠を引き当てた。
まさに持っている男である。

ただ、実力的には正直厳しいと言わざるを得ない。
オジュウチョウサンは前走の南部特別も渋太く勝ち上がっているが、同距離のJCを勝ったアーモンドアイとは4秒以上の差があった。
JCが世界レコードであったことを加味しても、ちょっと太刀打ちできるレベルではない。

それでも、何かあるんじゃないかと思わせてくれる。
この馬とジョッキーには、そういう魅力がある。
当日馬場が渋れば、さらに面白くなってくる。

オジュウチョウサンが武豊騎乗で出走するだけで、今年の有馬記念は3倍くらい面白くなった。


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14年前の作品の続編なので、ストーリーもそこそこ時間が経過した後の設定なのかと思ったら、前作の直後からのスタートだった。

前作のラストシーンで登場した悪党アンダーマイナーが街を破壊し始めた。
ボブ、ヘレン、ヴァイオレット、ダッシュの4人は力を合わせてアンダーマイナーの悪事を阻止しようとする。
しかしまたもや街は破壊され、ボブたちは一家で警察の事情聴取を受けた。
エージェントのリックのお蔭で罪に問われることはなかったが、「スーパーヒーロー保護プログラム」がなくなったため、今後はリックの世話を受けることはできず、かつ街が破壊されればヒーローと言えども罪に問われることになってしまった。
前作で家を失い、今回ボブが職も失ったため途方に暮れるボブとヘレンだが、二人の前にフロゾンが現れた。
Mr.インクレディブル、イラスティガール、フロゾンの3人に会いたい人間がいるというのだ。
3人を呼び寄せたのは、通信会社デブテックを経営する実業家のディヴァーだった。
ディヴァーはスーパーヒーロー支持者で、スーパーヒーロー復権のために一役買いたいという。
ヒーローが認められないのは、その活躍した一部始終を市民がきちんと見ていないことが原因だとディヴァーは言った。
そこでディヴァーの妹のイヴリンが開発した超マイクロカメラをスーパースーツに仕込み、ヒーローの活躍をすべてカメラに収めて市民に認めさせようと提案した。

まずイラスティガールが治安の悪いニューアーバムで待機することになった。
すると、スクリーンやモニタ画面に催眠プログラムを流して人々を操るスクリーンスレイヴァーと言う悪党が登場し、街を混乱させようとした。
イラスティガールは見事危機を乗り切るのだが、スクリーンスレイヴァーの正体はわからない。
ディヴァー、イブリン、イラスティガールは、スクリーンスレイヴァーをおびき寄せるための罠を張った。

一方、イラスティガールが出張している間、家族の面倒はボブが見ていた。
ボブは自分が活躍したいのを我慢していたうえ、家事に追われてストレスが貯まる。
さらにその上、末っ子のジャック=ジャックの能力が覚醒し、手に負えない状態になってしまう。
極限状態にまで追い込まれたボブは、前作でも登場したスーパースーツのデザイナーエドナに助けを求める。

前作から引き続いているため、今回もテーマは「市民を守る戦いで街を壊してしまうヒーロー」である。
しかし前作のヴィランであったシンドロームは、このテーマをダイレクトに反映していたわけではないので少々わかりづらい部分もあった。
しかし今回のヴィランはヒーローを恨んでおり、明確にヒーロー復権に反対しているためストーリーはわかりやすくなっている。

さらに、いろいろなスーパーヒーローが登場するの面白い。
前作はフロゾン以外のヒーローはハッキリ描かれておらず、ゲーザー・ビームなどもほとんど名前のみの登場だった。
しかし今回は、個性豊かなスーパーヒーローが多数登場する。
特に、こじるりが声をあてているヴォイドはなかなか強力な能力を持っていて面白かった。

登場人物が増えたことで、この後のストーリーも制作しやすくなったと思う。
日本でも興行成績は悪くないようなので、ぜひ続編も制作してほしい。



94.インクレティブル・ファミリー


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さあ、いよいよW杯である。
1994年アメリカ大会以降、ずっと自分の中で優勝予想をしていたが結果は以下の通り。

1994年アメリカ大会:コロンビア
予想:"ライオンヘッド"バルデラマが大活躍してコロンビアが7か国目の優勝国になる。
結果:バルデラマが不発で予選グループ敗退。選手が帰国した後、DFのエスコバルが地元マフィアに射殺される。

1998年フランス大会:スペイン
予想:W杯前まで無敗のスペイン無敵艦隊、イエロ、ルイス・エンリケ、ラウールに新鋭モリエンテスが加わって、スペインが7か国目の優勝国になる。
結果:グループリーグ初戦のナイジェリア戦がノーガードの打ち合いとなり3-2で逆転負け。そのまま予選グループ敗退。

2002年日韓大会:アルゼンチン
予想:2チームが作れるほど選手層が厚いアルゼンチン、南米予選も余裕の1位通過で普通に考えれば優勝しかありえない。
結果:初戦のナイジェリア戦は無難に引き分けるも、2戦目の因縁のイングランド戦でベッカムにPKを決められ敗北。3戦目のスウェーデン戦はまんまと引き分けに持ち込まれて予選グループ敗退。

2006年ドイツ大会:チェコ
予想:強豪国が多くかなり難しいグループリーグに入ったが、ポボルスキー、ロシツキー、ネドベド、コラーとタレントの揃ったチェコが8か国目の優勝国になる。
結果:初戦のアメリカ戦は3-0で勝利するも、その試合でコラーが怪我で離脱、ガーナ、イタリアに息の根を止められて予選グループ敗退。

2010年南ア大会:ブラジル
ヨーロッパ以外で実施された大会は、すべてブラジルかアルゼンチンが優勝している。次回地元開催を見据えたブラジルが優勝。
結果:準々決勝までは余裕で勝ち上がるが、堅守オランダに爆発力を封じられ2-1で敗退。

2014年ブラジル大会:オランダ
予想:2010年大会準優勝のメンバーがずらりと残っており、準優勝3回のオランダが悲願の初優勝を遂げる。
結果:準決勝のアルゼンチン戦で0-0からPK戦で敗戦するも3位。

こう見てみると、かつては「DEATH NOTE」予想だったが、ここ2大会はまずまずいい線いっている。
では、今大会の優勝候補はと言うと、これはかなり難しい。

まず、ヨーロッパで開催の大会では、過去に一度だけブラジルが優勝したことがあるが、それ以外はすべてヨーロッパの国が優勝している。
ブラジルは地区予選を快進撃しているが、意外と地区予選を快進撃したときは本選での成績が良くなかったりする。
優勝した2002年日韓大会の地区予選も南米予選3位通過で、たしか途中で監督の交代があったと思う。
その後2大会は地区予選を余裕のトップで通過するも優勝しておらず(前回は地区予選なし)、今回も余裕のトップ通過だ。
アルゼンチンもメッシの集大成の大会となり、今回は優勝を狙える。
だが、メッシの「人間としてあり得ない」という発言でイカルディは代表を外されたらしい。
日本のような弱小国のエースなら求心力となるだろうが、タレント揃いのアルゼンチンで極端な発言、行動をすると、ほかの選手が反発をするかもしれない。

ヨーロッパでは、ドイツの連覇に期待がかかっている。
しかしこれまでW杯を連覇した国はイタリアとブラジルのみで、どちらも50年以上前の出場国が少なかった時代の話だ。
そして今回のドイツは、2002年日韓大会のアルゼンチンと同じ匂いがして仕方がない。
あの時のアルゼンチンも選手層が厚く、南米予選もダントツの強さで1位通過しバリバリの優勝候補だったが、初戦を大事に戦いすぎて引き分け、2戦目にイングランドに沈められている。
今回のドイツは初戦が曲者のメキシコ、そして2戦目は、欧州予選のプレーオフでイタリアを破って出場を決めたスウェーデンだ。
初戦引き分けて2戦目に敗戦すると、グループリーグ勝ち上がりもかなり厳しくなる。
メンバーがそろったフランスもかなり有力だが、これもなんとなく1998年フランス大会のスペインに似ている気がして仕方がない。
ただ、フランスのグループCは爆発力のあるアフリカ勢がいないので、グループリーグ敗退はないだろう。
ベルギー、ポーランドも優勝する可能性はあると思うが、今一つ決め手に欠ける。

となると、やはりスペイン、ポルトガルあたりが優勝候補か。
この2カ国は、グループリーグBの初戦で対決する。
この初戦で勝ったチームが優勝と予想しよう。
どちらも全力で第一戦目に入るはずなので引き分けはないと思うが、もし引き分けた場合はスペインか。

いずれにしろ、今大会は優勝経験国から優勝国が出そうで、もし初優勝するとしたらポルトガルかベルギーくらいだろう。


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天才が登場する東野圭吾作品と言う事で、「ガリレオ」シリーズをイメージして楽しみにしていたのだが、ちょっと毛色の異なる作品であった。

物理学者の青江(櫻井翔)は、温泉地で起きた硫化水素のガス中毒死について調べていた。
事故か事件か、警察から見解を求められた青江は、解放された空間で故意に致死量の硫化水素を撒くことはできないと結論付ける。
しかし刑事の中岡(玉木宏)は、死んだ映像プロデューサー水城の若き後妻千佐都(佐藤江梨子)が犯人ではないかと、推理する。
そして青江は、温泉地で調査を行っているとき若い女性と出会った。
彼女は友達を捜していて、その友達はこの温泉地を事件の少し前の訪ねていたようだった。

その後、別の事件で似たような硫化水素のガス中毒死が発生する。
今度は新聞社に調査を依頼された青江は現地に赴くが、あまりにも前回と似た状況であることを不審に思う。
そしてその現場に、温泉地で出会った若い女性が現れた。
若い女性は円華(広瀬すず)と名乗り、中毒死の現場に案内するよう青江に懇願する。
現場を訪れると円華は状況を見て、寒さで空気が地上に滞留しやすい冬を選んだのだろうとつぶやく。

一方中岡は、二つの事件の死亡者の共通点を見出した。
二つ目の事件の死亡者は売れない役者で、映像プロデューサーの水城とは甘粕才生(豊川悦司)と言うプロデューサーでつながっていた。
中岡が甘粕才生のブログを調べると、彼は8年前に娘を硫化水素による自殺で失っており、巻き添えとなった妻も死亡、息子は意識不明の重体になっていた。
しかし息子は手術により奇跡的に意識を回復、しかしそれまでの記憶はすべてなくしてしまうという悲劇に見舞われていた。
そしてその息子謙人(福士蒼汰)の手術をしたのが、円華の父である羽原教授(リリー・フランキー)であった。

映画の予告編で「ラプラスの悪魔」の話が簡単に語られている。
そして事件の鍵を握るのが、物理学上ではあり得ないオープンスペースでの硫化水素中毒死。
もうこの段階で、ストーリーの大半はわかってしまう。
「ガリレオ」シリーズのように、事件のトリックとなる部分が後から明かされる訳ではない。

また「ガリレオ」シリーズが、天才科学者の湯川が主役だったのに比べ、今回の主役の青江は天才ではない。
事件の周辺を調べるのは刑事の中岡で、核心に気付くのは円華、青江は傍観者に近くなってしまっている。
このあたりも興醒めだった。
だったら最初から円華を主役に脚本を書き変えた方がよかったかもしれない。

トリックをすべて「ラプラスの悪魔」の能力で片付けている点も、ご都合主義に思えた。
東野圭吾作品という事で期待が大きかっただけに、ガッカリ感も大きかった。


66.ラプラスの魔女


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