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天才が登場する東野圭吾作品と言う事で、「ガリレオ」シリーズをイメージして楽しみにしていたのだが、ちょっと毛色の異なる作品であった。

物理学者の青江(櫻井翔)は、温泉地で起きた硫化水素のガス中毒死について調べていた。
事故か事件か、警察から見解を求められた青江は、解放された空間で故意に致死量の硫化水素を撒くことはできないと結論付ける。
しかし刑事の中岡(玉木宏)は、死んだ映像プロデューサー水城の若き後妻千佐都(佐藤江梨子)が犯人ではないかと、推理する。
そして青江は、温泉地で調査を行っているとき若い女性と出会った。
彼女は友達を捜していて、その友達はこの温泉地を事件の少し前の訪ねていたようだった。

その後、別の事件で似たような硫化水素のガス中毒死が発生する。
今度は新聞社に調査を依頼された青江は現地に赴くが、あまりにも前回と似た状況であることを不審に思う。
そしてその現場に、温泉地で出会った若い女性が現れた。
若い女性は円華(広瀬すず)と名乗り、中毒死の現場に案内するよう青江に懇願する。
現場を訪れると円華は状況を見て、寒さで空気が地上に滞留しやすい冬を選んだのだろうとつぶやく。

一方中岡は、二つの事件の死亡者の共通点を見出した。
二つ目の事件の死亡者は売れない役者で、映像プロデューサーの水城とは甘粕才生(豊川悦司)と言うプロデューサーでつながっていた。
中岡が甘粕才生のブログを調べると、彼は8年前に娘を硫化水素による自殺で失っており、巻き添えとなった妻も死亡、息子は意識不明の重体になっていた。
しかし息子は手術により奇跡的に意識を回復、しかしそれまでの記憶はすべてなくしてしまうという悲劇に見舞われていた。
そしてその息子謙人(福士蒼汰)の手術をしたのが、円華の父である羽原教授(リリー・フランキー)であった。

映画の予告編で「ラプラスの悪魔」の話が簡単に語られている。
そして事件の鍵を握るのが、物理学上ではあり得ないオープンスペースでの硫化水素中毒死。
もうこの段階で、ストーリーの大半はわかってしまう。
「ガリレオ」シリーズのように、事件のトリックとなる部分が後から明かされる訳ではない。

また「ガリレオ」シリーズが、天才科学者の湯川が主役だったのに比べ、今回の主役の青江は天才ではない。
事件の周辺を調べるのは刑事の中岡で、核心に気付くのは円華、青江は傍観者に近くなってしまっている。
このあたりも興醒めだった。
だったら最初から円華を主役に脚本を書き変えた方がよかったかもしれない。

トリックをすべて「ラプラスの悪魔」の能力で片付けている点も、ご都合主義に思えた。
東野圭吾作品という事で期待が大きかっただけに、ガッカリ感も大きかった。


66.ラプラスの魔女


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アンジェリーナ・ジョリーで一世を風靡した「トゥームレイダー」のリブート作品だ。
今回ララ・クラフトを演じるのは「リリーのすべて」でゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル。
「リリーのすべて」では倒錯する夫を支える繊細な役どころだったが、今回はバリバリのアクションスターになっていた。

ララ・クラフトは自転車便の配達の仕事をしていたが、金銭的にはかなり苦しく、自転車のキツネ狩りゲームで逃げるラビット役をしたりもしていた。
だがそのゲームで事故を起こし、7年間行方不明になっている父リチャードの秘書で、現在はララの後見人のアナに迎えに来てもらうことになった。
リチャードは歴史を研究しており、その調査のためにどこかに旅立って戻っていなかったのだ。
アナは、ララが父の死を認めて相続をしないと、父が経営していた会社も住んでいた屋敷も人手に渡ってしまうと告げる。
ララは父の死を認めたくないものの、アナに促されて相続の書類に目を通す。
その時弁護士が、リチャードが残したパズルをララに渡した。
ララがそのパズルを解くと、中からカギとメッセージが現れた。
ララはメッセージに従い、屋敷内の隠し扉を開け、父が卑弥呼の墓を調査しにアジアに渡ったことを突き止める。
すぐに荷物をまとめ、ララもアジアへと旅立った。

私は1996年の最初のゲームシリーズしか知らなかったが、今回の作品は単純に映画のリブート作品ではなく、2013年にリブートされたゲームシリーズの原作をベースにしているらしい。
卑弥呼の謎に迫るというテーマも、そのゲームから用いられているようだ。
ゲームも続編が作られているが、映画も「ファースト・ミッション」と言うサブタイトルからわかるように、この後もシリーズ化することを前提とされている。
そのためララのトレードマークの2丁拳銃も、今回は次回作への布石としてラストに登場するのみである。
父の死を認めず、体を鍛えて自分だけの力で生きてきたララがどうしてトレジャーハンターになったか、まさにスタート作品としてストーリー構成されている。
これはこれでアリだとは思うが、一つの作品としてはやや物足りない部分もある。
アクションシーンはかなり見応えがあるものの、洞窟のシーンは「インディ・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」シリーズでよく観たアクションになっている。
元々の原作の新ゲームシリーズもそうなのかもしれないが、最初のゲームシリーズは派手なガンアクションがウリだったので、ややおとなしい印象を受けてしまった。
ストーリーも、父の意志を継ぐ事が主眼となっているので、謎解き部分にはあまり重きが置かれていない。

ただ、アクションシーンでSFXに頼りすぎていない部分は評価したい。
卑弥呼の謎と言う内容的に、魔術的なSFXを多用してもおかしくないところだが、そこに頼っておらず骨太なアクションシーンとなっている。

現在新シリーズのゲームは続編が1本発売、それ以降のタイトルは開発中らしい。
だがゲームの開発状況に影響されず、映画の方は先行してシリーズ作品をバンバン作ってもらいたいとも思う。


49.トゥームレイダー ファースト・ミッション


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予告編を観て「ちょっと大味そうな歴史映画だな」と思ったが、歴史映画ではなくホラーに近いファンタジー映画であった。

空海(染谷将太)は遣唐使として唐の都にいた。
その時の皇帝が謎の病死をするのだが、宮廷は皇帝の死因を風邪である公表していた。
また同じ頃、都の役人の家に黒い猫が現れる。
黒猫は役人の妻に地中に財宝が埋まっていると話し、喜んだ妻は黒猫を家に入れてしまう。
だがこの黒猫が、宮中の災いを呼び起こしている元凶であった。
空海は都で親友となった白楽天とともに事件の真相を調べるが、かつて皇帝の寵愛を受けていた楊貴妃が関係しているのではないかと考える。

一言で言って、SFXに頼りすぎの映画である。
ベースが黒猫の怨念ではあるが、それ以外にもきちんとした歴史的な要素も多い。
しかし脚本でそれらをフィーチャリングすることなく、とにかくSFXの勢いだけで押しまくろうとしている。
実際、SFXはかなり作りこまれていて美しい。
それがこの作品をホラーではなくファンタジー映画にしていると言ってもいいだろう。
ただその結果、それ以外の演出や肝心のストーリー構成がかなり大味になってしまっていた。
監督が役者に対しての演技指導をあまりしてないと思われ、日本人の役者もかなりの演技派を起用しているのに、ほとんどその効果を見ることができない。
これだけSFXを駆使しているのだから、おそらく多くのシーンで役者はブルーバックの前で演技をしていると思われる。
であるならば、監督からきちんと指示がなされなければ、演技に深みがなくなるのは仕方ないことである。

そもそもこの作り方であれば、設定が空海と安倍仲麻呂である必要性があまり感じられない。
夢枕獏の原作ではおそらく空海と安倍仲麻呂視線でストーリーが描かれていると思うが、映画は空海ではなく黒猫の方が主演のように見える(映画の中国タイトルは「妖猫伝」)。

日中合作と言う企画が持ち上がり、話がどんどん広がって収拾が付かなくなってしまったんだろうなと、想像させる作品であった。


36.空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎


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シリーズ物という事で、観に行く前はそれほど期待していなかった。
TVのSP版2本は見ていなかったが、TVドラマ版、「麒麟の翼」は見ており、どちらもまずまずくらいの評価だったので今回もそれなりに面白い、程度の期待だった。
しかし予想を大きく上回る、感動作であった。

葛飾区小菅の古びたアパートで、絞殺された女性の遺体が発見された。
遺体は腐乱が激しかったものの、家族の捜索願から滋賀県の清掃会社に勤める押谷道子(中島ひろ子)であることが判明する。
アパートの契約者は越川睦夫と言う男性だったが、数か月前から行方不明で押谷道子との関係も不明であった。

事件を担当していた捜査一課の松宮脩平(溝端淳平)は、この事件と5kmほど離れた河川敷のホームレスのテントで発見された焼死体が、犯行の日時も近く、どちらも死因が絞殺、そしてアパートの部屋がホームレスのテントのように生活感がないことに着目した。
松宮は事件の関連性を調べるために、アパートの部屋に残された数少ない遺留品からDNA鑑定を依頼する。
しかしアパートの住人と焼死体のDNAは不一致、関連性がないようにも見えた。
松宮はその事を、従妹で日本橋署勤務の加賀恭一郎(阿部寛)に相談する。
すると加賀は、犯人が捜査を混乱させるために、アパートの遺留品をわざと入れ替えている可能性があると指摘、松宮が別の遺留品から再度DNA鑑定を依頼すると、やはり焼死体はアパートの住人越川であることがわかった。そのことを松宮が加賀に報告したとき、偶然、アパートに残されたカレンダーの書き込みと、加賀の母親が生前暮らしていた部屋に残されたカレンダーの書き込みが同じであることが判明する。
カレンダーには毎月、日本橋周辺の橋の名前が一つずつ記されていたのだ。

加賀は優秀でありながらも、警視庁に戻らずずっと日本橋署勤務を続けていた。
その理由は、加賀の母親の部屋に残されたカレンダーの書き込みが母親の筆跡ではなく、おそらく死ぬ直前まで付き合っていた男性のものであったからだ。
加賀はその男性から生前の母親の話を聞くために、ずっと手掛かりである日本橋周辺の管轄署の勤務を希望していたのだった。

一方被害者の押谷道子の足取りをたどると、中学時代の友人で有名な演出家であった浅居博美(松嶋菜々子)に会うために東京に来ていたことがわかった。
押谷道子は、得意先の老人ホームにいた身元不明の老女が浅居博美の母親だと思い、確認するために上京していたのだ。
そのことを松宮が確認にしに行くと浅居博美は、母親は自分と父親を捨てて男に走り、さらにその時に父親の実印を使って膨大な借金を作った、その返済のために父親は自殺をし、その後自分は施設に送られることになった、そんな母親を母親とは思っていない、と告げる。
その後、浅居博美には押谷道子殺害の犯行時刻に完全なアリバイがあることも判明した。
浅居博美はこの事件と関連性がないように思えたが、松宮は浅居博美の事務所で、加賀と浅居博美が映った写真を発見する。

ストーリーはTVドラマ版、そして「麒麟の翼」以上に練りこまれている。
二つの殺人事件と加賀の母親のエピソードを巧みにシンクロさせ、かつ展開にほとんど無理がない。
映画をみているうちにどんどんストーリーに引き込まれてしまい、中盤以降、事件の謎を解明するシーンでは、不覚にも涙がこぼれてしまった。

若干ネタバレになってしまうが、印象としては「砂の器」に似ていると思った。
中盤以降で刑事が事件の真相を推測すると言う演出も、2004年にTBSで放送された「砂の器」(中居正広、渡辺謙バージョン)に酷似している。
このドラマも非常に秀逸な出来であったが、映画を観た後にWikiで調べたところ、監督の福澤克雄と言う人はTBS所属で、この「砂の器」の演出を担当していたそうだ。
そして同じくWikiには、原作も東野版「砂の器」として高く評価されていると書かれている。
福澤克雄の力量で、原作の持ち味を巧く生かして映画を撮った、と言えるだろう。
また中盤以降の刑事の推測で、物語のキーマンとして小日向文世が出演しているのだが、この小日向文世が強烈に機能していた。
このキーマンに小日向文世を配したことにも、制作者のセンスを感じる。
もちろん、その他の役者の演技も素晴らしい。

唯一整合性が合わない点は、横山一俊がホームレスのテントがあるのに、アパートの部屋も契約していたことである。
原発の作業員手帳用には愛知の住所を登録しているはずなので、アパートを契約する必要性はない。
逆にアパートを契約しているのであれば、ホームレスのテントは必要ない。
ただ、この部分は映画ではわかりづらかっただけで、ひょっとすると原作には明確な説明があるのかもしれない。

福澤克雄と言う人は、最近では「半沢直樹」など一連の「日曜21時 池井戸潤シリーズ」の演出を担当しているようだ。
「半沢直樹」は見ていないが「ルーズヴェルト・ゲーム」や「下町ロケット」は、「半沢直樹」を意識したせいか勧善懲悪の土下座的演出を無理やりいれていたため、かなりゲンナリした。
そのため、最近はこの枠のドラマは見ないようにしている。
一方で、同じ枠で放送された「流星ワゴン」は面白かったし、かつての「さとうきび畑の唄」も非常にいいドラマだった。
視聴者に媚びるために無理に「半沢直樹」系の演出をさせるのではなく、もっとこの人自身の力量を発揮できるような作品を担当してもらいたいと思う。
そうすれば素晴らしい作品が出来上がることを、本作品が証明している。


21.祈りの幕が下りる時


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スカパー!

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原作は森見登美彦で、2007年本屋大賞2位になった作品だが、私はよく知らなかった。
だが脚本はヨーロッパ企画の上田誠で、監督は「ピンポン THE ANIMATION」の湯浅政明である。
これはテンション上がりまくりである。

が・・・。
正直、想像していた内容とはちょっと異なっていた。

大学生の「先輩」(星野源)は、同じ大学の後輩「黒髪の乙女」(花澤香菜)に一目ぼれをしていた。
以降、彼女を気を引くために、先輩は偶然を装って、なるべく彼女の目に触れる場所に出没するのであった。
名付けて「ナカメ作戦」(なるべく、彼女の、目に触れる)である。
先輩はそうやって外堀を埋めて行くのだが、いつしか外堀を埋める事が目的になりつつあり、その事を親友の学園祭事務局長に指摘されたりもしていた。

一方黒髪の乙女は、小さい事など気にしないポジティブな娘だった。
とにかく飲むのが大好き、酒豪の老人と飲み比べをしても負けないほどのうわばみである。
思い立ったら行動あるのみ、小さい頃の思い出の古本をゲットするために古本市に行き、その足で学園祭にも行く。
不思議な空間をまい進する黒髪の乙女と、彼女に振り回される先輩の不思議な物語が繰り広げられる。

一夜のうちに、四季の物語が展開するという設定である。
今どき珍しい紙芝居のようなべたべたな2Dの絵柄に加え、独特の色彩で画面が展開する。
天狗の樋口やパンツ総番長などキャラクターも風変わりで、森見登美彦の世界観をきちんと再現しているのだろう。

しかし原作を読んでいない私にとっては、正直ちょっと入り込みづらく、ファンの人なら満足できる、とも言えないほど、判断が難しい映画だった。

一度、原作ファンの人の評価も聞いてみたい。


40.夜は短し歩けよ乙女


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テレビ朝日の新海誠特集第二弾「秒速5センチメートル」を録画して見た。
まずは第一弾の「言の葉の庭」同様、本編中に一切CMを挟まず完全ノーカットで放送したことを高く評価したい。

最初に見たときには、新海誠という人を知らなかったこともありなんとなく見始めたのだが、今回はストーリーのすべてを知っていたので最初から集中して見ることができた。
それで気付いたことは、作品中のセリフのほとんどが登場人物のモノローグであることだ。
対話型のセリフは非常に少ない。
そしてそのモノローグが非常に詩的である。
丁寧に紡がれたセリフばかりで、村上春樹の小説にも似ている気がした。

カット割りやアングルなども非常に緻密で、新海誠の高いセンスを感じる。
最終章の「秒速5センチメートル」で、貴樹と明里の現在を簡単に語った後、タイトルバックから一気に山崎まさよしの「One more time, One more chance」を流す演出手法も素晴らしい。

テン良し、中良し、終い良し、どこをとっても文句の付けようのない作品である。


34.秒速5センチメートル(再)


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原作は貫井徳郎で、直木賞候補になった作品だ。
すでに劇場公開されているが、私が観たのは試写会だった。

田中武志(妻夫木聡)は週刊誌の取材記者だ。
妹の光子(満島ひかり)は幼児虐待で収監されており、被害者となる姪は重体で入院中だった。
武志と光子は母に棄てられて父親に育てられたのだが、彼らも父親から虐待を受けていたのだ。
二人は一生懸命に生きようと努力したのだが、光子は精神的に耐えきる事ができず、収監後もカウンセラーによる診察を受けていた。

そんな状態の田中は、1年前に起きた一家3人惨殺事件を追っていた。
上司からは、あまり新鮮味がないからといい顔をされなかったが、田中はその事件を追い続けた。

まず田中がアプローチしたのは、被害者家族の夫であった。
被害者の夫は女性の気持ちを考えないタイプの人間であった。
さらに上昇志向が強く、学生時代に付き合ってきた彼女を踏み台にして就職活動をした過去も持っていた。
ハッキリ言って、女性から恨みを買っていても何の不思議もない人間である。

さらに田中は、妻の過去も探った。
妻は一見品行方正のよう見えるが、非常にプライドが高く周りの友人を自分より下に見る傾向があった。
友人の彼を奪うが、それも本当に彼が好きだったわけではなく、友人より自分の方が上だと言う事を証明するためだけに、彼を奪ったりしていた。

田中は少しずつ、被害者夫婦の真相に迫りつつあった。
しかしその時、光子の弁護士から光子が自殺した知らせを受ける。
カウンセリングの医師から、入院中の娘が死亡した事を知らされたためだった。

最初から最後まで、非常に重苦しいシーンの連続だ。
登場人物のほとんどが、人間の醜い部分をこれでもかと見せつけてくる。
それも過剰な部分はなく、すべて人間の本音をぶちまけるエピソードばかりなので、非常にリアリティがある。
そしてその醜い部分の表現の仕方も、また秀逸だ。
実力派の役者を揃え、かつその演技力を引き出す演出も巧いと思う。
ただ内容が内容だけに、観ていて本当に重い気持ちにさせられてしまった。

ラストはややご都合主義の強引感がなくもないのだが、田中が始めから犯人に気付いてこの事件にこだわりがあったと考えれば、その部分も解消する。

この映画を面白いと言っていいかどうかは微妙だが、完成度が高い作品である事は間違いないと思う。


27.愚行録


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ちょっと前にTV放送の録画を見たばかりだが、どうしても我慢ができなくて「カリオストロの城」のMX4Dを観に行ってしまった。
MX4Dの「カリオストロ」にも興味があったが、それ以上に、「カリオストロの城」を映画館のスクリーンで観る機会は、もうこれで最後かもしれないと思った事が最大の要因である。
そしてやはり、観に行って良かったと思った。

MX4D上映と謳っているが、画面は2Dのままだった。
座席の動きと肘かけからの風、霧、そして劇場内の光や煙の演出だけである。
光の演出はあまり効果がなかったが、煙に関してはルパンと銭型が地下の偽札工場に火を付けて脱出するシーンだったため、まずまずの演出となっていた。
また、座席の動きもなかなか良く、冒頭のカーチェイス、ラストの時計台内のシーンも悪くなかった。

しかしそれ以上に、やはり大画面で観る「カリオストロの城」は良かった。
前回TV版で発見した車のナンバーの間違いや、時計台の時刻などもチェックしたが、やはり修正などはされていなかった。
それはそれで一興である。

ただ時刻に関しては、ちょっと私の認識が間違っていた。

ルパンと次元が初めてカリオストロ城に到着した時、時計台はちょうど19時の鐘を鳴らしている。
しかし周囲はまだかなり明るい。
また、ルパンとカリオストロ侯爵が対峙するラストシーンでは、時計の針は2時45分を指しているが、すでに夜明け間近で遠くの山間が明るくなり始めている。
ちょっと昼間の時間が長すぎないだろうか。
昼間と夜の時間の差がこれだけ大きいと、カリオストロ公国はかなり高い緯度に位置していると言う事になってしまう。

だが、作品中の背景を見ると城は山間部、おそらくはアルプス山脈に囲まれており、公用語がフランス語、エンドロール後にルパンと銭型の車が地中海と思われる海に向かって走っている事を考えると、国の場所はスイスに近い場所で、南フランス、もしくは北イタリアに近い場所だと思う。
祖先がゴート族で、湖に沈んでいたのが古代ローマ風の建造物である事を考えても、スイス以北である事は考えられない。
そこで実際に調べてみたのだが、スイスのベルンは北緯47度あたりである。
北海道の最北端宗谷岬が北緯45度31分で、夏至の日の出は3時45分、日の入り19時25分、ベルンと宗谷岬の緯度差を考えると、もし夏至であれば映画の日照時間は不自然ではない事になる。

しかし、ルパンが重傷を負ってかくまわれている時、不二子が窓の隙間から投げ込んだ新聞記事の日付はたしか9月だった。
と言う事は、日の出はもっと遅く、日の入りはもっと早くならなければならない。

だがもう少し踏み込んで考えると、9月の秋分の日は全世界中で昼と夜が同じ時間になる。
だからそもそも、昼の時間が夜の時間よりも長いという事はあり得ないのだ。
となると、不二子の投げ込んだ新聞の日付が車のナンバーのように間違いで、実際には夏至の頃の設定だったと考えた方が自然である。
実際、背景のグリーンも初夏のように見える。
それですべての辻褄が合う。
夜中の0時を過ぎても城内のパーティが活況だったりするが、結婚式も0時を回ってから始まっているので、夜が遅いのもカリオストロ公国では常識だとしても、不思議ではない。

宮崎駿は「アルプスの少女ハイジ」を制作する際にスイスにロケハンに行っているそうだが、その時の資料を基にして、綿密な設定を作り上げていたのかもしれない。


22.ルパン三世 カリオストロの城 MX4D

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「エイプリルフールズ」のプロモーションで放送された「LIAR GAME ザ・ファイナルステージ」を見る。
映画館で上映された時も観ていたのだが、TV版は途中から見たので細かい人物相関図は良くわかっていなかった。
だが、神崎直(戸田恵梨香)がバカ正直で、秋山深一(松田翔太)が天才詐欺師という事さえ押さえておけばほぼ問題はない。

TV版で実施された「LIAR GAME」は予選で、映画は各予選を勝ち抜いた勝者による決勝戦という設定になっている。
ゲームは「エデンの園ゲーム」で、毎回各プレイヤーは、金、銀、赤のリンゴを選択して他のプレイヤーにわからないように投票する。
一番多く投票された色に投票したプレイヤーが勝者で+1億円、敗者は-1億円、ただし全員が赤のリンゴに投票した時のみ全員が+1億円となる。
一方、全員ではなく一部のプレイヤーが赤のリンゴに投票した場合、赤のリンゴに投票したプレイヤーが-1億円、それ以外のプレイヤーは金、銀どちらに投票していても+1億円となる。
さらに、赤のリンゴに投票したプレイヤーが1人だけだった場合、その一人は氏名を公表されたうえ-10億円となる(その他のプレイヤーはすべて+1億円)。
また、全員が金、もしくは銀に投票してしまった場合は、全プレイヤーが-1億円となる。
プレイヤーは-5億円になった時点で失格、退場となってしまうので、赤リンゴに一人で投票してしまった場合、一発退場の可能性が大という設定だ。

これらの細かい設定に加え、投票の際のルールの盲点を突くなどして、プレイヤーは巧みに自分の所持金を増やしていく。
もちろん密約、裏切りなど、「LIAR GAME」ならではのストーリーが展開する。

これらの緻密なストーリー設定がこの映画の魅力なのだが、さらに戸田恵梨香と松田翔太の演技力も、映画の面白さを増している。
戸田恵梨香は「SPEC」や「エイプリルフールズ」でアクの強い演技を見せているが、一方でこういう素直な女性の演技も巧い。
松田翔太は最近コミカルな演技が多いが、元々は「花より男子」のF4など二の線で売りだしており、こう言う押し殺した演技もやはり似合う。

さらに、シリーズを通しての音楽担当が中田ヤスタカと言う点も見逃せない。
ゲームは常に閉ざされた空間で実施され、かつその空間全体が退廃的な雰囲気に装飾されているのだが、これが中田ヤスタカの音楽とよくマッチする。
映画全体のバランスが秀逸である。

2012年に、戸田恵梨香に代わって多部未華子で新ストーリーが作られたが、多部未華子も悪くなかったものの、やはり戸田恵梨香と松田翔太のコンビで続編を作ってもらいたものである。


32.LIAR GAME ザ・ファイナルステージ(再)


※こんな本書いてみました。
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最終日に観たギンレイの2本。

まず「ルビー・スパークス」。

小説家のカルヴィン(ポール・ダノ)は19歳の時のデビュー作が大ヒットとなったが、プレッシャーでそれ以降の作品が書けないでいた。
その上自分を追い詰めてしまい、妄想と現実の区別もつかなくなってしまっていた。
精神科に通っていたカルヴィンは、医師の勧めで夢に出てきた女性を小説の主人公にする。
するとペンが進み始め、カルヴィンは作品への意欲をかきたてられた。
だが事態は意外な方向へと転換する。
なんと、カルヴィンが主人公にしたルビー・スパークス(ゾーイ・カザン)が、現実の女性として彼の目の前に現れたのだ。
ついに幻覚が見え始めたかとガッカリするカルヴィンだが、ルビーはカルヴィン以外ともコミュニケーションを取り始めた。
そう、彼女は本当に実在したのだった。

しかも、ルビーはカルヴィンの書く小説通りの動きをする。
「フランス語が堪能」と書けば流暢にフランス語を喋りはじめた。
カルヴィンはルビーを自分の理想通りにしようとするのだが、ルビーはなかなかカルヴィンの思い通りの行動を取らなかった。

ルビーの正体は一体何なのか、そのネタだけで十分1本の作品に仕上げている部分は見事だ。
ゾーイ・カザンのルビーの謎が深まる演技が見事なのだが、彼女自信が脚本も担当している事も関係しているのかもしれない。

ただ、ラストのオチは少々単調かな、という気もする。
落とし所はこう決着させるしかなかったとは思うが、それならば前半のどこかにもうちょっと布石を打っておいて欲しかった。

続いて「her 世界でひとつの彼女」。

近未来、セオドア(ホアキン・フェニックス)は愛する人への手紙を代行する仕事をしていた。
彼自身離婚したばかりだったのだが、ある日彼は淋しさを紛らわせるために人工知能のOSを自分のPCとモバイルデバイスにインストールする。
自分の諸データを入力し、OSの性別を女性に設定すると、起動したOSは自ら「サマンサ」と名乗りはじめた。
最初は丁寧にセオドアをサポートしていたサマンサだが、やがて彼女はOSとは思えない人格を持ち始める。
そして二人は恋人以上の関係となってしまう。

人間とOSの恋愛と言う、これからの未来にありそうな設定である。
近未来という設定だがストーリー展開はなかなかリアルで、本当に近い将来こういう事が起こるのではないか、と思わせた。
サマンサの声をスカーレット・ヨハンソンにしたのも巧いキャスティングだ。

ただ、セオドアが他人とコミュニケーションを取れないという設定にしている部分が効き過ぎて、映画全体に物悲しさが強く出てしまっている。
もう少し明るい未来の結末にしてほしかったな、とも思う。


164.ルビー・スパークス
165.her 世界でひとつの彼女



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