アーモンドアイの三冠がかかる秋華賞。
歴史的名馬の可能性が高いこの馬の三冠の可能性は、限りなく100%に近いだろう。
オークスから直行だが、これは最初から予定されていたもの。
今週の追切は超絶の一番時計を叩き出しており、臨戦過程も万全だ。
ほぼ死角はない。
ただ、重箱の隅をつつくとすれば、京都内回り2000mのコースだ。
二冠馬も、無敗馬ではない。
唯一の敗戦は、デビュー戦の新潟内回り1400m。
桁違いの上りを使ったが届かず2着だった。
京都の内回りは新潟の内回りよりさらに直線距離が短い。
競馬センスのある馬なので多少包まれても抜け出してくるとは思うが、一瞬手間取って届かないこともなくはない。

そしてアーモンドアイに勝てる可能性があるとすれば、ラッキーライラックしかいない。
アーモンドアイとは2戦2敗、すでに勝負付けは済んだ感もある。
さらに一頓挫あって、ステップレースを使えなかった。
しかし春からの成長で馬体は20kg増、調教でも破格のタイムを出しているので太目残りではない。
枠順も良いので無理なく好位に付けられるだろうし、オルフェーヴル産駒の底力を発揮しての逆転もあり得る。

ラッキーライラック以外で上位に来そうなのは、京都で好成績を残すディープインパクト産駒か。
中でも重視したいのはミッキーチャームだ。
北海道の3戦を逃げて3連勝、しかも付けた着差がそれぞれ8、3+1/2、3+1/2である。
条件戦とは言え、逃げてこれだけの着差を付けるのは非凡だ。
鞍上はイギリス武者修行帰りの川田で、思い切った騎乗をしてくれるだろう。

同じディープ産駒の逃げ馬カンタービレも面白い。
前走のローズSを鮮やかに逃げ切っている。
2番枠を引いた点も強調材料だ。
外枠のミッキーチャームとの先行争いがどうなるかは微妙だが、4000勝ジョッキー武豊がこの馬の実力を引き出してくれるだろう。

同じローズSで2着だったサラキアにも注目だ。
この馬もディープ産駒らしく、好位から最後は必ず脚を伸ばしてくる。
春はあとちょっとでクラシック路線に乗れなかったが、夏の小倉でコースレコードを叩き出しており、成長著しい。
モレイラが騎乗停止になったのは痛かったが、鞍上は引き続き池添を確保できたので割引材料にはならないだろう。

プリモシーンは関屋記念で古馬相手に重賞を勝ち上がった。
ディープ産駒らしい切れ味で妙味はある。
しかしこれまで1600mまでしか経験がない。
G1でいきなりの2H延長に対応できるだろうか。
しかも今回は外枠に回ってしまった。
包まれる不安はないだろうが、位置取りがかなり難しくなるだろう。
どの馬もアーモンドアイより前で競馬をしたいと考え、かつアーモンドアイも直線だけでは届かないことがわかっているから中段より前に付けようとする。
そうなると、アーモンドアイより外枠の馬はかなり不利だ。

であるならばパイオニアバイオか。
春のフローラSはサトノワルキューレのクビ差2着。
サラキアや紫苑Sを勝ったノームコアより先着している。
オークスは7着だったが、6着のサトノワルキューレとは同じくクビ差だった。
休み明けの紫苑Sは4着だったが、終始外を回らされての4着で、力負けではない。
鞍上はフローラS2着時の柴田善臣に戻り、今回は好位からの競馬ができるだろう。


◎アーモンドアイ
〇ラッキーライラック
▲ミッキーチャーム
△カンタービレ
×サラキア
×パイオニアバイオ

アーモンドアイから人気どころで決まるとトリガミになる可能性もあるが、ここはラッキーライラックに期待をして、馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
3年ぶりにロンシャンに戻った凱旋門賞。
買おうかどうしようか迷ったが、昨年の覇者エネイブルが一本被りの人気になっていて、それ以外の馬券はそこそこつくので買うことにした。

本命はここ1年で一気に本格化したヴァルトガイスト。
ロンシャンの2400mは非常にトリッキーなコースだが、前走のフォア賞を完勝している。
主戦のブドーが異常に強気な発言をしていて自信満々。
4頭出しのA.ファーブル厩舎のエネイブル包囲網がうまくいけば、勝利するのはこの馬だ。

対抗はシーオブクラス。
愛オークス、英オークスをぶっこ抜き、昨年のエネイブルを彷彿させる。
斤量55kgはやはりかなりのアドバンテージで、3歳牝馬はこの10年で4勝をあげている。
あっさり勝っても不思議ではない。

三番手はやはり3歳馬のキューガーデンズ。
この馬も夏のパリ大賞でロンシャンの2400mを勝っている。
3歳牡馬もこの10年で3勝をあげており、やはり有利に働くだろう。

四番手、五番手はフォア賞2、3着のタリスマニックとクロスオブスターズ。
一昨年のA.オブライエン厩舎1、2、3のように、今年はA.ファーブル厩舎の1、2、3があるかもしれない。

後は応援馬券でディープ産駒のスタディオブマンとクリンチャーまで。
スタディオブマンはここ2走連を外して人気を下げているが今年の仏ダービー馬だし、武豊は先週スプリンターズSで人気薄のラインスピリットを3着に持ってきている。
あながち可能性がない訳ではない。

エネイブルは休み明けの前走を58kgで勝っているが、4頭立てだったことを考えると割引が必要。
ロンシャンの2400mを逃げ切ることは困難で(昨年はシャンティイだった)、今年は格好の目標とされる可能性が高いと考えて無印。


◎ヴァルトガイスト
〇シーオブクラス
▲キューガーデンズ
△タリスマニック
△クロスオブスターズ
×スタディオブマン
×クリンチャー

◎から馬連6点勝負。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
良くも悪くも時代劇であるのだが、想像していたより恋愛要素が強く、ちょっと違和感を感じた。

瓜生新兵衛(岡田准一)はかつて所属して藩の不正を暴こうとし、その責を負わされて妻の篠(麻生久美子)とともに藩を追われていた。
逃げた先にも藩からの刺客が命を狙いに来る生活で、篠はやがて病で命を落とすことになる。
彼女の最期の言葉が、故郷の散り椿を見たい、だった。
篠の希望もあったため、彼女の死後新兵衛は故郷の藩に戻り、篠の実家に居候することになる。

実家には篠の妹の里美(黒木華)、そして弟の藤吾(池松壮亮)が暮らしていた。
篠、そしてこの二人の兄の源之進(駿河太郎)は新兵衛の親友でもあったが、新兵衛が藩を追われたときの事件で切腹させられている。
家はその後藤吾が継ぎ、役職にも就いていた。

藩では、やはりかつての新兵衛の親友榊原采女(西島秀俊)が重職に就いており、事実上藩を仕切る重鎮石田玄蕃(奥田瑛二)と権力闘争をしていた。
実は采女の父は、かつての不正事件の際に何者かに斬られていた。
新兵衛、源之進、采女、そして今は閑職に甘んじている篠原三右衛門(緒形直人)の4人は、同じ道場で四天王と呼ばれる実力であったのだが、采女の父を殺した犯人は、その見事な斬り口からこの4人の誰かではないかと噂されていた。
そして父亡き後も藩の重職まで上り詰めるほどの才覚があった采女が、父の不正が許せずに斬り殺したのではないかと考える者も少なくなかった。

そんな中、藩の名産である和紙を取り扱う田中屋から、新兵衛に用心棒になってくれとの依頼が来た。
田中屋は過去の不正に関与しており、それを暴露されると困る藩内の勢力から命を狙われていたのだ。

新兵衛が藩に戻ることで過去の不正が明るみに出るところとなり、それに絡んで玄蕃と采女の権力闘争も激しくなる。
この設定は正当な時代劇であり、木村大作の美しい映像と相まって非常に見応えのある内容となっていた。
しかし新兵衛とその妻、そして采女の三角関係が、ストーリー全体に影響を与えすぎているようにも思える。
新兵衛、采女の行動のモチベーションが、武士としての矜持より篠への想いの方が強いように見え、骨太な内容がやや薄まってしまった。
「蜩ノ記」が武士の本懐をテーマにしていたので、この作品にも同様の期待を抱いていたのだが、思っていた内容とはちょっと異なる作品だった。


120.散り椿


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
TVCMの「パパ、飛びま~す」を見るとどうしようもないダメダメ映画のように思えるが、実際にはきちんとした映画になっていた。

ウィル(ドウェイン・ジョンソン)かつてFBIの特殊部隊に所属していたが、ある事件で爆発の巻き添えをくってしまい片足を失って引退する。
その後、同僚であったベンに紹介され、香港の超高層ビル「パール」のセキュリティ担当者となった。
ビルの上半分は居住スペースになっているのだが、現在住んでいるのはウィルの家族だけである。
ウィルはパールの所有者であるツァオから、セキュリティシステムを操作するタブレットを渡される。
「パール」のセキュリティシステムは別の場所にあり、そのタブレットですべてのシステムをコントロールできた。

その後、ウィルとベンはフェリーに乗って街に出かけるのだが、そこでタブレットを奪われそうになってしまう。
その場はなんとかタブレットを護るのだが、次にベンがタブレットを奪おうとしてウィルに襲いかかってきた。
もみ合っているうちにベンを撃ち殺してしまうウィル。
ベンは最後にパールが燃える事を示唆し、ウィルが窓から確認するとすでに炎上し始めていた。
そしてその後すぐに謎の女たちがウィルを襲撃、タブレットは奪われてしまうのだった。

パールに火を放ったのは、コレスと言う悪党の一味であった。
コレスたちは水に反応して発火する薬品を床に散布し、一気に火の手を上げた。
本来ならセキュリティシステムが作動するのだが、ウィルが奪われたタブレットが使用され、セキュリティシステムは解除されていた。
家族が外出からパールに戻っていることを知ったウィルは、バイクを盗んでパールに駆け付ける。
しかしその行為を目撃され、警察から追われることになってしまった。
そのためパールに入ることができない。
そこでウィルは隣の巨大クレーンによじ登り、そこからパールへダイブした。

高層ビルが炎上する設定は懐かしの「タワーリング・インフェルノ」で、ビル内でテロリストと戦う設定は「ダイ・ハード」そのままである。
ハッキリ言って、パクりと言われても言い逃れできないレベルだ。
しかし、作品としてはきちんと作り込まれている。
特にアクションシーンの作り込みは、B級映画の域をはるかに超越している。
ウィルと家族が次々と襲われるピンチに、思わず身を乗り出しかけてしまった。

TVCMのせいで日本ではほとんど評価されず、封切りから1か月持たずに上映終了しそうな勢いだが、決してそのレベルの映画ではない。
アクション好きな人なら十分万足できる作品と言えるだろう。


119.スカイスクレイパー


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
企画・原作・脚本が筒井ともみで、監督が生野慈朗、なんだかずいぶんと懐かしい名前が並んだ作品だ。
タイトルの「食べる」は文字通りの食事に加え、SEXの「食べる」も兼ねている。
名の通った女優8人を抜擢したオムニバスドラマだ。

作家の餅月敦子(小泉今日子)は一軒家で一人暮らしをしている。
小麦田圭子(沢尻エリカ)は敦子の担当編集者で、鴨舌美冬(鈴木京香)が切り盛りする小料理屋の常連仲間でもある。
美冬は20歳以上離れた年下の男にも積極的に手を出すほどの肉食系、そして彼女の店の常連にはアシスタントプロデューサーの白子多実子(前田敦子)も常連で、4人は女子会を行ったりもしている。
豆乃・リサ・マチルダ(シャーロット・ケイト・フォックス)は料理が不得意な事が原因で、夫(池内博之)別居を言い渡される。
そして敦子の家に居候をしながら、美冬に料理の手ほどきを受けることになった。
米坂ツヤコ(壇蜜)は二人の子供を抱えるが、夫がほかに女を作ったことで離婚をしている。
マチルダが敦子の家を出た後、上の娘が居候する事を希望したため、家族3人で敦子の家に転がり込むことになった。

圭子はある日偶然料理が得意のタナベ(ユースケ・サンタマリア)と知り合い、なんとなく男女の関係になってしまう。
茄子田珠美(山田優)が店長のバーで、その事を常連たちに指摘されるが、タナベを恋人と言っていいかどうか、圭子にもわからなかった。
本津あかり(広瀬アリス)も珠美のバーの常連だが、彼女は酔うと簡単に男と寝てしまう。
自らを、安くてお手軽なひき肉に例えてみたりもする。
だがある日営業マンの友太(小池徹平)を紹介され、本当の愛に目覚めていく。

ハッキリ言って、ストーリーらしいストーリーは何もない。
シャーロット・ケイト・フォックスと池内博之の夫婦間のエピソードはかなり陳腐だし、弁当を作って元旦那の家に押しかける壇蜜の演技はかなりシュールでちょっと引いてしまった。
唯一、きちんとしたストーリーになっていたのは広瀬アリスと小池鉄平のエピソードくらいだ。
それでも見ていて飽きることはなかった。
メリハリの少ない不思議な雰囲気の映画ではあるが、女優たちがその不思議な雰囲気を、いい感じに力を抜いて演じているからかもしれない。
昨今ブームになっているグルメドラマのように、食べ物に寄りすぎていないのも良かったのかもしれない。

ただ個人的には、男女の関係を綺麗に作りすぎているかな、と言う気もした。
女が全員「サバサバ系」で、恋愛へのこだわりがほとんどない。
結婚しているシャーロット・ケイト・フォックスと壇蜜も、揉めている夫への不満をほとんど見せない。
山田優、広瀬アリスあたりは、男から見れば完全に「都合のいい女」である。
そういう意味では、リアリティに欠けた作品だ。
正直、20世紀のトレンディドラマっぽい作品だなと思った。


118.食べる女


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
オムニバス形式の感動ストーリーは、得てして展開が散漫になりやすく、面白くないパターンが多い。
この作品は監督がTVドラマでヒットを飛ばす塚原あゆ子、脚本は出来不出来のブレが激しい奥寺佐渡子という事で非常に微妙な感じがしたのだが、予想通り微妙な感じの作品になっていた。

常連客もいる明るい雰囲気の喫茶店「フニクリフニクラ」。
この喫茶店の席の一つに座ると、過去にも未来にも行けるという。
ただし過去に戻っても歴史を変えることはできず、現在の状況は変わらない。
また過去に戻っても喫茶店の外に出ることはできない。
そのため、会えるのは喫茶店に来たことがある人のみで、その人が来店した時間に戻る事になる。
さらに、過去に戻れるのはカップに注いだコーヒーが冷めるまでの短い時間で、コーヒーが冷めるまでに飲み干さなければならない。
もし飲み干せなかった場合は時間にとらわれて幽霊になってしまう。
店員の数(有村架純)は、その事を店に来た客に説明していた。

過去に戻れる噂を聞きつけた清川二美子(波瑠)は、1週間前に戻ろうとする。
しかしその席には謎の女性(石田ゆり子)が無言で座り続けていた。
彼女はかつてコーヒーが冷めるまでに飲み干すことができず、幽霊になってしまった女性だった。
この女性が席を立った時のみ、過去に戻ることができる。
二美子は謎の女性が席を立った瞬間に席に座り、幼馴染の五郎(林遣都)に会う事にした。
1週間前、アメリカに渡るという五郎とケンカをしてしまっていたのだ。

常連客の佳代(薬師丸ひろ子)は、若年性の認知症を患っていた。
介護士の夫である房木(松重豊)は彼女を旧姓の「高竹さん」と呼んでいた。
自分を夫だと認識できない佳代を気遣っての事である。
しかし房木は過去に戻って、佳代の本心を知ることになる。

もう一人の常連客平井(吉田羊)は、東北の旅館の娘であった。
本来旅館を継がなければならない立場だが、自由を求めて家を飛び出し、両親とは連絡を取っていなかった。
時折妹の久美(松本若菜)が喫茶店を訪れ、平井に家に戻るように説得するのだが、平井は常に逃げ回っていた。
しかしそんなある日、いつもと同じように平井を説得に来る途中、久美は交通事故で死亡してしまう。

そんなエピソードが続く中、数は大学生の常連新谷(伊藤健太郎)と仲良くなっていく。
そして数が社会人になったとき、数の妊娠が判明する。
新谷はその事を喜ぶが、数は迷いを見せるのだった。

映画の宣伝などで大々的に「4回泣ける」と謳っているが、ハッキリ言ってどんなに泣けても3回までだ。
波瑠演じる二美子のエピソードに関しては、共感する人はいても泣く人はいないだろう。
全体的に見ても、「感動の押売り」的な話を、微妙にオブラートに包んだ形になっている。
有村架純演じる数がいい感じで淡泊で説教臭くないので、「感動の押売り」が薄まった形になっているのだ。

元々演劇が原作なので、おそらくエピソードの演出のメリハリが大きかったと思われる。
そのメリハリで舞台と観客席に一体感を生み、感動作品になっているのだと思うが、映画になるとやはりスクリーンとの間にある種の距離感ができてしまうので、感動が生まれにくい。
そしてそこをゴリ押ししようとすると、どんどん距離感が広がってしまう。
それが映画の難しさなのだが、この作品ではいい感じのポイントに落とし込んでいる。

では、この映画が面白いかと言うと、抜群に面白いとは思えない。
ともすれば駄作になってしまう作品を、構成、キャスティングを含めて手堅くまとめたというのが適切だろう。
YUKIが歌う主題歌の「トロイメライ」も良かったと思う。

117.コーヒーが冷めないうちに


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
予告編やCMを見て大よそのストーリーは想像できてしまい、あまり面白そうには思えなかったのだが、興行成績が2週連続で1位となった。
これはひょっとすると、奥が深いかなり面白い作品なのかと思って観に行ったが、想像以上でも以下でもない作品であった。

幼少時、100エーカーの森でプーと仲間たちと楽しく過ごしていたクリストファー・ロビンも、やがて寄宿制の学校に入る年頃となった。
プーたちに「決して忘れない」と別れを告げたロビンは、その後早くに父親を亡くすなど悲しい現実を乗り越え、妻と娘を持つ父親となっていた。
だが、折しも第二次世界大戦の影響で旅行客は減少し、彼が担当する鞄製造部署の売り上げは芳しくない。
創業者の息子である担当役員は、ロビンたちに厳しい売り上げ目標と改革案提出を突き付け、それができなければリストラを実行すると告げる。
ロビンは週末の家族旅行をキャンセルし、改革案を考える事となった。

一方、100エーカーの森でプーははちみつを探していたが見つからなかった。
仲間たちも見つからない。
プーは、ズオウがやってきたために森が破壊されたと思い、ロビンに助けてもらおうとロンドンを訪れた。
改革案がまったく浮かばず公園のベンチで途方に暮れていたロビンの前に、突然プーが現れる。
プーとともに100エーカーの森に戻ったロビンは、かつての仲間たち再会した。
だが、すぐに我に返り仕事のためにロンドンに戻る。
その時ロビンは、書類の入った鞄を100エーカーの森に忘れてしまうのだった。
鞄をロビンに届けるために、プーと仲間たちはロンドンに向かった。

仕事のために家族をも犠牲にし、大切なものが何かを忘れてしまうロビン。
そのロビンに心の余裕を取り戻させるのが、幼少時の親友であったプーと仲間たちである。
ハッキリ言って、テーマはありきたりだ。
「くまのプーさん」と言うディズニーキャラクターの実写映画ありきでストーリーが考えられているため、展開にメリハリもなく映画としての深みがまったく感じられない。
一言で言って「薄っぺらい映画」だ
この映画なら、鉄拳のパラパラマンガの方がよっぽど感動したり心が暖まったりする。

ただ、プーをはじめとするぬいぐるみの動きはなかなか秀逸だ。
プーたちを変に実写版のキャラクター化せず、完全にぬいぐるみと割り切って、ぬいぐるみらしい動きを徹底している。
重さを含めた質感もまさにぬいぐるみで、表情も無理に作ったりしないで、目や口などの最低限の動きで表現していた。
この部分はかなりのクオリティだった。

ただやはり、このストーリーでわざわざ「くまのプーさん」を実写化する意味があったのかと思う。
だったら子供の頃のロビンとプーの仲間たちで、冒険譚的な話を作った方が面白かったんじゃないかと思う。


116.プーと大人になった僕


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
フジテレビが秋にスタートするドラマの番宣として、「東京ラブストーリー」を再放送した。
制作されたのは1991年で、今から27年以上前だ。
視聴率は2~3%だったらしいので、これまでの再放送ドラマと大差はなかったらしいが、録画率がよく、何より女子高生など若い女性の間で、スマホどころか携帯電話もないため待ち合わせですれ違う部分や、「カンチ、SEXしよう!」の名台詞が話題になったそうだ。

それはともかく、自分も録画して見たのだが、改めて見るといろいろな意味でバブル真っただ中のとんでもないドラマだ。
それは、女性の眉毛がみんな太っといとか、男がみんな肩パットの入ったソフトスーツを着ている、という見た目の話ではない。
女性がみんなワガママ言って男を振り回し、それに男がなんとかこたえようとする、という点がいかにもバブル期のドラマだと思った。

まず軽くおさらいだが、愛媛から転職で上京したカンチ(織田裕二)を、先輩社員のリカ(鈴木保奈美)は一目で気に入る。
カンチの状況を機会に、小学校からの親友三上(江口洋介)が高校の同期会を開くのだが、そこにカンチが思いを寄せいていたさとみ(有森也実)も参加する。
カンチ、三上、さとみの3人は高校時代から仲が良く、さとみはカンチと三上から思われていることに当時から気をよくしていた。
さらに最初は三上を選ぶものの、浮気ばかりされて頭にきて別れ、リカと付き合っているカンチを奪いに行こうとする。
さとみは最初から最後までクソアマ振りを発揮、それは当時から話題になっており、あまりのインパクトにその後有森也実はあまりいい役に恵まれなかったそうだ。

でここからは今回ドラマを見かえして思ったのだが、リカはとても面倒くさくて重たい女だ。
リカはカンチの事が好きでその事を本人にも伝えるのだが、一方さとみに思いを寄せいているカンチを応援したりする。
好きだけど、好きだからカンチを応援しちゃう、的な事を言っており、とても面倒くさい。
しかも、以前希望していた海外転勤の話が実現しそうになると、カンチに海外行きを止めてくれないのかと迫る。
カンチが、リカは優秀だし一生を左右するような事を自分が決められないと言うと、リカは怒り出す。
実際に存在していたら、絶対に付き合いたくないくらい面倒くさくて重たい女だ。

そして、一番まともだと思っていた千堂あきほの長崎尚子もなかなかしたたかな女だった。
三上が近寄り始めたころは「なによ」を繰り返して気のない素振りをするのだが、実は三上に興味津々で、さとみが三上と尚子が通っていた大学の病院に入院した時、これ見よがしに花を持って見舞いに来る。
その時三上とさとみは付き合っていて、そのことを尚子も知っているのにだ。
完全に宣戦布告である。
そして自分が原因で三上とさとみが別れた後、親が決めた相手と結婚が決まっているのに、三上の部屋に押しかけて寝てしまう。
三上を散々その気にさせて、結婚式の日に自分を奪いに来てくれるのに、けんもほろろに追い返してしまう。
まあ、その後新婚旅行の途中で帰国して三上のもとに転がり込むのではあるが。

三上とカンチは3人の女性に振り回されるのだが、この2人もかなりなものである。
さとみと付き合っているのに尚子に近寄ろうとする三上はもとより、カンチも結構なクズ野郎だったりする。
リカと付き合っているのにさとみが三上と別れた事を知ると動揺し、さらにさとみに言い寄られるとすぐにグラグラになり、リカに別れを言おうとする。
リカは別れを察していて、カンチからその言葉を聞きたくないためにはぐらかそうとするのだが、カンチは自分の気持ちにケリをつけたいがためにリカに別れを切り出そうとする。
リカはしたかたなく承知するのだがだが、さとみに呼び出されたためカンチはリカとの約束をすっぽかす。
リカは落ち込み会社を休んで疾走すると、カンチはリカを探し始めるのだが、それもやっぱりリカを思ってというよりも自分の気持ちをスッキリさせたいがためのように見える。

今見ると、どいつもこいつも友達になりたくないようなヤツばかりである。
でも、バブルの頃はこれが普通だったようにも思う。
最初に書いたが、女の無茶振りに男がなんとかこたえる、というのがバブル時代だ。
当時男の価値は50%が経済力と行動力、40%が見た目で決まり、それ以外は10%くらいだった。
30年前ではあるが、自分がその時代を生きてきたことも、なんとなく忘れてしまっていた。

そんなドラマがなぜ話題になったのかというと、当時の世相にマッチしただけではなく、やはり鈴木保奈美と織田裕二の演技力によるものだろう。
特に鈴木保奈美の演技は、今見ても素晴らしいと思った。
第一話のラストシーン、カンチと並んで歩くときに嬉しそうに体をゆすっている。
その後のカンチの首に抱き着くシーンも、今見てもいいシーンだと思う。
そして最終話のリカだけは、今見てもすごくいい女だ。
みんなこの最終話のイメージが強いため、このドラマが心に強く残っているのだろう。

なんとなく見始めた再放送で、いろいろと思いが巡ってしまった。
それだけ自分が年を取ったという事か・・・。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
秋のG1シリーズ初戦は超大型台風が接近し、風雲急を告げる様相を呈している。
とはいえ、どうやらレース時間まではなんとか暴風雨は避けられそうだ。
人気は休み明けの前走を快勝したファインニードルと、マジック・モレイラ騎乗のナックビーナスで、単勝一桁配当はこの2頭だけだ。

ファインニードルはセントウルSを制して挑んだ昨年のこのレースが12着。
今年も同じセントウルSを制して駒を進めてきたが、5月以降で4戦していた昨年とは臨戦過程が異なり、今年は4月の香港遠征の後休養してセントウルSに備えた。
それが功を奏したか、重馬場で58kgを背負って貫禄の圧勝をしたが、逆にその反動が気になった。
レース後はやはり反動が出たようだが、今週の追切は問題がなかったので、おそらく実力を出せる状態なのだろう。
この夏のイギリス武者修行で、一皮剥けた感のある鞍上川田も心強い。
ここは人気でも本命で仕方ない。

対抗のナックビーナスも、この1年芝では2.3.3.1と安定した成績を残している。
モレイラは初参戦の中山コースも2日ですでに7勝をあげており、むしろ技術を見せつける舞台となるかもしれない。
やや外目に回ったためハナを切ることはできないかもしれないが、名手モレイラなら番手でレースをしても問題ないだろう。

三番手はワンスインナムーンにする。
重賞未勝利だが昨年のこのレースは3着に逃げ粘った。
そのスプリンターズSを含み、中山1200mは2.0.1.0と相性がいい。
昨年より1kg斤量の重かった朱鷺Sを連覇しており、状態は間違いなく昨年より上だ。
逃げ馬の中では最内に入った事も強調材料だ。

四番手はレッツゴードンキ。
この1年半で、スプリントG1を3戦連続2着で崩れていない。
すでに6歳ではあるが、週中の追切もいい動きを見せた。
晩年にさらに力を発揮するキングカメハメハ産駒なので、今回も上位争いをしてくるだろう。

五番手はアレスバローズだ。
この夏はCBC賞と北九州記念を制して夏のスプリント王のタイトルを獲得した。
夏のスプリント王を獲った馬はスプリンターズSで好走する例は少ないが、アレスバローズは夏は2戦2勝で消耗が少ない。
逃げ馬が馬場に足を取られて直線失速するようであれば、内枠で好位からレースが進められるこの馬が有利になる。

最後は迷ったがキャンベルジュニアにする。
豪州産のため半年遅生まれのため本格化が遅れたが、今年に入って連続で重賞を2着。
初G1挑戦の安田記念は11着に敗れたが、一息入れた前走のキーンランドCは4着。
一叩きされて体調は上昇カーブ、中山芝は2.3.0.1と得意としており上位に食い込んでも不思議はない。

三連覇がかかるレッドファルクスは、デムーロが騎乗停止になったことと、大外枠に回ったことで無印とする。

◎ファインニードル
〇ナックビーナス
▲ワンスインナムーン
△レッツゴードンキ
×アレスバローズ
×キャンベルジュニア

馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]
ここのところギンレイは、ロードショウで観た映画が多く、それ以外はあまり面白い映画が上映されない。
年会員の更新継続も10年目になり14カ月更新になっているとは言え、ややコスパが悪くなってきた。
そろそろ年会員更新をやめようかなとも思ったが、今回はもう一度継続することにした。
そして更新ついでに観に行ったうちの1作品が大当たりだった。

まず、1997年に制作された「メイド・イン・ホンコン/香港製造」のデジタルリマスター版。
中学を中退した中秋=チャウは定職に就かず、知的障害のある弟分のロンとともに、金貸しのウィンから請け負った取り立て屋をしていた。
父は女を作って家を出て、母は生活に苦労する、チャウはそんな状況の中鬱屈とした毎日を過ごしていた。
ある日取り立ての仕事で向かった部屋で、ペンと言うベリーショートの少女と出会う。
彼女は腎臓を患っており、すぐに移植をしなければならなかった。
2回目にチャウが取り立て行くと、ペンは体で支払うとチャウを挑発する。
チャウはその挑発には乗らなかったのだが、ペンはチャウに好意を抱いておりその後もチャウたちと行動を共にするようになった。
それとは別に、自殺した少女サンが遺した遺書をロンが手に入れていた。
いつしかチャウは、眠るごとにサンの夢に取りつかれ、夢精をするようになる。

光のない毎日を無為に過ごす少年、少女を描いた作品だ。
ハッキリ言って内容的には世界中によくある青春ストーリーだが、低予算で制作されたという事で、公開当時は話題になったそうだ。
香港返還20年という事でデジタルリマスター化され公開されたようだが、低予算で制作されたという部分以外にそれほど見所はなく、ズバリ言って退屈であった。
ただ、20年前に観ていたら別の評価になっていたかもしれない。

続いて「タクシー運転手 約束は海を越えて」。
1980年に韓国で起きた光州事件をモチーフにした作品だが、「映画の力」を感じる作品であった。

朴正煕大統領の暗殺後、韓国では民主化のムードが漂っていたが、朴正煕の後継者である全斗煥が引き続き軍事政権を樹立しようとしていた。
市民と軍部の対立は強まるばかりだが、韓国メディアは市民のデモを「北朝鮮の工作員による扇動」とし、事実が報じられることはなかった。
東京に駐在していたドイツ公共放送連盟(ARD)特派員、ユルゲン・ヒンツピーター(トーマス・クレッチマン)は韓国の真実の状態を報道すべく、単身で渡韓するのであった。

ソウルで個人タクシーの運転手をしていたキム・マンソプ(ソン・ガンホ)は、妻を亡くして幼い娘と二人暮らしだった。
借りている部屋の大家は親友のタクシー運転手だが、家賃を溜めている事で彼の妻からは常に嫌味を言われ、娘も大家の息子にバカにされケンカをしているような状態だった。
韓国内にいたキムは報道されていない光州の状態を把握していなかったこともあり、家賃を支払うために光州に向かうピーターをタクシーに乗せることにした。
道路は封鎖され、やっとの思いで光州にたどり着くと、そこではすでに軍と市民の抗争が始まっていた。
キムは当然逃れようとするのだが、その思いとは逆に抗争に巻き込まれてしまう。

韓国を代表する役者ソン・ガンホが実力を見せまくる作品だ。
序盤は貧しい生活の中でたくましく生きるコミカルな演技を見せ、中盤では争いに巻き込まれ戸惑う演技、そして終盤は自分も何かをしなければならないという迫真の演技で、見る者をどんどんストーリーに引き込んでいく。
役者の演技力だけではなく、構成も巧い。
ヒンツピーターがタクシー運転手とともに光州に潜入し、抗争に巻き込まれたと言う部分は事実で、それ以外はほとんどが創作だろう。
だが、キムが貧しくてどうしてもピーターと光州に行かなければならないと言う導入部分から、光州の人々とのトラブルへと続くストーリー展開が巧みで、キムが自分も光州のために戦おうと思う部分に、強い説得力を生んでいる。
軍部による制圧シーンの迫力もすさまじく、こんな事実があったのかと、愕然とさせられる。
実際に起きた内戦をテーマにしている部分でも近いのだが、「ホテル・ルワンダ」と同様の衝撃を受けた。

ソン・ガンホが主演だから外れはないだろうくらいの軽い気持ちで観に行ったのだが、一生に一度は観ておいた方がいいレベルの作品であった。


114.メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタルリマスター版
115.タクシー運転手 約束は海を越えて


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]