2019年 01月 09日 ( 1 )

年の初めに放送された「ナウシカ」を録画して見る。
すでに何十回も書いているが、「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」がTV放送された時は、どんな状況であっても録画して見ることにしている。

もう何度見たかもわからないほど見ているナウシカだが、何度見ても見飽きることはない。
この映画が公開されたのは1984年夏、今から35年近くも前だが、ストーリーも作画もまったく古いと思わせない。
むしろ構図や音楽などは、今もってこの映画を上回る作品はそれほど多いとは言えない。

音楽は言わずと知れた久石譲だ。
宮崎作品の常連もこの作品が初参加らしい。
楽器にはそれほど詳しくないが、舞台となる中央アジアから東欧をイメージする曲調と、それに合わせた楽器が用いられて臨場感を高めている。

そして今回初めて知ったのだが、「金田パース」という独特の作画法でマニアには人気だった金田伊功と言う人が作画を担当している。
たしかに、壮大な腐海の奥行や疾走する王蟲の迫力、そしてメーヴェが乗る風さえも見えてくるような見事な構図が、この作品の魅力でもある。
この金田と言う人は「もののけ姫」までジブリ作品を担当したらしいが、たしかにその後の「千と千尋の神隠し」から、いきなり構図にスピード感と迫力がなくなったようにも思える。

また色遣いも素晴らしい。
王蟲の目を攻撃色の赤と正常時の青に描き分け、青はそのまま腐海の静謐さ、赤はクライマックスの戦闘シーンの象徴となっている。
そしてラストは黄金の草原だ。
宮崎駿が意識したとは思えないが、その色遣いは補色を好んで多用したゴッホのそれにも似ている。
アルルの明るい太陽の赤、静謐な星月夜の青、そしてひまわりや麦畑の黄色、どれもこの作品の色遣いに近しく感じる。

宮崎作品には欠かせない、強いリーダシップを発揮する女性キャラが前面に出ている点も人気の要員だろう。
もちろんナウシカではなくクシャナだ。
宮崎作品の中では「ラピュタ」のドーラ、「もののけ姫」のエボシ御前と並ぶ、三大カリスマ女性キャラである。
抜群の頭脳を使い、従う者を決して裏切らない卓越した決断力、そしてその行動原理の根底にはブレない「彼女なり」の正義がある。
ちなみにクシャナの声を演じているのは、後に「Zガンダム」でハマーン・カーン役を演じる榊原良子だ。

一説によると、今回放送した「金曜ロードSHOW!」枠では、前身の「金曜ロードショー」まで含むと18回目の放送で、最多放送回数となるらしい。
それでも視聴率は10.4%だった。

今年の年末には、原作版を基にした新作歌舞伎も上演されるらしい。
50年を超える人生で歌舞伎は一度も観たことがないが、これは非常に興味深い。
宮崎駿亡き後に原作版が新作アニメ化されるという実しやかな噂が何十年も流れているが、もし本当に制作されたとしても、この映画を制作したスタッフも多くが鬼籍に入り、当時のクォリティを再現することはできないと思うので、むしろ歌舞伎版を観た方が楽しめるんじゃないかと言う気もする。


4.風の谷のナウシカ(再)

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