人気ブログランキング |

2019年 01月 04日 ( 1 )

年が明けての恒例、2018年オレ的映画ベスト20だ。

まず総括だが、2018年はTOHOシネマズの1カ月フリーパスポートを2回使った事もあり、全部で152作品観た。
これは14年の173作品、11年の156作品に次いで過去3番目に多い本数だ。
そしてロードショウの本数だけで言えば119本で過去最高だった。
一方ギンレイホールは16本、ロードショウで観る本数が多くなるとギンレイは少なくなるのは仕方ないものの、やはりちょっと効率が悪くなってきた。
ロードショウで観た作品以外で観たいと思わせる作品が、最近あまりギンレイで上映されない事も要因である。

次にランキングになるが、2018年は完成度の高い作品が多く、いい意味で粒のそろった年だったが、反面爆発的に面白い作品は1本もなかった。
ベスト10は以下の通り。


1.スリー・ビルボード
2.タクシー運転手 約束は海を越えて
3.マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー
4.ボヘミアン・ラプソディ
5.カメラを止めるな!
6.響-HIBIKI-
7.ブリグズビー・ベア
8.孤狼の血
9.ワンダー 君は太陽
10.ちはやふる-結び-


2018年はやはり「スリー・ビルボード」が1位だ。
まず冒頭でいきなり、「彼女はレイプされ、殺された」「そしてまだ犯人は捕まっていない」「どうして?ウェルビー署長」と言う衝撃的なテキストの看板で、観ている者を一気にストーリーに巻き込んでいく。
そしてなぜ母親がそんな行動を起こしたのかが、少しずつ明らかになる。
それと同時に、田舎町に住む登場人物たちの本音が絶妙に織り込まれ、ストーリーは緻密に展開する。
シンプルに脚本と演出、出演者の演技力で面白くしている作品で、ある意味映画の王道である。
テン良し、中良し、終い良しで、非常に完成度の高い作品と言えるだろう。

2位は韓国映画の「タクシー運転手 約束は海を越えて」だ。
日本ではほとんど話題にならなかったが、「映画の力」を感じる作品であった。
モチーフも日本ではあまり知られていない光州事件なのだが、この映画を観て、隣国の韓国でわずか40年前にこんな事件があったのかと驚かされた。
そしてタクシー運転手を演じるソン・ガンホの力量を、改めて見せつけられる作品でもあった。
日本人でも最近はハリウッドに進出している俳優は多い。
しかし申し訳ないが、ソン・ガンホの演技力はその比ではない。
アジア出身のハリウッドスターと言う意味では、ジャッキー・チェン、ソン・ガンホ、ジェット・リーもしくはイ・ビョンホンがベスト3と言っていいだろう。

3位は「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」。
前作は世界中で上演されている、ミュージカルの名作を映画化したものだ。
だがこの映画を観ると、前作はこの映画を作るための前振りだったんじゃないかとさえ思えている。
メリル・ストリープの起用法があまりにもぜいたくだ。
制作者の「マンマ・ミーア!」愛が強く伝わってくる。
非常に丁寧に作られた、観た後は誰でもハッピーな気分になれる作品だ。

4位の「ボヘミアン・ラプソディ」も同様に、QUEENへの愛がビンビンに伝わってきた。

5位は話題になった「カメラを止めるな!」だ。
アイディアの勝利で、その原案者と少々揉めていたものの、作品自体はやはり面白かった。
原案の演劇を観ていないのでなんとも言えないが、映像化にあたっての監督のセンスもヒットの要因だったように思える。
監督の次回作にも期待したい。

6位の「響-HIBIKI-」は、欅坂46の平手友梨奈が主演のためアイドル映画のように扱われている。
しかし内容はきちんと制作されており、少なくとも出版業界に携わる者ならこの映画を必ず見るべきである。
響の文学に対する異様なまでの愛情は、時代を超えて作家たちが抱えてきた感情と近いのではないかと思われる。
そして、若手編集者花井の文学に対するアツい思いも、やはり文芸誌編集者たちの思いと近いのではないかと思う。
響の強い感情が過激な行動へとつながるのだが、原作のテイストをそのまま実写化した監督の力量も評価されるべきだ。

7位の「ブリグズビー・ベア」も、上映期間が短かったこともありあまり話題になっていない。
しかしこの作品も、心をアツくする良作だ。
子どもの頃に誘拐されたという、ちょっとハードな設定でスタートするのだが、ストーリーが進むにつれどんどん優しい気持ちにさせられてしまう。
この作品も、この後さらに評価を上げていくだろう。

8位の「孤狼の血」もあまり話題になっていないが、こちらは内容がハードすぎる事が原因だろう。
冒頭からラストまで、とにかくバイオレンスシーンの連続だ。
この映画を観れば、北野作品も生ぬるいと思えてしまう。
これこそがバイオレンス作品なのだ。
そのヒリヒリとした緊迫感を、役所広司、松坂桃李、江口洋介らが見事に演じている。
その他の出演陣も豪華で、竹野内豊ですら結構な端役になっていた。
2018年度の映画賞レースはどの部門も「万引き家族」が中心になるだろうが、助演男優賞はこの映画の松坂桃李で決まりだと思う。

9位は「ワンダー 君は太陽」だ。
観る前は単純な感動の押し売り作品かと思ったが、一味も二味も違った。
主役のオギーだけではなく、親友のジャック・ウィルや姉のヴィア目線のシーンを作っている点が秀逸だ。
友達の視線を気にして本音が言えない、ティーンならではの心の機微が非常に巧みに描かれている。
ジャック・ウィルと校長先生の手紙のやり取りのシーンでは、本当に涙が落ちそうになった。

10位は「ちはやふる-結び-」。
この映画もアイドル映画にカテゴライズされている。
だがシリーズ3作品とも、内容は非常に素晴らしい。
どの作品も、主役級の3人より脇役が作品を面白くしているのだが、特にこの完結編では、賀来賢人演じる周防名人が強烈に効いている。
賀来賢人は「今日から俺は!!」で一気に存在感を示したが、この作品での演技も評価されてしかるべきである。


11~20位は以下の通り。


11.キングスマン ゴールデン・サークル
12.アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
13.オーシャンズ8
14.勝手にふるえてろ
15.日日是好日
16.SUNNY 強い気持ち・強い愛
17.ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
18.万引き家族
19.映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
20.ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男


すでに書いているが、2018年度の映画賞レースの中心になると思われる「万引き家族」は、私の中ではこの位置。
この作品を観るのならば、個人的には14~16位の3作品を観て欲しい。
「勝手にふるえてろ」は松岡茉優、「日日是好日」は黒木華の演技力を堪能できる。

また19位の「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」は、静かな作品だが新人の石橋静河の力量がよくわかる作品だった。
20位の「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」は、テニスに興味がある人は必見である。

最後にオマケとして、「予告編やCMを観た限りではダメダメと思ったけど、実際の映画は面白かった」作品を4本取り上げたい。

ヴァレリアン 千の惑星の救世主
レディ・プレイヤー1
MEG ザ・モンスター
スカイスクレイパー

「ヴァレリアン」と「レディ・プレイヤー1」はどちらも巨匠の作品だが、観る前は「SFXに頼った大味な作品なんじゃないの?」と高をくくっていた。
しかし実際にはきちんと作り込まれた作品だった。

「MEG ザ・モンスター」と「スカイスクレイパー」は、それぞれ「ジョーズ」と「タワーリング・インフェルノ」の焼き直しC級作品だろ、と思っていたが、こちらも実際には丁寧に作り込まれ、どちらもパニック映画として十分評価できる作品になっていた。
特に「スカイスクレイパー」はあんないい加減なTVCMじゃなければ、もっと話題になったんじゃないかとさえ思った。

たぶん人生の残り時間もそれほど多くないので、今年もできるだけたくさんの映画を観たいと思う。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF