2018年 09月 11日 ( 1 )

評価の高かった「聖の青春」同様、実在の将棋棋士が主人公の作品である。

瀬川昌司(松田龍平)小学生の頃から将棋が得意で、隣に住む同学年の鈴木悠野(野田洋次郎)と毎日将棋を指していた。
そんな二人を見た昌司の父(國村隼)は、二人を街の将棋道場に連れて行く。
そこで大人相手にいい勝負をしていたことで二人は席主(イッセー尾形)に認められ、奨励会に入ることを薦められる。
昌司は奨励会への受験を決めるが、悠野は中学生の大会で優勝できなければ奨励会を受験しないと言った。
そして悠野は準優勝となり、奨励会を受験しなかった。

昌司は奨励会に入ることができ、三段リーグで腕を磨いた。
しかし何度か四段への昇段のチャンスがありながらそれを生かすことができず、年齢制限で奨励会を去ることになった。
夢を失った両親は昌司を気遣い、昌司も夜間大学に入り直し、就職することにする。
だがある日、悠野が将棋のアマ名人になったことを知った。
自分が本当に将棋が好きだったことに気付いた昌司は、再び町の将棋道場に通い始めるのだが、そこにいた藤田(小林薫)の薦めでアマチュアの大会に積極的に出場するようになる。
アマの大会でも優秀な成績を収める昌司を見て、藤田は将棋記者とともに将棋連盟に、昌司にもう一度プロになるチャンスを与えてほしいと掛け合うのだった。

自分自身は将棋の世界とは無縁だが、かつて「週間将棋」を発行していたマイナビ(当時は毎日コミュニケーションズ)に在籍していた事もあり、将棋世界の話は少し知識があった。
その中で、奨励会を退会した後にプロになった人物がいたという事も知っていたので、かなり期待して観に行ったのだが、正直期待したほどの出来ではなかった。

まず、全体的に説明が不足しており、この原作を読んでいない者にはよくわからない展開が多い。
イッセー尾形演じる街の将棋道場の席主がなんで将棋道場を辞めなければならないのか、小林薫の藤田がなぜ突然街の将棋道場に現れ昌司と知り合えたのか、疑問が残る展開になっている。
二人とも昌司の人生に大きく関与する人物だけに、もう少し深く掘り下げる必要があったのではないか。
出演者も、無駄に豪華な感じだ。
奨励会仲間だった永山絢斗や染谷将太は後からも登場するが、新井浩文や妻夫木聡はチョイ役に過ぎない。
藤原竜也はTV版「聖の青春」で聖を演じたことによる出演だと思うが、登場するのはほんの数秒だけ、いくらなんでももう少し他の役があったのではないかと思う。
また、プロ棋士試験の6番勝負も、合格に必要なのは3番と言う説明がない。
私はその事を知らなかったため、合格の基準は4勝かと思いながら見てしまい、3勝の時点プロ合格が決まったときに少し拍子抜けしてしまった。

6番勝負に神吉宏充本人を登場させたのも面白かったし、中井広恵役の人も雰囲気が似てると思った。
ただ逆にそういう部分も、ちょっと将棋マニアに寄せすぎているという気もした。
全体的に、原作を読まずに映画に興味を持って観に来た人には、やや不親切な印象を受けた作品だった。


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