2018年 06月 07日 ( 1 )

予告編を見た段階では、神戸連続児童殺傷事件をモチーフにしているのかと思ったが、原作者が執筆時に事件の影響を受けているものの、作品自体は事件とはまったく異なる内容だった。

元週刊誌の記者である益田(生田斗真)は、上司を殴ったことで仕事をクビになり、部品工場に再就職しようとしていた。
益田が工場に行くと、鈴木(瑛太)と名乗る男も入社することになっており、一緒に紹介された。
鈴木は溶接の免許を持っており、工場での仕事に慣れているようだった。
しかし無愛想で同僚と仲良くしようともしない。
寮の先輩とも打ち解けようとせず、みんなが寝静まるまで寮に戻らず、街をフラフラしていた。

そんな中で、ふとした出来事から鈴木は美代子(夏帆)と出会う。
ストーカー的に美代子を追い回す男(忍成修吾)を護ったことがきっかけだった。
二人は少しずつ距離を近づけていく。
そして寮の中でも浮いた存在だった鈴木だが、ある日泥酔して帰ってきた先輩の介抱をして、少しずつ同僚にも心を開くようになっていった。

そんなある日、益田は不注意から工場の機械で指を落としてしまう。
大騒ぎになるなか、鈴木は冷静に益田の指を氷漬けにして病院に向かわせる。
その病院に向かうタクシーの運転手は、山内(佐藤浩市)と言う男だった。

山内の息子はかつて、小学生の子供を殺めていた。
山内はタクシーの運転手をしながら、今でも遺族にお詫びを続けていた。
そして山内は義父の葬儀の時に、別居していた妻(西田尚美)と10年ぶりに再会する。
そこで息子が結婚を考えていることを知る。
息子のために家族を解散したのに、当の息子が家族を作ろうとしていることに激怒する山内だった。

益田は入院中、かつての彼女で雑誌記者の清美(山本美月)の見舞いを受ける。
清美は、埼玉で起こった子供が被害者の殺人事件の取材に行き詰っていた。
この事件は、10年以上前に起きていた猟奇的な連続殺人事件に似ている部分があり、当時犯人として捕まり、現在は行方がわからない少年Aが犯人ではないかと噂されていた。
事件当時にネットで拡散された中学生時代の犯人の写真を見て、益田は鈴木が少年Aではないかと疑い始める。

鈴木は益田の予想通り、少年Aであった。
鈴木はかつての少年院の教育係白石(富田靖子)にだけ心をゆるし、時折連絡を取っていた。
白石は現在も少年院の教育係を続けていたが、少年Aの教育係をしていたことが原因で離婚をし、娘とも疎遠になっていた。

益田は独自にかつての事件の取材をはじめるのだが、そのことを清美に話すと、清美が鈴木の画像を勝手に自分の雑誌に掲載してしまった。
鈴木は一気に好奇の目さらされてしまい、美代子にも距離を置かれてしまう。
だがそんな時、美代子のストーカーだった男が美代子に再接触、人を雇ってレイプさせ、それをDVDに録画させていた。
さらにかつて美代子が出演していたアダルトDVDを、益田と鈴木の住む寮のポストにも投函した。

映画の内容紹介で、ほぼストーリーの全編を書くことになってしまった。
なぜそうなるのかと言うと、登場人物のエピソードがばらばらに動いているからだ。
登場人物にはそれぞれにバックグランドがあり、それを掘り下げる形になっているのだが、益田と鈴木以外は関連性がまったくない。
山内などは、なんで登場しているのかわからないほどの中途半端さだ。

益田の掘り下げ方もかなり平凡で何の捻りもない。
さらに鈴木に関しては、現在の彼の心の闇は表現されているものの、事件の発生時から現在に行きつくまでの内面がまったく表現されていない。
もしこれが原作に忠実であるのならば、作者は事件の影響を受けて、思いつくままに漫然とストーリーを綴ったのではないかと思えてしまう。

出演者も実力者を揃えているだけに、非常に残念作品になってしまった。


72.友罪

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]