2018年 04月 05日 ( 1 )

ウォーターゲート事件でスクープを連発したワシントン・ポスト紙が、それ以前に4代にわたる大統領が隠ぺいした秘密文書を公開した事件をテーマにしている。

1960年代、ベトナム戦争が硬直していた頃、当時国防次官補であったマクノートンは戦況視察にベトナムを訪れていた。
追加の軍を投入したものの戦況は良化せず、同行したダニエル・エルズバーグもマクノートンにそのように報告していた。
にも関わらず、マクノートンはメディアに戦況は良化していると発表、しかし報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」には悪化している戦況をそのまま記載した。

1971年、夫の死後ワシントン・ポストの社主になったキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、傾いた会社の経営を立て直すべく株式公開を行おうとしていた。
株式公開の準備は順調に進んでいたが、ポスト紙の編集主幹ベン(トム・ハンクス)は、ライバル紙ニューヨーク・タイムズの記者ニール・シーハンが取材に現れないことを不審に思う。
ベンの予想は的中し、シーハンはエルズバーグからペンタゴン・ペーパーズのコピーを入手し、その内容をスクープしたのだ。
水を開けられたベンは、編集部一丸となってペンタゴン・ペーパーズの行方を追う。
だがそれ以前の話として、政府がニューヨーク・タイムズの記事差し止めを行う動きを見せた。
もしポストが記事を掲載し、かつ記事差し止めの措置を受けた場合、株式公開に影響が出ることは間違いない。
ポストの重役は株式公開を考えて記事掲載をやめた方がいいと言うが、ベンは政府に立ち向かってこそ販売部数を伸ばすことができると主張する。
板挟みとなり戸惑うキャサリン。
しかもポストの社主であるグラハム家は、歴代大統領を含む政府関係者とプライベートでも仲が良かった。
ペンタゴン・ペーパーズを記事にすれば、旧知の友人を裏切ることになるかもしれない。

そんな状況でも、現場の陣頭指揮を執るベンは取材を進める。
そしてエルズバーグから7000ページにも及ぶペンタゴン・ペーパーズを入手し、記事の作成を始めてしまった。
活版が用意され、ゴーサインさえ出れば翌日の朝刊にスクープが載る。
キャサリンは社主として選択を迫られていた。

これまでは強い女役が多かったメリル・ストリープが、板挟みで悩む役どころとなっている。
だがそれもうじうじと悩んではおらず、社主として育ちの良さが垣間見えるような悩み方である。
そのあたりはメリル・ストリープの力量だろう。
ガリガリと取材を進めるトム・ハンクスのベンも良かった。
事実を基にしているので脚色ではないと思うが、ちょうど同時期に株式公開が重なったことで、よりドラマティックな展開になっている。

ウォーターゲート事件は日本でもよく報道されているが、このペンタゴン・ペーパーズは日本ではあまり知られていない。
そういう意味でも、なかなか興味深い作品であった。


54.ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書


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