2018年 03月 17日 ( 1 )

予告編を観て、小さくなった人間たちがさまざまな問題を引き起こすコメディ映画と思ったが、実際にはかなりシリアスで重い内容の映画だった。

現在から遡ること15年前、ノルウェーの科学者が生物を縮小させる実験に成功した。
そしてその5年後、全世界に向け人体実験の成功を発表した。
そもそもこの研究は、地球の環境に配慮したうえで進められた研究で、人類の縮小化によって資源の消費量が減り、それに伴いゴミの排出量も減るのだった。

科学者の発表により世界は一時混乱を来たしたが、人類の縮小化はビジネスとして粛々として進められた。
一番のメリットは、縮小化することで土地、家屋をはじめとした様々な物品の必要量が減ることだった。
それにより個人の資産は縮小前の約10倍になり、縮小後は働かずに暮らす人々も多く、世界中に縮小化された人々のコロニーができていった。
一方で、縮小化は生物の細胞に向けて行われるため、義肢などを装着している場合は縮小化が難しい場合もあった。
またメンタル的に、縮小化に反対する者も少なくなかった。
人類は一気に縮小化へと移行せず、希望者から順番に縮小化を行っていた。
そして縮小化した人々のための社会インフラも用意され、通常の人々と縮小化した人々は、うまく共存できていた。

ポール・サフラネック(マット・デイモン)は医師を目指していたが夢破れ、現在は所属する会社の社員の健康を管理する作業療法士になっていた。
妻との生活に不満はなかったが、彼の収入では妻の希望する家は買えなかった。
そんな時、旧友が縮小化したことを知る。
縮小化に興味を持ったポールは、妻とともに縮小化された人たちが暮らすコロニー「レジャーランド」に見学に行く。
妻との楽な暮らしを夢見て、ポールは縮小化を決意する。
だがポールが縮小化の施術を受けている間に、妻は縮小化を恐れて翻意、二人は離婚する羽目になってしまった。

常に自分の希望通りにならなかったポールは、希望を持って縮小化に挑むのだが逆に最悪の結果になってしまう。
失意のポールはレジャーランドで、実業家のドゥシャンや人権活動家のベトナム人ノク・ラン・トランと知り合うのだが、お人よしのポールはこの二人によって騒動に巻き込まれてしまう。
だがこの騒動で、ポールは自分自身が何を求めているかを初めて知る。

環境問題に提言しながらも、行き過ぎた考え方には「カルト的だ」と批判をするなど、なかなか面白い視点で描かれた作品だ。
人類の縮小化には、最初に縮小サイズの日用必需品をどうやって作ったのかなどの疑問は残る。
しかし、縮小化した医者たちを「やぶ医者だから仕事がなくなって縮小したのよ」などと表現し、なんとなくではあるが、そのあたりの整合性も取っている。
私は勘違いをして観に行ったので、やや肩透かしを食らったが、最初からシリアスな映画だと思って観に行けば、悪くない映画だと思う。


39.ダウンサイズ


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