2018年 03月 15日 ( 1 )

「あの花」の岡田麿里監督と言う事で観に行った。
岡田作品で言えば、「心が叫びたがってるんだ。」よりは良かったと思うが、「あの花」に比べるとちょっと見劣りするかな、と言う感じだった。

数百年を生きる長寿族イオルフのマキアは、家族がおらず一人ぼっちだった。
そのことを寂しがっているマキアに長老のラシーヌは、イオルフ族は長命で常に見送る立場であり、一人であることをさびしがってはいけないと言う。

ある日、イオルフの村にメザーテ国軍が侵攻してくる。
王家に長寿の血を入れるため、王子の妃となる娘をさらいに来たのだ。
メザーテ国は希少種となった、ドラゴンのようなレナトと言う空飛ぶ生物を使用していたが、そのレナトのうちの1頭が暴れだし、その巻き添えをくったマキアは村から遠く離れた森の中に飛ばされてしまった。
そしてマキアの親友であるレイリアが、メザーテの妃として連れ去られてしまった。

マキアは森の中で、盗賊に襲われた村を発見する。
そこで生き残った赤ん坊を拾い、森をさまよったあとミドの農場にたどり着いた。
女手で二人の息子を育ているミドは、マキアと赤ん坊を快く迎えてくれた。

赤ん坊はエリアルと名付けられ、すくすくと育っていった。
マキア、エリアル、ミド、ミドの息子たちは平和に暮らしていたのだが、ある日マキアはレイリアとメザーテの王子の結婚式が行われることを知る。
レイリアを助け出すために、マキアは幼いエリアルを連れてメザーテへと旅立った。
メザーテにはレイリアの恋人であったクリムが潜伏していた。
マキアはクリムとともにレイリアを救い出すのだが、すでにレイリアは王子の子を身ごもっていた。
クリムと別れたマキアは、エリアルとともにさまざまな土地を流れ歩くこととなった。

ここまででストーリーのおよそ半分である。
そしてここまでのストーリーでは、マキア、レイリア、クリムの3人のストーリーのように思える。
しかし実際には、マキアとエリアルの親子愛の物語であった。

見た目は20歳前後のままかわらず、何百年も生きるのでと言う長寿族のイオルフの設定は面白い。
イオルフが通常の人間界で生活しないのは、レイリアのように長寿の血が狙われるか、あるいはイオルフが織るヒビオルという特殊な織物が狙われるためなのだろうか。
そのあたりはもう少しきちんと表現すべきであったと思う。
いずれにしろ、見た目が変わらないイオルフと言う特徴からマキアとエリアルの親子の物語を作るという狙いは、かなり良いと思った。

ただ、この作品の最大の欠点は、ストーリー全体の構成である。
2時間ほどの上映時間でおそらく20年近くの時間を表現しているのだが、時間軸の流れ通りにストーリーが展開していく。
まるで大河ドラマのようである。
少々ネタバレになるが、ラストシーンでマキアがエリアルを訪ねるシーンがある。
このシーンをラストではなく丸々冒頭に持ってくるだけで、その後のストーリーへの伏線となり大きなメリハリになったはずだ。

また、レイリアとクリムのエピソードは、もっと思い切って省いても良かったと思う。
レイリアが娘と会えないとか、王子に飽きられているとか、その理由がよくわからないため、彼女が孤立していると言う部分が意味をなさなくなってしまっている。
もっと細かい話で言えば、マキアが仕事を断られるシーンも、無駄にセリフが多くて長い。
「訳アリの子連れの流れ者なんて、うちではお断りだよ」の一言で十分だ。

思い入れを強く持って作ったために冗長になってしまう映画はよくあるが、この作品はその典型と言えるかもしれない。
大筋は悪くないと思うが、思い切ってバッサリカットした方が、より良い作品になったと思う。


37.さよならの朝に約束の花をかざろう



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