2018年 03月 14日 ( 1 )

予告編を観て「ちょっと大味そうな歴史映画だな」と思ったが、歴史映画ではなくホラーに近いファンタジー映画であった。

空海(染谷将太)は遣唐使として唐の都にいた。
その時の皇帝が謎の病死をするのだが、宮廷は皇帝の死因を風邪である公表していた。
また同じ頃、都の役人の家に黒い猫が現れる。
黒猫は役人の妻に地中に財宝が埋まっていると話し、喜んだ妻は黒猫を家に入れてしまう。
だがこの黒猫が、宮中の災いを呼び起こしている元凶であった。
空海は都で親友となった白楽天とともに事件の真相を調べるが、かつて皇帝の寵愛を受けていた楊貴妃が関係しているのではないかと考える。

一言で言って、SFXに頼りすぎの映画である。
ベースが黒猫の怨念ではあるが、それ以外にもきちんとした歴史的な要素も多い。
しかし脚本でそれらをフィーチャリングすることなく、とにかくSFXの勢いだけで押しまくろうとしている。
実際、SFXはかなり作りこまれていて美しい。
それがこの作品をホラーではなくファンタジー映画にしていると言ってもいいだろう。
ただその結果、それ以外の演出や肝心のストーリー構成がかなり大味になってしまっていた。
監督が役者に対しての演技指導をあまりしてないと思われ、日本人の役者もかなりの演技派を起用しているのに、ほとんどその効果を見ることができない。
これだけSFXを駆使しているのだから、おそらく多くのシーンで役者はブルーバックの前で演技をしていると思われる。
であるならば、監督からきちんと指示がなされなければ、演技に深みがなくなるのは仕方ないことである。

そもそもこの作り方であれば、設定が空海と安倍仲麻呂である必要性があまり感じられない。
夢枕獏の原作ではおそらく空海と安倍仲麻呂視線でストーリーが描かれていると思うが、映画は空海ではなく黒猫の方が主演のように見える(映画の中国タイトルは「妖猫伝」)。

日中合作と言う企画が持ち上がり、話がどんどん広がって収拾が付かなくなってしまったんだろうなと、想像させる作品であった。


36.空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
[PR]