2018年 02月 05日 ( 1 )

「TSUTAYA CREATERS'PROGRAM FILM 2015」のグランプリ作品だそうだが、正直想像していたレベルの作品ではなかった。

食品会社で新商品プロデュースを手掛ける川原由加利(長澤まさみ)は、ウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれる程の才能を持っている。
しかし女子力は低く、そんな彼女は東日本大震災の時に偶然知り合った研究医の小出桔平(高橋一生)と同棲していた。
近々結婚する約束もしているのだが、由加利の母との会食に桔平は現れない。
不審に思っていたところに警官が現れ、桔平が脳出血で公園で倒れていたところを発見され、病院に搬送されたと言う。
そして同時に警官は、桔平が所持していた免許証が偽造されたもので、小出桔平と言う人物はどこの記録にも存在していないとも告げた。

由加利は桔平が勤務先と言っていた研究所を訪れるのだが、そこでも小出桔平と言う人物はいないと言われてしまう。
途方にくれた由加利は、親友の伯父である探偵の海原(吉田鋼太郎)に、桔平が何者であるかの調査を依頼した。

そんなある日、由加利は自分の部屋の郵便受けを勝手に開けている女に出会う。
海原と一緒にその女を捕まえると、その女は心葉(川栄李奈)と名乗り、桔平に憧れていたのだという。
そして桔平が、ノートPCで何かを書いていた事を教えてくれた。
由加利と海原はコインロッカーの中にあったノートPCを発見、PCの中にあったのは原稿用紙700枚にも及ぶ長編小説だった。
小説は瀬戸内を舞台としていたが、海原の部下の木村(DAIGO)は、この瀬戸内にヒントがあるのではないかと推測する。
由加利は一人で瀬戸内へと旅立った。

主題は、由加利が愛する桔平の過去を探る、である。
この部分にブレはないのだが、詳細が詰め切れておらず、かなり雑な印象を受けた。
まず、桔平が瀬戸内に居た時期がいつなのか、よくわからないのに由加利は瀬戸内に旅立つ。
子どもの頃、灯台の基礎部分にある穴に宝物を隠した、と言う小説内の記述を手掛かりにするのだが、その一方で現在の桔平の写真で聞き込みを行っている。
結果、写真によく似た人物の情報を得るのだが、大人の時の目撃情報と子ども頃の灯台の手掛かりがリンクしない。
結果的に、この二つの情報がリンクをしていなくとも整合性は取れるのだが、そうなると逆に、灯台の基礎部分の穴は手掛かりとしての意味がなくなってしまうので、冒頭の布石を含め、このエピソードを組み込む必要があったのかと思えてしまう。

また、桔平がなぜ免許証を偽造していたのかもよくわからない。
携帯も所持していないのだから、かなり高度な偽造の免許証を所持する理由がわからない。
心葉についても、非常に中途半端である。
ノートPCを見つける手掛かりにはなるが、その前にコインロッカーのカギが部屋の中に転がっており、心葉が証言をしなくともいずれは見つけられたと思う。
そもそも、心葉が何が目的でマンションの郵便受けを開けていたのかの説明もない。
単純に桔平の事が心配なのであれば、ほぼ犯罪である行為などせずマンションの前でずっと待ち続けると言うのが普通ではないだろうか。
海原のバックグラウンドについても、結果も含めて非常に中途半端な感じがした。

もっと細かい部分で言えば、無理心中と言う言葉が出てくるのだが、この映画の中に出てくるのは無理心中ではない。
無理心中とは最初から自分が死ぬことを前提に、他の誰かを道ずれに殺害することである。
自分に死ぬ意志がない場合は無理心中ではなくただの殺人である。

意識不明になった男の過去を追う、と言う設定はかなり面白いのだが、そこからの話の広げ方に失敗してしまった、と言う印象だ。
役者の演技も非常によく、途中まではなかなか面白く観ていたのだが、真実が明らかにされてしまうと、逆にそれまでのストーリーにかなり粗が多いことが目立つ事になってしまった。
ちょっと残念な作品である。


19.嘘を愛する女



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