2018年 01月 16日 ( 1 )

フリーの古美術商「獺(かわうそ)」を運営する則夫(中井貴一)は、お宝の眠っていそうな蔵のある屋敷を見つける。
ちょうど遊びに来ていた娘のいまり(森川葵)を連れその家を訪れると、絹田と名乗る家主(佐々木蔵之介)がいた。
絹田によると、父親が骨董品の道楽の趣味があり、いろいろな焼き物を購入したらしい。
少なくともそのうちの一つは高額な器だと聞かされていたようだが、則夫の目利きでは数万円の品だった。
絹田の父は樋渡屋と言う有名な骨董屋からこの品を購入したらしい。
則夫は絹田からこの焼き物を購入、樋渡屋に買い取らせてみようと企てた。
しかし樋渡屋が付けた値段は5000円、則夫は樋渡屋はこの焼き物を55万円で打ったはずだ、素人相手に詐欺まがいの行為ではないかと追及する。
すると店主の樋渡(芦屋小雁)は、この焼き物は2万5000円で販売したという。
さらにそこに、樋渡屋と結びつきの強い大物鑑定士、棚橋清一郎(近藤正臣)が来店し、器は大したことないが箱がいいから2万5000円だと付け足した。

仕方なく引き下がった則夫は、再び絹田の家を訪れる。
すると絹田が、怪しい書状を出してきた。
そこには、千利休が切腹をする当日に茶碗を送ったことが明記されていた。
絹田に気付かれぬように蔵を探る則夫。
首尾よく利休が送った茶碗を発見し、ほかの茶碗ともども100万円で引き取るのだが、帰りの車の中で偽物であることに気付く。
慌てて絹田の家に戻るが、そこにいた家主の絹田は別人(寺田農)だった。

絹田と名乗っていた男の本名は野田佐輔、落ちぶれた陶芸家だった。
かつて新人賞を受賞したのだが、樋渡と棚橋に騙されて贋作を作らされてから、まともな作品を作っていなかった。
そして書の達人の西田(木下ほうか)と紙屋のよっちゃん(坂田利夫)に偽の書状を、材木屋(宇野祥平)に箱を作らせて詐欺を行っていたのだ。
則夫はまんまとはめられたのだった。

則夫は騙されたのだが、一方で佐輔の腕に注目していた。
実は則夫もかつて、樋渡と棚橋に騙されて贋作をつかまされ、それを一般人に販売して騒ぎとなり店を潰していたのだ。
そしてその贋作を作ったのが、誰あろう佐輔だったのだ。
二人は樋渡と棚橋を一泡吹かせるために、贋作を作って売りつけようと考えた。

コンパクトにまとめられた、なかなかの秀作である。
最初は騙しあいをした則夫と佐輔が手を組んで樋渡と棚橋に騙すと言うストーリーが、テンポよく展開される。
自分たちがなんとなく似たような状況であることにお互い共感し、手を結ぶと言う流れが面白い。
二人が共感する理由の一つに、佐輔の息子の誠治(前野朋哉)と則夫の娘のいまりが付き合いだすというエピソードがあるのだが、この二人の描き方もいい演出となっている。

監督の武正晴は、「イン・ザ・ヒーロー」「百円の恋」などを撮っているが、個人的にはそれほど面白いとは思わなかった。
しかし今回の作品は素直に面白いと思えた。

派手さはないものの、手堅く仕上げた佳作と言えるだろう。


9.嘘八百

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