2014年 08月 20日 ( 1 )

この映画は面白かった!
笑いと泣かせをきちんと押さえた、誰にでもオススメできる作品である。

戦後、女手一つで苦労して息子を大学教授にまで育てたマルスンは、かなり口うるさい婆さんである。
生まれはいいところのお嬢さんだったようだが、親の言う事を聞かずに駆け落ちし、連れ添った旦那は出稼ぎの炭鉱で事故死してしまう。
かなり苦労はしたものの、今では息子家族と一緒に暮らして昼間は年寄りが集まるカフェで働いていた。
そのカフェでは、かつてマルスンの家に奉公していた下男が一緒に働いており、今でも「お嬢様」と慕ってくれている。
そんなある日、マルスンがあまりに口うるさいがために心労がたたって心臓が弱くなっていた嫁が、ついに倒れて入院してしまった。
女と男の孫が一人ずついるが、姉である女の孫は、母が倒れたのはお婆ちゃんのせいだと罵る。
男の孫のジハは比較的やさしいが、家族全員から責められているようで、いたたまれなくなり居場所がなくなるマルスン。
ジハと約束して食事に向かう途中、マルスンは何気なく見つけた写真館で写真を撮ってもらうと、なぜか20歳の頃の姿になっていた。

仕方なく20歳の娘として過ごす事にしたマルスンだが、ひょんなことからジハが所属するバンドにボーカルとして参加する事になる。
元々歌には自信があったマルスンだが、その歌声に誰もが魅了され、あれよあれよと言う間にデビューの話が決まってしまった。
さらに、見た目は20歳だが中身は70歳のままのはずだったマルスンが、音楽プロデューサーに恋してしまう。
どうしたらいいのかわからず戸惑うマルスン。
そしてそんなマルスンに、70歳の老婆に戻ってしまう危機が訪れる。

笑って泣かせるという構成、そして舞台が音楽デビューという部分でも、「カンナさん大成功です!」にかなり近い映画である。
だが、「カンナさん大成功です!」も十分面白い映画であったが、この映画はさらにその数段上を行く出来栄えだ。

70歳の老婆が20歳に若返るという設定は、何をどうしようと無理があるのだが、それ以外の設定にまったく無理がない。
脚本もよく練り込まれ、見過ごしてしまいそうな小道具が伏線として後から効いてきたりする。
構成も素晴らしく、冒頭は、マルスンが戦後の混乱期に女手一つで子供を育てるため、かなり無茶苦茶な生き方をしてきたように表現し、それで笑いを取る。
しかし途中で、マルスンがどれだけ苦労したかを映像として映し、ホロっと泣かせたりする。
さらにその映像が、ラストシーンに強烈に効いてくるのだ。
とにかく、テンポ良く展開するのに無駄なシーンが一つもなく、脚本、演出の巧さが際立つ作品だ。
上映中劇場は何度も笑いが起きていたのに、クライマックスシーンでは周りの女性客のほとんどすすり泣いていた。

日本ではあまり話題にならなくて、すでにほとんどの映画館で上映終了となっているようだが、機会があったらぜひ観てもらいたいオススメの1本である。
現在のところ、「オレ的映画ランキング2014」のベスト3に入る作品だ。


100.怪しい彼女


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