2012年 05月 11日 ( 1 )

この作品は良かったねぇ~。
個人的にはアカデミー賞受賞作は、いいか悪いかの両極端なんだけどこの作品は好きだ。

ストーリーは今さら説明する必要はないだろう。
無声映画時代のスターであるジョージは、トーキーへの移行に乗り遅れ落ちぶれて行く。
逆に彼に見込まれてデビューした新人女優ペピー・ミラーは、トーキーの普及とともに、あれよあれよと言う間にスターへの道を駆け昇っていく。
基本的にはこの二人の物語で、映画もハッピーエンドで終わる。
という具合に、ストーリーは3行ぐらいで説明ができてしまう。
内容もほぼ想像通りで、ビックリするような展開もほぼない。

でも「なるほど」とうならされてしまった。

上映時間は101分と短いが、何しろ無声映画に慣れていないので、20分もすると観ていてちょっと飽きてくる。
そしてその飽きてくる時間帯に、ジョージの悪夢という設定でちょっとした変化を入れてくる。
前半は犬の演技で無声映画を飽きさせず、少々ダレてきたところで「うーむ」とうならせる演出だ。
無声映画なのに全体的に極力字幕を少なくしているのも、この変化を際立たせる演出なのかもしれない。

そして、ストーリーのプロットもよく詰められている。
ジョージが落ちぶれるのは、単純に無声映画にこだわったからだけではない。
元々役者で稼いでいたのだから、無声映画の出演が減ってもいきなり貧乏になったりはしない。
彼が映画会社の上層部とぶつかり、自分で出資して無声映画を制作し、ちょうどその時期に株の暴落が起こって無一文になるのだ。

無声映画と犬の演技と言う部分でかなり話題となったが、細かい部分も丁寧に作られており、この映画の制作者がどれだけ映画を愛しているかがスクリーンから伝わってくるようだった。
映画が好きな人なら、死ぬまでに一度観ておくべき作品である。


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