タイフーン
韓流ドラマ、特に恋愛物は好きではなく、観る事はほとんどない。
昨年試写会が当った「連理の枝」を観たが、あまり面白いとは思えなかった。
しかし、それ以外は結構好き。
ちょっと前に「シュリ」「JSA」「カル」あたりを観たが、どれもかなり好きな作品だ。
「タイフーン」もジャンル的には好きな方に入るのだが、ちょっと気になるのは主人公がチャン・ドンゴンというところ。
昨年の公開当時も面白そうだなとは思いながら、ここのところが引っ掛かって、劇場には行かなかった。
で、感想はと言うと、劇場で観ておけばよかった・・・。
基本は南北の緊張がテーマなのだが、一番の見どころは、脱北に失敗したシン(チャン・ドンゴン)とチェ・ミンジュが放浪するシーンと、20年ぶりに再会するシーン。
この脱北の失敗と放浪が非常に過酷で、観ている者の涙を誘う。
例えるなら「砂の器」の本浦親子か、あるいは金田一耕介シリーズの犯人のようだ。
そしてこの部分がきっちり描けているから、なぜシンが韓国に復習をしたいのかが、明確に浮き上がっている。
「シュリ」あたりもそうだったが、クライマックスに向けて若干強引な設定もある(なぜシンが「兵器」を入手したときにちょうど、超巨大台風が朝鮮半島を襲うのか、など)。
しかしテンポ良く観せてくれるので、それもまったく気にならない。
韓流スターとして騒がれているのであまり好きではなったが、この映画ではチャン・ドンゴンに泣かされた。
87.タイフーン