シネスイッチ銀座で鑑賞したのだが、劇場到着が上映時間ギリギリになってしまったものの、予告編の時間分猶予があるかと考えていたら本編から上映開始だったため、最初の5分くらいを見逃してしまった・・・。
ヨーゼフ・メンゲレは名前を変えてアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルと、南米を逃げ回っていた。
彼は第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ収容所で医師と従事し、数々の人体実験を行っていた。
その事でイスラエルから訴追され、モサドに追われていたのだ。
当初、支援団体によってアルゼンチンに逃れていたヨーゼフは、父から呼び出されて当時の西ドイツに戻る。
メンゲレ家は農業機械工場を経営しており裕福で、ヨーゼフの弟のカールが会社を継ぐ予定だった。
しかしカールが急逝、父はヨーゼフに弟の妻のマルタと再婚し、会社を継げと言った。
ヨーゼフは離婚した前妻との間にロルフと言う息子がいたが、ロルフもマルタになついていた。
ヨーゼフはマルタと再婚、しかし会社はもう一人の弟に託し、アルゼンチンに戻って実家の支援を受けることになった。
しかしアルゼンチンでの生活も長くは続かない。
マルタは子どもたちを連れてヨーロッパに戻り、ヨーゼフは南米を転々とすることになる。
映画は、晩年のヨーゼフがロルフをブラジルに呼び寄せ、過去を回顧する形で展開する。
マルタと離れた後のヨーゼフは、モサドの追跡におびえて常に警戒を怠らず、実家からの援助も乏しくなり、寂しい人生を送っていた。
ヨーゼフ自身は、アウシュヴィッツの人体実験は依頼されて行ったものであり、自分が望んで行ったわけではない、さらに他の医師たちは自分よりも残酷な人体実験をしており、彼らは現在もドイツで要職に就いている、と主張する。
それは事実なのかもしれない。
自分だけが訴追される状況に、ヨーゼフは少しずつ孤立を深めていく。
ヨーゼフに呼ばれたロルフは、そんな父にできるだけ寄り添おうともするが、父は自分の不満を主張するだけで心を開こうとしなかった。
作品としては、追い詰められるヨーゼフの描き方が巧いと思った。
おそらく本当に、快楽のためにパラサイト的に人体実験を行ったのでなく、純粋に研究として人体実験を行ったのだろうと想像する。
そしてその研究も、本当に与えられたミッションではないだろうか。
ヨーゼフとしては、自分はミッションを遂行しただけなので、アイヒマンなどと同様に訴追されるのは不当だと考えるだろう。
しかし中盤、ヨーゼフが実際に行ったと思われる実験風景が、当時を回顧する形で描かれる。
この実験風景は、人を解体して内臓を煮るなど、与えらえたミッションだったとしても到底許されるレベルではない。
だが当時のヨーゼフは、書類に次々と判を押すかのように、何の躊躇もなく実験を繰り返していた。
このギャップにより、そもそもヨーゼフには罪と言う意識が欠落していたのだろうという事が想像できる。
罪の意識がないヨーゼフは狂人と言ってもいいと思うが、本人はそれを受け入れることはできないのだ。
ヨーゼフが残した日記があるようで、おそらく原作もその日記を参照して書かれたのだと思う。
最後は若い家政婦と再々婚しているので、最晩年は不幸ではなかったのかもしれないが、モサドの影におびえ続ける彼の姿は、哀れとしか思えなかった。
52.死の天使ヨーゼフ・メンゲレ
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