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「しあわせな選択」

「JSA」「お嬢さん」のパク・チャヌク監督作品だ。
韓国の格差社会をテーマにしたシリアスな作品かと思ったが、ブラック・コメディとシリアスの中間くらいの作品であった。

植物が大好きで25年間製紙会社に勤務しているマンス(イ・ビョンホン)は、会社がアメリカ系企業に買収されたことでリストラの憂き目にあう。
それまでは大きな一軒家に住み、妻のミリはダンスとテニスに通い、息子のシウォンも不自由なく暮らし、娘のリウォンにはチェロを習わせ大きな犬を2匹飼っていた。
マンスは3か月以内の再就職を目指すが、製紙業にこだわり続けるためうまく行かず、就活の合間にスーパーのバイトなどをして13か月が過ぎてしまった。
家族を愛していたミリは、マンスを気づかってあえて同様の生活を続けていたが、退職金が底をついたため習い事をやめて働きに出ることにした。
同時に、娘のチェロ以外は無駄な出費を制限し、家具や家も売り、犬は自分の実家に預けると言った。
住んでいる家にもこだわりがあったマンスは家を売ることに反対をするが、自分の幼馴染が購入を検討しに家を見に来る。
さらにチェロの先生から、リウォンの腕前は世界を目指せるから大学教授の指導を受けるべきだ、ただし授業料はけた違いになるけど、と言う話が来る。
リウォンはサバン症候群のような症状でコミュケーションを取るのが難しく、マンスもミリもチェロの道に進ませたいと強く思っていた。

焦ったマンスは日本に販路を持つ大手製紙会社の人事に直談判に行く。
しかしけんもほろろに断られ、マンスがリストラにあう前の役職と同等の班長であるソンチュルから馬鹿にした扱いを受ける。
マンスはソンチュルに殺意を抱き、ソンチュルを殺せば自分が班長になれるのではと考えるが、自分と同じように大手製紙会社の班長の職を狙っている者が他にもいるはずだと気づき、まずそのライバルを蹴落とそうと考えた。
マンスは業界紙にニセの会社の班長の求人広告を出して、送られてきた履歴書から自分のライバルとなり得そうな二人を選別。
まずはこの二人を殺そうと考えた。

ここまでが前半で、追い詰められていくマンスの様子を中心にストーリーが展開する。
「パラサイト」にも似た、いかにも韓国の格差社会を描いた作品のように見えた。
だが、最初のターゲットのボムモを狙うところから、コメディ要素が強くなる。
ボムモもマンス同様長らく職にあぶれていて、役者を目指す妻アラとの折り合いがあまりよくないのだが、このボムモとアラの二人のエピソードは、コントに近い展開になっている。
だが次のターゲットであるシジョを狙うエピソードは、再びかなりシリアスな展開に戻る。
中盤以降はメリハリと言うレベルではなくギャップが大きいため、観ていてちょっと戸惑った。

ただ、全編を通して妻のミリがマンス、そして家族を献身的に支えようとしており、このミリによって、全体の調和がとれている形になっていた。

パク・チャヌクは「お嬢さん」の印象が強烈だったため、もっと過激な作品かと思ったが、常識の範囲内に収まる作品であった。


43.しあわせな選択


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by ksato1 | 2026-03-12 00:45 | 映画 | Comments(0)