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「マーズ・エクスプレス」

フランス発のサイバーパンク映画だ。
監督はフランス人だが、大友克洋、押井守、今敏などの日本のクリエイターにインスパイアされこの作品を作ったとの事で、たしかに日本の近未来アニメ作品に近いテイストを感じた。

23世紀の火星、学生のドミニクが部屋の中で男に殺される。
男は部屋を見渡し去っていくが、部屋にはもう一人、ルームメイトのジュンがバスタブに隠れていた。

私立探偵のアラインは相棒のカルロスと、地球でハッカーのロベルタを追っていた。
苦戦の末ロベルタを確保し火星に護送するが、火星ではすでにロベルタの逮捕状の履歴が消去されていた。
その事を、アラインはロボティクス企業のCEOで雇い主のロイジャッカーに報告する。

アラインはその後新たな依頼主から、連絡が取れなくなっている娘を捜してほしい、と言う依頼を受ける。
男の娘のジュンは、学校のロボットをハッキングした疑いを掛けられ、ルームメイトのドミニクとともに姿を消していた。
アラインはカルロスとともに、ジュンが所属するアラン・チューリング大学を訪れる。
監視カメラの録画映像をチェックすると、ジュンがロボットに手を入れた後、ロボットが暴走するシーンが映っていた。
その後二人はジュンの部屋を調べる。
すると屋根裏からドミニクの遺体が発見された。

翌日、アラインは警察から連絡を受け、かつて火星の初期入植者が使用していた廃墟の施設を訪れる。
そこには大学から暴走して逃げ出したロボットが隠れていたが、すでに強化人間の部隊に破壊された後だった。
残された痕跡から、ロボットが宇宙船を作ろうとしていたことがわかった。

アラインとカルロスは、アンドロイドが人間を接客する風俗店に、ジュンがいると言う情報をキャッチする。
二人が風俗店に向かうと、ジュンは自分にそっくりのアンドロイドに接客をさせていた。
アラインとカルロスが話を聞いている最中に、強化人間の部隊が現れジュンが襲われる。
アラインはジュンを連れて逃げ出したが、店の外でジュンは撃ち殺されてしまった。
後日、アラインとカルロスはジュンの葬儀に参列するが、そこに現れた父親は、アラインにジュンの捜索を依頼した男とは別人だった。

近未来の、人間とロボットの関係をテーマにした作品だ。
カルロスは数年前に事故で死亡しているが、記憶を移植してアンドロイドとして活動している。
その他にも、欠損した肉体を機械で補完している人間もいる。
設定にはアシモフの「ロボット工学三原則」が採用されており、カルロスは元人間ではあるが現在はアンドロイドのため、人間に危害を加えることはできない。
しかし人間を捕まえた後は自分でシャットダウンをし、人間の命令を聞くことができなくなるなど、矛盾になりそうな部分も細かく処理されている。
カルロスの顔は通常は生前の顔をホログラムで投影しているが、さまざまなシーンでツールに変更するなど、ここそこで監督のセンスを感じた。
ロボットが人間の支配から離れて行動することを「脱獄」と表現している点も、巧いと思った。

ストーリーの起承転結も悪くないと思うのだが、ラストはちょっとわかりづらかった。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、ロボットが最終的に何を目的としているのか、わかるようでよくわからない。
元人間のカルロスは最愛の娘もいるのに、その選択でいいのかな、と言う気もした。

ただ、監督は長編作品初監督との事なので、次回作にも期待はできると思う。


29.マーズ・エクスプレス


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by ksato1 | 2026-02-15 00:05 | 映画 | Comments(0)