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「終点のあの子」

2025年に「BUTTER」が海外で高く評価された、柚木麻子のデビュー作が原作だ。
原作は4話構成で、この映画はその第1話で構成されているらしい。

希代子(當真あみ)は下北沢にある私立女子高に、中学からの内部進学で入学した。
入学式の日、仲良し3人で学校に向かっていると、青いドレスを着た同世代の女の子に話しかけられる。
彼女は高校から外部進学してきたクラスメートの朱里(中島セナ)だった。
朱里は父が著名なカメラマンのため海外暮らしも長く、周囲に同調せずはっきりと主張をする性格だった。
そんな朱里に希代子は惹かれ、中学までの仲良しグループから、朱里と過ごす時間が多くなった。

朱里はよく学校をさぼって、学校に向かう電車の逆方向の終点、江ノ島に行くと言った。
ある朝、朱里は希代子を誘い、学校をさぼって江ノ島に向かう逆方向の電車に乗る。
しかし希代子はすぐに電車を降り、学校に登校する。
夜、朱里が怒っていないか心配になった希代子がLINEをすると、すぐに朱里から「お金がなくて改札を出られなかった」と返信がきた。

希代子は夏休み、朱里の家に遊びに行く。
するとそこで、朱里の日記を見かける。
朱里は美大を目指すほど絵が巧く、入学直後も日記に教師の似顔絵を描いており、クラスでも話題になっていた。
希代子は日記を読んでもいいかと声を掛けるが、朱里は周辺にはいなくて返事はなかった。
それでも希代子は日記を開けるのだが、そこには希代子の似顔絵と共に、江ノ島に行かなかった希代子の事を意気地なしで、今の場所から飛び立つ事ができないと書かれていた。
ショックを受け、その日記を持ち帰ってしまう希代子。
自宅で日記を読み返すと、他のクラスメートについても辛らつに書かれており、希代子は朱里を信頼できなくなってしまう。

新学期になり、朱里は今まで通りに希代子に接しようとするが、希代子は朱里と距離を置こうとする。
学園祭も、かつて朱里が希代子に話をしたマリーアントワネットを模したカフェを行う事になったが、希代子は朱里に、ほとんど顔を出していないからもう参加することはできないよ、と突き放した。
学園祭当日、朱里は強引に希代子と踊ろうとするが、途中で希代子は拒否をしてその場から逃げ出してしまう。そして学園祭翌日、希代子は朱里の日記をナイフで引き裂き、カフェだった会場に置いた。
日記の内容は、クラスメート全員が知ることとなる。

揺れ動くティーンの心情を、繊細に描いた作品だ。
憧れていた朱里が、実は希代子を辛らつに批判していたことを知り、希代子は強いショックを受ける。
そしてこれまで憧れていた分その反動で、朱里を拒否する気持ちも大きくなる。
希代子がナイフで日記を裂くシーンは、希代子の激しい青き心の痛みが伝わってくるようだった。

ただ問題は、この後の展開である。
原作は4話構成で、おそらく第1話は学園祭の後の騒動までで終わっていると思われる。
しかし映画は、その後の後日談が20分ほど続く。
この後日談は、第4話を取り入れたものではないかと思われるが、いずれにしろ不可解なラストになっている。
第1話だけで映画化するにあたり、ラストをどうするかはかなり検討されたのかもしれない。
結果このラストになったのだろうが、中盤までが非常に瑞々しく描かれてていただけに、個人的にはさすがにこのラストはないんじゃないか、と思った。
主演の當真あみと中島セナの演技もすごく良かっただけに、残念に思った。

いつも通り、映画を観た後で原作の事を調べたが、4話構成でかなり面白そうなので、機会があったら読んでみたいと思う。


24.終点のあの子


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by ksato1 | 2026-02-07 00:05 | 映画 | Comments(0)