「プラハの春 不屈のラジオ報道」
1967年秋にチェコで起こった学生運動に端を発する「プラハの春」から、8月のソ連によるチェコ侵攻までを描いた作品だ。
韓国の光州事件に近いイメージを持っていたが、実際はどうであったかは別として、この作品は光州事件をテーマにした映画と比べるとあまり緊迫感を感じなかった。
舞台は1967年秋のチェコスロバキアで、トマーシュは中央通信局の技術者だった。
チェコでは学生運動が盛り上がり、街中でデモ隊と警官隊の小競り合いが続いていたが、弟のパーヤも学生運動に傾倒しており、両親を亡くして親代わりだったトマーシュは常にパーヤを心配していた。
ある日パーヤは、ラジオ局のオーディションを受けると言いだす。
ラジオ局で改革を強く主張する国際報道部のヴァイナーが学生に人気で、パーヤもヴァイナーの元で働きたいと言うのだ。
トマーシュはパーヤを諫めるが、オーディション当日、パーヤは家を抜け出してラジオ局に向かっていた。
トマーシュはパーヤの後を追いオーディション会場に向かうが、成り行きでトマーシュがヴァイナーに認められ、ラジオ局で働ないかとスカウトを受ける。
トマーシュはそのオファーを断るが、通信局に出勤すると局長から、ヴァイナーからスカウトが来ているのでラジオ局に行ってくれと言われた。
学生運動を続けるパーヤの身の安全と引き換えに、トマーシュは局長の命令を受けラジオ局で勤務することとなった。
しかしそれは、トマーシュにヴァイナーを監視しろ、と言う意味だった。
映画の冒頭で、実在の人物とそうではない人物が登場する、と言った案内が映される。
検閲を廃止し、プラハの春を推し進めたドプチェクは当然実在の人物だが、主人公のトマーシュ、そしてヴァイナーをはじめとするラジオ局の局員は、実在したのかを調べたがわからなかった。
ラジオ局が、侵攻するソ連に制圧されるその時までチェコの現状を放送し続けたのは事実だと思うが、この映画で語られている事がどこまで事実に即しているのかは、定かではない。
おそらく、登場人物とラジオ局内のエピソードはほぼフィクションではないかと思う。
だが、それにしては緊迫感が薄く感じた。
ソ連の侵攻を映像ではなく主にセリフで表現することで、ラジオ局内の状況がより際立つ演出にしたかったのかもしれない。
しかし冒頭にも書いたように、光州事件を描いた作品はかなり緊迫感に満ちた作品が多かっただけに、それらと比べるとやや淡白な印象を受けた。
評価が難しいところだが、個人的にはもう少しソ連侵攻の状況を映像で描いて緊迫感を強めた方が良かったのではないかと思う。
4.プラハの春 不屈のラジオ報道
by ksato1
| 2026-01-12 00:05
| 映画
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