1982年に公開された伝説のCG作品「トロン」の3作目である。
当時は高校生だったが、まだ都内には名画座が星の数ほど存在し、「ぴあ」で調べるとここそこで「トロン」が上映されていた。
好評価も聞いていたが「トロン」は未見で、2010年に公開された「トロン: レガシー」も未見だ。
一応、事前に二つの作品の内容を調べてから劇場に行くことにした。
エンコム社はサム・フリンが行方不明になった後も順調に業績を伸ばし、フリンを敬愛するイブとテスのキム姉妹が新しい開発を担当していた。
しかし妹のテスは病魔に倒れてしまう。
かつてフリンからデータを盗んだエド・ディリンジャー、彼の孫であるジュリアンがCEOとなったディリンジャー社は、人工知能プログラムを仮想空間グリッドからリアル世界に転送する実体化を実現していた。
その技術で武器や人の代わりに戦う兵士を実体化するとアピールする。
しかしプログラムの実体化は29分しか持続せず、その後は構造崩壊してしまう。
エンコム社では、イブはテスがアラスカのプライベートの研究施設で生前に、構造崩壊を解決する「永続コード」を発見していたと信じていた。
そして同僚のセスとアラスカの研究施設にこもること1か月、ついにテスが残した永続コードを発見する。
そのことをハッキングで察知したジュリアンは、イブから永続コードを奪おうとした。
ジュリアンはグリッドで生まれた兵士アレスとアテナ転送し、イブから永遠コードを奪うよう命令する。
アレスは目標であるイブのさまざまな情報を入手し、インプットした。
その中には、イブの妹テスに対する愛情もあった。
アレスはイブを追い詰めるものの、イブはデータの入ったUSBを破壊、29分が経過して構造崩壊した。
するとジュリアンは、イブの脳内に永続コードが記憶されていると判断、イブを逆転送でグリッドに取り込んでしまう。
イブはグリッド内で追われる立場となるが、イブの考えに感化されたアレスが、イブを護ろうとする。
基本的な設定は、トロンシリーズを踏襲している。
ただ、これまでのシリーズが仮想現実のグリッド内で展開していたのに対し、この作品は半分以上が転送された現実世界で展開する。
グリッドから兵士だけではなくどんな武器でも転送できてしまうという設定はやや反則的な感じもしたが、登場する武器や乗り物はスタイリッシュなデザインで、ストーリー展開にも無理がなかった。
AIであるアレスが恋愛感情を持つのか、という疑問もあるが、前作でも同様の設定がもちいられれていたようだ。
ストーリーは既視感が強く、途中でラストまで展開が読めてしまうが、映像は圧倒的なほど超美麗なCGなので、これだけでも観る価値はある。
特に、やや暗めの画面にシリーズ全体のシンボルとも言える赤い発光色が美しい。
今回、グリッドから現実世界への転送が実現しているので、この先もいろいろと展開を広げることができそうだ。
このレベルの美しい映像であれば、さらにシリーズを続けても面白いかもしれない。
未見の前2作もどこかで見ておきたいと思う。
142.トロン:アレス
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