「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サレスの、久しぶりの長編作品だ。
1970年代、ブラジルで議員だったルーベンスは、軍事クーデータ発生時に議員を失職した。
しかし経済的にはまだお手伝いさんを雇うほど裕福で、家族と幸せに暮らしている。
子供たちは家の目の前のビーチでよく遊び、そんな家族の写真をたくさん撮っていた
だが民主化運動の一環でスイス大使の誘拐事件が発生すると、政局はにわかに不安定となる。
長女のヴェラも友人と映画館から帰る途中に検問を受け、危険な目にあっていた。
ルーベンスは家族が一緒に暮らすことがベストと考えていたが、友人のフェルナンドがイギリスに亡命する際に、ヴェラも同行させてもらう事にした。
そんな状況で突然、ルーベンスは軍の関係者らしき一行に連行されてしまう。
しかも一行の何人かは家に留まり、彼らが去った後も家の前に止まった車の中には監視者が残っていた。
妻のエウニセはルーベンスがどこに連行されたのかを調べようとするが、逆に彼女が拘束され、ルーベンスが民主化運動に関与しているかどうか、厳しく尋問を受ける。
しかも娘のエリアナも拘束されてしまう。
二人は釈放をされるが、新聞ではルーベンスが海外に亡命したと報道していた。
エウニセはまだルーベンスが拘束されていると考え、弁護士に人身保護令の申請を依頼する。
だがその時、ルーベンスがイギリスにいるフェルナンドたちと、民主化運動の活動家を支援したことを知らされる。
1970年代は、キューバ革命の影響もあり中南米全体に左派勢力の民主化運動が広がる時期だった。
共産化の拡大を恐れたアメリカが、各国の軍を支援して軍事国家が誕生している。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、その頃バイクで南米を旅した医学生ゲバラの物語だった。
しかしゲバラが何かに触発されたようなエピソードはないユルい映画で、見終わった後拍子抜けしたのを覚えている。
この作品も実話を元にしているが、エウニセの夫への信念を力強く描いている。
エウニセは、夫が活動家を支援していた事を知らなかった事になっているが、ルーベンスの議員時代くらいから薄々感づいていたのではないかとも思う。
ルーベンスが軍に処刑された事を知らされた後も、エウニセは子供たちを護るために毅然と行動をとった。
そしてブラジル政府が軍政から民主化され、ルーベンスの公式の死亡証明書を受け取った時も、エウニセは国と軍政の責任を声高に訴える。
折れない心を持つエウニセを演じたフェルナンダ・トーレスの演技は素晴らしく、ゴールデングローブ賞で主演女優賞ドラマ部門を受賞している。
事実かどうかはわからないが、家族は写真や8mmを見ながらストーリーを語るのを楽しみにしており、その団らんのシーンと緊迫したシーンのメリハリも巧いと思った。
チリのピノチェト政権の事はある程度知っていたが、ブラジルの軍事政権については全く知らなかったので、非常に興味深い作品だった。
110.アイム・スティル・ヒア
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