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「君たちはどう生きるか」(再)

地上波で放送された「君たちはどう生きるか」を録画して見る。
劇場公開時にも観ていたが、事前情報がまったくなかったため、観終わった後でストーリーを追えているかやや不安もあったので、今回はきちんと見直した。
結論から言えば、当時の感想を見直してもほぼきちんと鑑賞はできていた。


「君たちはどう生きるか」
https://ksato.exblog.jp/241883128/


劇場公開時にも書いているが、典型的な宮崎駿作品だ。
ただ、大伯父の閉じこもった塔の元となる石(隕石?)の正体がはっきり書かれておらず、なぜ大伯父が石に取り込まれてしまったのかがよくわからない。
本来であればストーリーの軸だと思うが、その部分はあえてはっきりとは明かさなかったことで、ファンタジー感が強くなったと思う。
今回見直して、主人公が不思議な世界に迷い込むと言う展開は、ちょっと村上春樹の小説にも似ているかな、とも思った。

そして劇場公開時の感想でも書いたが、宮崎駿が自身へのセルフオマージュと言うか、これまでの演出技法をかなり再現しているように思えた。
世界観は「ハウル」や「千と千尋」に近く、絵本のような色使いは色の洪水だった「ポニョ」のようだ。
現世界の緑の描き方は「もののけ姫」、異世界の緑は「ナウシカ」、そして石との共鳴は「ラピュタ」だ。

この作品が今一つ評価されていないのは、劇場公開時に事前情報を伏せていたことに起因していると思う。
私がそうであったように、事前知識が何もない状態でこのストーリー展開を見せられ、戸惑った人も多かったのではないだろうか。

しかしストーリーを知った上でもう一度見ると、典型的な宮崎駿作品だと思う。
この作品を評価しない人は、「ハウル」や「千と千尋」をどう評価しているのだろうか。
「ハウル」の流星も正体はわからないし、「千と千尋」も湯屋と現世界のつながりについては説明がない。
「君たちはどう生きるか」と基本の設定は同じだ。
それでいてこの作品を評価しない人は、その事に気づけていないだけだ。

もちろん個人の感想として、面白いか面白くないか、という判断はあると思う。
実際私も、宮崎駿作品の中ではこの作品は下位の評価だ。
とは言え「ハウル」や「千と千尋」が評価されて、この作品があまり評価されないと言うのはおかしいと思う。


57.君たちはどう生きるか(再)


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https://note.com/ksato1966/n/n0b1ae7beaa5f

by ksato1 | 2025-05-13 00:05 | 映画 | Comments(0)