独特の手法で人生観を表現する荻上直子の最新作だ。
主演の堂本剛が、いい感じで迷っている主人公を演じている。
沢田(堂本剛)は美大を卒業して、数年間現代美術家秋元(吉田鋼太郎)の工房でアシスタントをしている。
秋元はほとんどをアシスタントたちに制作させ、自分はほとんど手を動かさないが、発想は自分だから作品はすべて自分が生み出したものだ、と言い切る傲慢な男だ。
アシスタントの後輩である田中(戸塚)や矢島(吉岡里帆)は、そんな秋元に嫌悪感を抱いているが、沢田はあまり深く考えずに働いていた。
しかしある日、自転車で転んで右腕をケガしてしまう。
すると秋元はあっさりと、沢田をクビにした。
仕方なく、コンビニでアルバイトを始める沢田。
だが慣れない仕事のうえに右手が使えないため、先輩のミャンマー人のアルバイトからまじめに仕事をしてくれと注意される。
さらに住んでいるおんぼろアパートは、隣人の売れない漫画家横山(綾野剛)が大騒ぎをする。
精神的に追い詰められた沢田は、部屋に入り込んだアリの群れに沿って「〇」(まる)を描く。
それを他の道具と一緒に古道具屋に引き取ってもらった。
すると、突然土屋(早乙女太一)という男が訪ねてきて、沢田が描いた「〇」は、仏教用語で言う円相がいいといい、土屋が納得する「〇」であれば1枚100万円で買い取ると言う。
にわかに信じられない沢田だが、翌日ギャラリーの前を通ると、店頭で自分の「〇」が売り出されていた。
そしてその「〇」はすぐに売れたらしく、あっという間に店頭からなくなっていた。
様子を知りたい沢田がギャラリーに入ると、店主の若草(小林聡美)から個展を開かないかと提案を受ける。
「〇」はSNSでもバズり、沢田は一躍時の人となっていた。
だがなぜ「〇」がウケるのか、実は沢田にはその意味がわからなかった。
それでも求められるがままに「〇」を描くのだが、それらは土屋には認められなかった。
どうすればいいのかわからない沢田は、秋元に工房をクビになったときに会った「先生」と呼ばれる男(柄本明)と再び会い、金額につられて考えすぎていたことに気づく。
全体を通して、何のために働くのか、自分のためなのかお金のためなのか、という疑問を投げかける作品だ。
過激に秋元の搾取を糾弾しようとする矢島や、アシスタントの仕事に疑問を持たない沢田を見下す田中など、最初にアシスタントの仕事に甘んじる沢田を否定するところから物語はスタートする。
アシスタントの立場を奪われて沢田は途方に暮れるが、何の気なしに描いた「〇」がヒットし、それまで考えたこともなかった自分と自分の作品の価値が何なのかに迷うようになる。
ストーリーのポイントごとに現れて沢田に言葉を与える謎の先生がキーとなっているのだが、先生に地震の予知をさせてあたかも神であるかのように表現している点も、巧いと思った。
抽象的な表現も多いので、理解できない人も多いかもしれないが、ラストも含めて、ある程度人生経験を積んだ人間にはジワジワとくる作品である。
141.まる
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