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「奥様は、取り扱い注意」

TVシリーズが面白かったので楽しみに観に行ったが、TVシリーズとはほぼ別物の作品だった。

伊佐山勇輝(西島秀俊)と結婚した菜美(綾瀬はるか)は、かつては島田優子という名前である国の凄腕エージェントだった。
菜美は普通の生活に憧れ、死亡を装ってエージェントから抜けて日本に帰国し菜美を名乗っていた。
そして合コンで知り合った勇輝と結婚したのだが、実は勇輝は島田優子をマークしていた公安委員だった。
しかし合コンで菜美と知り合い一目惚れ、引き続き菜美をマークすると言う口実で上司を説得、菜美と結婚していたのだ。
勇輝はさらに、菜美が1年間不審な行動を起こさなければマークをやめるという約束を上司にしていた。
しかし普通の生活をしようとした菜美だが、近所の友達のトラブルに巻き込まれエージェントの能力を使ってしまう。
そして友人を助けるために大暴れして帰宅した時、勇輝から銃を突きつけられる。
ここまでがTVシリーズのストーリーだ。

島田優子は中央アジアでエージェントとして人質救出の活動していた。
しかしそれは罠で、ロシアのエージェントのドラグノフに襲われてしまう。
格闘のすえ、なんとか脱出する優子。

時は流れ、現在の地方都市珠海市。
菜美は桜井久実と言う名前で、夫の裕司と暮らしていた。
裕司は勇輝で、菜美はTVシリーズの最終話で受けた銃弾がもとで記憶喪失となり、菜美が記憶を取り戻してエージェントとして活動しないように、引き続き夫婦の形態を取り勇輝が監視をしていたのだ。
記憶が戻らない菜美は、別人のように穏やかに暮らしていた。

珠海市は過疎に悩む海沿いの街だったが、沖合にメタンハイドレートが発見され賑わいを取り戻していた。
しかし反対派も運動をしており、街は二分化していた。
勇輝はこのメタンハイドレートに関連し、多額の研究開発費がロシアに流される案件を探ることになっていた。
すでにメタンハイドレートの埋蔵量を調査していた大学教授が行方不明になっている。
街では推進派と反対派の小競り合いがあちこちで起きていた。

普通の暮らしをしていた菜美も、この小競り合いのトラブルに巻き込まれそうになった。
そして、トラブルの時に知り合った岩尾珠里(岡田健史)から、彼のカフェを手伝ってくれないかと頼まれる。
勇輝はあまり気が進まなかったが承諾し、菜美は珠里の店を手伝い始めた。
すると、その頃から街中でトラブルを起こすものを成敗する何者かが現れ始めるようになる。
勇輝はその何者かが菜美ではないかと疑い始めた。

一言で言って、かなり間延びした作品になっている。
TVシリーズから静かに暮らす菜美たちの流れを描き、そこに珠海市の状況を織り込んでいるのだが、二つのエピソードを強引に一つにしているため、ところどころ無理な展開がありゴツゴツした流れになってしまっている。
正直、前半は観ているうちに飽きがきて、展開の遅さにイライラしてしまった。
また、TVシリーズ時は菜美のアクションも見どころだったが、前半はそれがほとんど見られない。
TVシリーズは原案の金城一紀自身が脚本を書いていたが、今回は別人が担当している。
監督もTVシリーズとは異なっており、違和感の原因はそのあたりにあると思われる。
ストーリーもよくある話で、特筆すべき点はなかった。

綾瀬はるかと西島秀俊を起用した人気シリーズであり、期待して劇場に足を運んだ人も多かったと思う。
しかしかなり肩透かしな作品で、このシリーズもこれで終わりかなと感じてしまった。


33.奥様は、取り扱い注意


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by ksato1 | 2021-04-21 00:05 | 映画 | Comments(0)