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「SHADOW 影武者」

巨匠チャン・イーモウの新作だ。
しかし期待していたよりは、かなり小粒な感じのする作品だった。

戦国時代の中国、沛(ペイ)国は隣国の炎国と同盟を結んでいたが、強国の炎国に境州を統治されてしまっていた。
その事に国民は長年忸怩たる思いを感じていたが、若き沛国の王は、同盟を破棄すれば炎国に滅ぼされると考え、境州を取り返すなど考えてもいなかった。
前王の時代からの都督はこれを憂い、炎国の将軍に果し合いを申し込んでいた。
王は将軍同士の戦いは戦争になると反対したが、都督はそれならば自分の職を解いてほしい、それならば民間人の果し合いだから戦争にならないと懇願した。
王は炎国との関係を考え、炎国の楊蒼将軍の息子に、自分の妹を嫁がせる計画を立てた。

王の前に立っていた都督は、実は影武者であった。
実際の都督の叔父が都督にそっくりな少年を境州で見つけ、幼少の頃から影武者として鍛えたのだった。
都督は楊蒼将軍との前回の戦いの傷が悪化し、都督の仕事をこなせない状況のため、影武者が役務を担当していた。
その事を知っているのは都督とその妻小艾、そして影武者の3人だけだった。
影武者は境州の出身のため、境州奪還の気持ちは誰よりも強い。
その事を利用して都督は影武者と楊蒼将軍を戦わせ、境州を奪い返そうとしていたのだ。
境州には生き別れた母親がおり、楊蒼将軍に勝てば自由の身にすると約束をし、影武者をたきつけた。
楊蒼将軍は三太刀で相手を仕留める技を持っていた。
都督も前回の戦いでその技による傷を負っていたのだが、小艾は傘を使って槍を交わす技を提案する。

その頃宮殿では、王が妹を側室として嫁がせようとしていた。
将軍の田戦は屈辱的な行為を反対するが、王は田戦の職を解いてしまう。
王の妹は田戦が斬首されないよう、側室になることを受け入れた。
楊蒼将軍の三太刀に対抗する技を身に着けた影武者は、田戦と合流する。
竹藪にとらわれていた囚人100人に三太刀に対抗する技を伝授し、一般人として楊蒼将軍が治める境州に向かった。
小艾は密かに影武者の事を思っていたが、都督はその事を見抜いていた。
そして影武者と楊蒼将軍を戦わせて沛国と炎国を交戦状態にし、現王を退け自分が王になることを目論んでいた。

全編ほとんど色がなく、水墨画のような作品である。
雨が続いて川が満ちる事により境州を攻めやすくする、という設定なのだが、この降り続く雨も作品に緊迫感を生んでいる。
世界観はチャン・イーモウらしい作品であるが、ストーリー展開には新鮮味がない。
都督が影武者とわかった時点で、だいたいの結末が見えてしまう。
前作の「グレートウォール」はCGを駆使したスケールの大きい作品であったが、今回は後半に戦闘シーンはあるものの、傘の武器は斬動きも制限されるため迫力と言う点では期待したほどではなかった。

世界観は悪くないと思うが、想像していたような作品ではなくやや残念だった。


95.SHADOW 影武者

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by ksato1 | 2019-09-13 23:08 | 映画 | Comments(0)