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「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

21世紀のハリウッド版ゴジラ第二弾である。
すでに2020年に「キングコングvsゴジラ」の制作が発表されているが、一連の作品がモンスターバースシリーズと呼ばれていることは知らなかった。

前作でゴジラや巨大生物が世界を震撼させて以降、怪獣調査を行っていた秘密期間「モナーク」の存在も一般に知れ渡ることとなり、その成果についての追及を受けていた。
世界中にモナークの前線基地があるものの、モナークは巨大生物を駆除せず逆に保護しているのではないかと言う噂が立っていたからだ。
そして聴講会で芹沢博士(渡辺謙)が答弁している最中に、中国でモスラが暴れ出したという報告を受けた。

中国雲南省のモナーク基地では、モスラの卵の羽化を見守っていた。
前作のゴジラの襲撃で息子を失っていたエマ・ラッセル博士は、残された娘とともに基地に赴任しており、巨大生物にさまざまな周波数を発することでコミュニケーションを取れると考え、元モナーク所属の夫マークが開発した「オルカ」というツールを試していた。
すると、羽化したモスラとコミュニケーションの実権を行っているときにテロリストが出現、オルカと博士母娘をさらって逃亡してしまう。
モスラは暴走して滝の中に逃げ込み、繭を作っていた。

妻と娘がさらわれたことを知らされたマークはモナークに合流、オルカが発する周波数を探知して、妻たちが難局に向かっている事を掴む。
南極のモナーク基地では、氷の中で眠るコードネーム「モンスター・ゼロ」を監視していたが、テロリストたちはオルカでモンスター・ゼロを目覚めさせようとした。
モナークの部隊も急行し、テロリストたちの行動を防ごうとする。
しかし激しい戦闘の中、モンスター・ゼロ=キングギドラは目覚めてしまった。
そしてキングギドラがモナークの部隊を襲っている最中、ゴジラが出現する。
両者が戦う中、マークは妻と娘の救出を試みたメンバーから、キングギドラを目覚めさせたのは妻のエマだと知らされる。

南極ではキングギドラ、ゴジラとも痛み分けで戦いは終了した。
しかしその後世界各国で次々と巨大生物が出現、メキシコでは火山からラドンが出現するが、そこに復活したキングギドラも現れる。
キングギドラは勝利しラドンは軍門に下るのだが、そこにゴジラが現れ激しい戦闘が繰り広げられた。
3頭が暴れる中、米軍は新兵器「オキシジェン・デストロイヤー」を投下した。
「オキシジェン・デストロイヤー」は予想を裏切りキングギドラ、ラドンにはほとんど効果がなく、唯一ゴジラのみが影響を受け瀕死の重傷を負ってしまう。

前回同様、巨大生物のバトルシーンは迫力がある。
これだけでも観る価値はあるだろう。
そしてストーリー自体も、やや無理はあるものの前作の「なんじゃこりゃ」状態から比較すると雲泥の差だ。
モスラが南海の孤島ではなく中国雲南省にいるというのはかなりセンスが悪いが、キングギドラが古代に飛来した地球外生命体と言う設定も、本来の設定をきちんと引き継いでいる。

とは言え、やはりアメリカ人の考えるゴジラはちょっと大雑把な感じがする。
「オルカ」に共鳴して世界中の巨大生物が目覚めるという部分はとても安易で、1970年代に日本で制作されたゴジラシリーズからほとんど進歩がないように思える。
また、南極でゴジラと戦ったキングギドラは頭を一つ食いちぎられるのだが、あっという間に復活してしまう。
しかも新しくなった頭は、以前とほとんど変わりがない。
日本人が作ったら、次の戦いで色が変わって見るからに新しく再生した頭が復活しており、またゴジラが苦戦する、と言う展開にするだろう。

それと前回も書いたが、巨大生物同士のバトルシーンが迫力があるのだから、中途半端にその戦いに人間が絡むような演出もやめて欲しい。
戦いの始まる前に人間が巨大生物を攻撃するがまったく歯が立たず、巨大生物同士の戦いを何もできずに呆然と見続けるだけ、それがゴジラシリーズの本筋だと思う。


69.ゴジラ キング・オブ・モンスターズ


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by ksato1 | 2019-06-22 12:44 | 映画 | Comments(0)