「累-かさね-」

土屋太鳳、芳根京子の二人の朝ドラ女優が共演した作品だ。
ズバリ言って見所は、土屋太鳳の劇中劇の演技力だろう。

淵累(ふちかさね、芳根京子)頬に大きな傷跡があり、そのため誰にも心を開かない性格であった。
母の淵透世(ふちすけよ、檀れい)は絶世の美女と言われた女優だがすでにこの世を去り、母の13回忌の時に、累はかつて母親と一緒に仕事をした演出家の羽生田(はぶた、浅野忠信)と再会する。
羽生田は現在はマネージャーをしており、自分の担当する女優の舞台に累を誘った。

舞台で演じていたのは丹沢ニナ(土屋太鳳)で、演技はお世辞にも巧いと言えなかった。
羽生田は累が、キスをすると顔が入れ替わる不思議な口紅を持っていることを知っていて、その口紅を使って二人の顔を入れ替えることを画策していた。
そしてニナの顔を持った累に演技をさせ、新進の若手演出家烏合(うごう、横山裕)の作品の主役を取ろうと考えていた。
累とニナはお互いを罵り合うが、結局羽生田の計画に乗り、チェーホフの「かもめ」のニーナ役をオーディションで勝ち取った。

舞台の稽古には、ニナに顔を変えた累が参加していた。
その間ニナは待機することになるのだが、だんだん自分自身を累に乗っ取られるのではないかと恐れ始めた。
累は演出家の烏合に恋心を抱き始め、ニナの顔を借りたまま烏合と関係を持とうとする。
しかしニナはそれを邪魔し、自分が烏合と関係を持ってしまった。
累とニナは決定的な別れを迎えようとするのだが、そこでニナが突然倒れてしまう。
ニナは突然意識を失い、何カ月も目を覚まさない奇病だったのだ。
次にニナが目覚めたときには5カ月が経過していて、その間累はニナの顔でニーナ役を演じて大絶賛、一気にスターの座に上り詰めていた。

顔が入れ替わる口紅、そしてその効果が12時間であること、何カ月も目覚めない奇病の3つがこの作品キーポイントだ。
口紅はともかく、奇病については稀ではあるが実際に症例があるようだし、設定、演出ともそこそこリアリティがある。
累とニナの性格もうまく書き分けられ、土屋太鳳と芳根京子が巧く演じている。
そして特筆すべきは、土屋太鳳の劇中劇の演技だ。
単純に演技が巧い問いことではなく、ニナ本人だったときの下手な演技と、累に入れ替わった時の上手な演技の切り替えが秀逸である。
芳根京子の過去を引きずった累の演技も悪くない。
ただ、作品としてあまり面白いと思えず、その原因はちょっと内容が暗すぎたことかもしれない。
累、ニナとも終始感情をぶつけ合うのだが、その欲望が生々しすぎて感情移入ができなかった。
二人とも特殊な環境に置かれていたとはいえ、ここまで感情をむき出しにされると、ちょっと引いてしまう。
土屋太鳳、芳根京子とも演技力があるからなおさらかもしれない。

それと土屋太鳳には申し訳ないが、大きな傷があっても芳根京子の方が美しく見えてしまった点も、ちょっと違和感を感じた要因かもしれない。
もちろん土屋太鳳も美しいが、芳根京子はそれ以上、と言う意味である。


111.累-かさね-


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by ksato1 | 2018-09-13 00:05 | 映画 | Comments(0)