「オーシャンズ8」

「オーシャンズ」シリーズの続編的な位置付けなっているが、この作品だけ観ると続編とは言えなかった。

天才詐欺師ダニー・オーシャンの妹であるデビー(サンドラ・ブロック)は、とある事件で投獄されていた。
約6年服役して出所した彼女は、かつての仲間のルー(ケイト・ブランシェット)と落ち合う。
ルーはデビーが服役中に考えた仕事を実践するために、新しい隠れ家を用意していてデビーの出所を待っていたのだ。

狙うはティファニーの地下の金庫に眠るダイヤのネックレス「トゥーサン」。
1億ドルと超えると言われるネックレスは、難攻不落の地下金庫に収納されており、滅多なことではお目にかかることはできない。
そこでデビーが考えたのは、このネックレスが地下金庫から出たところを狙う作戦だった。
ターゲットなるのは女優のダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)。
ダフネが「VOGUE」誌主催のファッション・ショウ「メットガラ」に参加するとき、彼女にトゥーサンを付けさせ、そこで偽物とすり替えるのがデビーの作戦だ。
そのために、落ち目のファッションデザイナーのローズ、今は普通の主婦を装っているかつての仲間のタミー、天才ハッカーのナインボール(リアーナ)、ジュエリー職人のアミータ、天才スリ師のコンスタンスを仲間に引き入れる。

ローズをうまくダフネに接触させ、ティファニーになんとかトゥーサン貸し出しを約束させる。
そして下見の時にトゥーサンをスキャンし、タミーに3Dプリンタで精巧な偽物も作らせた。
ナインボールは会場のメトロポリタン美術館の監視カメラを数日前から少しずつ移動させ、当日のすり替え現場をカメラの死角にした。

それぞれが役割を見事に果たし、計画はうまく運んでいるように見えた。
しかしルーは、デビーがかつての恋人クロードをはめようとしていることに気付く。
デビーはクロードに騙されたために、6年間服役していたのだった。

以前の「オーシャンズ」シリーズは、鉄壁な監視体制からお宝を盗み出すというパターンだった。
そのためにかなり大がかりな仕掛けとなっており、その仕掛けのための登場人物も多かった。
元の作品となった「オーシャンと11人の仲間」がそういうストーリーであったため、「オーシャンズ11」は仕方なかったとしても、「12」「13」と進むうちに登場人物が増えると、なんだか出演している意味があるのか、というキャラクターも出てきてしまった。
そのあたりがやや蛇足的な感もあったのだが、この作品は登場人物が8人でスッキリしている。
一人一人の役割もハッキリしていて、強引な展開もほとんどない。
トンネルを掘ったり監視システムをハックして忍び込むという現実離れした仕掛けも少なく、いろいろな意味でかつての「オーシャンズ」シリーズとは趣が異なっている。
そのため評価は、個人の好き嫌いでかなり分かれるだろう。
ルパン三世的な派手な盗みが好きな人にはやや物足りないかもしれないが、個人的にはかつての「オーシャンズ」シリーズより今回の「オーシャンズ8」の方が、細部のこだわりがきめ細かいように思えて好きである。
何より全員女性、そしてファッションショウという女性ならではの舞台を巧く使っているところが心憎い。

前シリーズをほとんど知らない人でも十分楽しめるという点でも、きちんと考えられた作品だと思う。



85.オーシャンズ8



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by ksato1 | 2018-08-13 00:05 | 映画 | Comments(0)