「パンク侍、斬られて候」

何と言うか、非常に評価が難しい作品だ。
原作は町田康で、脚本は宮藤官九郎、そして監督は石井岳龍である。

素浪人の掛十之進(綾野剛)は、士官先を求めて黒和藩にいた。
そこで巡礼の親子の父親を斬り殺す。
それを見ていた藩士の長岡主馬(近藤公園)が十之進に斬った理由を問うと、十之進は、この親子は新興宗教腹ふり党の信者だ、腹ふり党は藩を壊滅させる恐ろしい宗教で、すでに藩内に信者がかなり侵入しているはずだと言った。
さらに十之進は、腹ふり党対策担当として自分を雇うように上役に進言しろと言い、主馬は上司の家老内藤帯刀(豊川悦司)に話を通す。

内藤帯刀は、十之進話がおそらくデマだと言う事を見破っていた。
しかしこの十之進の話を利用して、ライバルの大浦主膳(國村隼)を追い落とそうと考えたのだ。
内藤のもくろみ通り、大浦は田舎の村の猿回しに格下げされてしまう。

腹ふり党の話は実際に十之進のデマであり、すでに騒動は沈静化していた。
内藤はその事を密偵の江下レの魂次(渋川清彦)に調べさせ掴んでいたのだが、このまま腹ふり党が現れないと、今度は内藤の立場が危うくなる。
そこで内藤は、十之進、魂次、そしてかつては大浦の家来であった幕暮孫兵衛(染谷将太)と、念動力を使うオサムの4人に、腹ふり党の騒動を偽装するプロジェクトを遂行するよう命じた。

かつての腹ふり党幹部茶山半郎(浅野忠信)が隣の藩に潜んでいることを突き止め4人は、その幹部に会いに行く。
そこには美少女ろん(北川景子)がいて、オサムとろんのダンスにより、黒和藩の貧民街の住人に腹ふり党の教えが爆発的に広がっていった。
だがその拡散の仕方は、内藤の想定をはるかに超えるものだった。
暴徒と化した腹ふり党信者たちは、黒和藩の城に火を付けてしまう。
城主の黒和直仁(東出昌大)以下、藩士は猿回しの大浦を視察に行っていたため直接の難を逃れたが、暴徒たちと戦わなければならない。
だが腹ふり党の信者は数千人、対して藩士は数十人だけ。
このままでは勝つことは不可能、と思われたとき、人語を解する猿の大臼延珍(永瀬正敏)が現れた。

設定は時代劇だが、最初のシーンから外来語がバンバン飛び交い、軽快なボケと突込みが入るなど、基本はコメディ映画である。
前半は、クドカンらしい脚本の面白さと役者の演技でかなり笑わせてくれる。
一方で殺陣をはじめとするアクションシーンは本格的で、そのギャップも観ていて楽しい。
だが、クライマックスとなる戦闘シーン以降がグズグズだ。
登場人物が次々消えていくのだが、殺されないで不思議な消え方をする者もいる。
茶山半郎は、なんとなくデカい便器なのかな、と言う想像も付くが、大臼延珍の消え方はまったく理解不能で、結局彼が何をしたかったのかもよくわからない。
面白くするために風呂敷を広げたものの、たたむことができなかった、いや、最初からたたむつもりもなかった、と思わせる結末だ。

個人的には三池崇史、もしくは松本人志作品に近いかなとも感じたが、まとめ方があまりにシュールすぎて、面白いかどうかの判断もできなかった。


79.パンク侍、斬られて候


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by ksato1 | 2018-07-03 23:24 | 映画 | Comments(0)