ギンレイの2本

もう終了してしまったが、ギンレイの2本。

まず「ベイビー・ドライバー」。
併映がジム・ジャームッシュの映画なので、この映画も難解な映画なのかと思ったが、バリバリのエンターテイメント作品だった。

愛称ベイビー(アンセル・エルゴート)は、若いながらも天才的なドライビングテクニックを持っており、銀行強盗の逃がし屋をしていた。
そもそもベイビーは、強盗組織のリーダーであるドク(ケヴィン・スペイシー)の車を盗もうとし、強盗グループに引き入れられた。
その時にドクに負わせた損害をチャラにするまで、強盗の逃がし屋をするという約束であった。

ベイビーが残り1回の仕事でグループから抜けられるとき、ベイビーはダイナーのウェイトレスのデボラと出会う。
やがてベイビーはドクへの借りの返済を完了し、デボラとレストランに食事に行くのだが、その店に現れたドクが、デボラやベイビーの里親であるジョセフを危険にさらさないためには、引き続き組織に残るべきだとベイビーに告げる。
ベイビーは仕方なく逃がし屋の仕事を続ける。

だが、ドクが組織に引き入れるメンバーは、次第に危ない連中が増えていった。
特にバッツ(ジェイミー・フォックス)は平気で人殺しをするため、ベイビーは彼に違和感を感じていた。
そしてベイビーの予感通り、バッツは取引時に相手を殺してトラブルを起こしてしまう。

幼少時に自動車事故で両親を失い、その後は里親のジョセフ以外には心を開かない、そして音楽を聴けば天才的なドライビング能力を発揮する、主人公のベイビーのキャラを巧く確立しているため、エンターテイメント作品としてもかなり面白く仕上がっている。
強盗組織のほかのメンバーのイカレっぷりもなかなかよく、その対比としてジョセフとデボラを善人に描いているため、作品全体にメリハリが効いている。

監督のエドガー・ライトと言う人は全然知らなかったが、マーベルシリーズの「アントマン」の原案と脚本を担当し、監督も担当する予定であったが意見の相違から降板しているらしい。
日本ではあまり知られていないが非常にセンスのある監督で、今後の作品にも期待が持てる。
この作品自体で一つのストーリーが完結しているため、似たような続編を作ることは難しいと思うが、ベイビーとデボラでその後の別のストーリーを作っても面白いと思う。

続いて「パターソン」。
一言でいえば、良くも悪くもジム・ジャームッシュらしい退屈な映画である。

ニュージャージーのパターソンに暮らすパターソン(アダム・ドライバー)は、路線バスの運転手をしていた。
恋人と犬と暮らし、物静かな人間でノートに詩を書くことと、犬の散歩の際に毎夜訪れるバーで酒を飲むことが趣味であった。
バスの中ではさまざまな乗客がさまざまな会話をする。
またバーには、さまざまな客がやってくる。
そしてパターソンは、バスの乗客やバーの客の会話や、恋人との会話などから感じ取った言葉をノートに記していた。

映画は、このパターソンの1週間を描いている。
月曜日から週末にかけて、少しずつエピソードが増えていくと言うストーリーだ。
何もない日常の機微を描いている作品なのだが、私にははっきり言って退屈であった。
パターソンのキャラクターの掘り下げ方も、彼が詩をしたためている場面しかないので非常にあっさりした感じになっている。
パターソンと言う場所と、パターソン出身の詩人ウィリアム・C・ウィリアムズをキーにしているのだと思うが、この部分も非常にわかりづらい。
ラスト付近で出てきた永瀬正敏の立ち位置も、はっきりしない。
冒頭の「双子」についても、何の意味があったのかよくわからなくなってしまっている。

パターソンにアダム・ドライバーを配した点は機能していると思う。
物静かに詩を愛する男がよく似合っていた。
しかし、主題がよくわからなくなってしまっているので、個人的には映画としては評価はできないと思った。


24.ベイビー・ドライバー
25.パターソン


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by ksato1 | 2018-02-23 23:02 | 映画 | Comments(0)