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「鋼の錬金術師」

かつて子供がTVでアニメを見ていたので名前と大まかな設定くらいは知っていたが、それ以外はまったく予備知識がなかった。
それでも夏に観た「銀魂」はまずまず楽しめたので、この作品も観に行くことにした。
しかし原作をまったく知らないため、よくわからない部分が多かった。

エド(山田涼介)とアルの兄弟は母と3人で暮らし、父のように錬金術師を目指していた。
しかしある日、母は病に倒れてしまう。
母を忘れられなかった幼い二人は、錬金術の禁忌を犯して母を蘇生させようと試みる。
しかし錬金術は失敗、エドは右腕と左足、そしてアルは体すべてを失ってしまった。
アルの魂をなんとか鎧の中に定着させたものの、エドはどうしてもアルの体を取り戻したいと考える。
時は流れ、エドは史上最年少で国家錬金術師となり、その腕前から「鋼の錬金術師」と呼ばれていた。
そして兄弟は自分たちの体を取り戻すため、伝説の「賢者の石」を探す旅に出ていた。

兄弟がある街で「賢者の石」を探していると、そこは二人の理解者であるマスタング大佐(ディーン・フジオカ)が赴任する町であった。
マスタング大佐も炎を自由に操り、「炎の錬金術師」と呼ばれていた。
さらに中央から、兄弟の親友でマスタングの同期でもあるヒューズ中佐(佐藤隆太)も短期で赴任をしていた。
二人はヒューズ中佐の家にやっかいになることにした。
そこに、兄弟の幼なじみでエドの技手と義足を作った鎧整備士のウィンリィ(本田翼)も到着する。
3人は、マスタング大佐の上司であるハクロ将軍(小日向文世)の紹介で、錬金術で人語を話すキメラを合成した実績を持つタッカー(大泉洋)に会いに行く。
しかしそこでも、有力な手掛かりはつかめなかった。
その後アルとウィンリィはタッカーに紹介され、かつて軍の錬金術師だったマルコー(國村隼)を訪ねる。
だがそこで、ホムンクルスのラスト(松雪泰子)の襲撃を受け、マルコーは殺されてしまう。

ここまで書いたが、原作を知らない人には話がよくわからないだろう。
映画を観ていた私自身も、よくわからなかった。

まず、兄弟の父親はどうしているのか。
どうやら父親は全体のストーリーにかかわる重要な人物らしいのだが、この映画ではほとんど触れられることがない。
そして、エドが人を蘇生させようとした際に遭遇した「真理の扉」の意味が、よくわからない。
劇中に登場した「真理の扉」はエドの夢の中の回想シーンだと思うが、その後もたびたび「真理の扉」が登場する。
それらが回想なのか、実際に「真理の扉」の前にいるのか判別が付かない。

そしてストーリーの根幹となる「賢者の石」の設定が安易。
30年くらい前の昭和のアニメならいざ知らず、もうすぐ平成も終わろうとしているこの時代に、この「賢者の石」の設定はないだろう。
そこに至るまでのハクロ将軍→タッカー→マルコーと言う展開も、かなり陳腐だ。

原作にどこまで忠実なのかわからないが、原作が人気作品であったことを考えると、長いストーリーを強引につなげて無理やり時間内に収めてしまったのではないかと思われる。
公開初週は興行収入1位だったらしいが、はっきり言って映画としてはお粗末だ。
役者が豪華で演技もまずまず、さらにCGも頑張っているだけに、かなり残念な作品になっている。
山田涼介人気でこの後も人は入ると思うが、もし続編を作るのであれば、脚本、構成を相当テコ入れしないと厳しいと思う。


136.鋼の錬金術師


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by ksato1 | 2017-12-06 00:02 | 映画 | Comments(0)