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「幸せなひとりぼっち」

今年3回目のギンレイ。
併映の「手紙は憶えている」はすでに観ていたのでスルーした。

オーヴェはまじめ一徹なガンコジジイで、鉄道会社に勤めていた。
しかしその鉄道会社をリストラでクビになってしまう。
長年連れ添った愛妻にも先立たれており、オーヴェは自ら命を断とうとした。
リビングで首を吊ろうとした瞬間、隣家に引っ越してきた者が車のバックをしくじって、オーヴェの家のポストを壊してしまう。
そもそもオーヴェは地区長をしており、住民のマナーやルールに口うるさかった。
私道に車を入れさせないようにして、自転車などを置く事も許さなかった。
そういう性格のため、家のポストを壊されると自殺を中止して外に飛び出してしまう。
そこから隣人たちとの奇妙なコミュニケーションが始まり、オーヴェは何度か自殺を試みながらも、おせっかいで中止をする事になってしまう。

オーヴェには、地区内にかつて親友だった男が車イス状態で住んでいた。
また、愛妻とは若き日に素敵な出会いで知り合っている。
生真面目な性格は彼の父の影響でもあった。

最初はガミガミと怒鳴っているばかりのオーヴェだが、単なる独りよがりのわがままジジイではなく、そこに行きつくまでにはいろいろとエピソードがあった事を、巧みな構成で並べている。
映画の序盤で、クーポン券を使って無謀な割引をしようとする部分以外は、オーヴェの言い分は決して間違ってはいない。
ただ乱暴な口調で強引なため、他の住民とわだかまりが出来ているのだ。

少しずつ住民に心を開いていく展開が巧いため、観ていてほっこりさせられる映画だ。

地元スウェーデンでは、「ローグ・ワン」を押さえて興行収入1位の週があったそうである。
面白い作品と言うよりは、いい作品にカテゴライズされる映画だと思う。


38.幸せなひとりぼっち



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by ksato1 | 2017-04-07 23:27 | 映画 | Comments(0)