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「RANMARU 神の舌を持つ男 鬼灯デスロード編」

2016年夏期にTBSで放送されたドラマ「神の舌を持つ男」の映画版である。
このドラマを木村文乃目当てでうっかり見てしまったのだが、ハッキリ言って大して面白くなかった。
木村文乃が結婚を発表した今、無理に映画を観に行く理由は何もないのだが、なんとなく観に行ってしまった。

朝永蘭丸(向井理)は伝説の三助である朝永平助(火野正平)の孫で、祖父からその神業とも言える背中流し、肩揉みの技術を伝授していた。
さらに研究者である父(宅麻伸)により、子どもの頃からさまざまな薬草などを食べさせられた結果、舌で味わえばすべての成分を分析できると言う神の舌の持ち主でもあった。
そのため女性とキスをしたときに、相手の口内の成分で吐き気を催してしまうのだった。
しかし蘭丸は、祖父の葬儀で温泉芸者みやびとキスをするが、その時彼女の口になんの成分も感じなかった。
みやびを運命の人と考え、みやびを探すため全国の温泉を巡る旅を始める。
そこに加わるのが、古物商の甕棺墓光(かめかんぼひかる、木村文乃)と、蘭丸の父に世話になったと言う宮沢寛治(佐藤二朗)であった。

と、ここまでがドラマの設定である。
ドラマ版では最終回でみやびと再びキスをするものの、蘭丸は吐き気を催してしまう。
祖父の葬儀の際になんの成分も感じなかったのは、みやびがその時に服用していた薬で口内が殺菌されたためだった。
落胆した蘭丸は故郷の岐阜に帰り、光と寛治もそれぞれ別々の道を行く事にした。

映画版では、米原までヒッチハイクしようとした蘭丸が、ボードの文字が汚れて米沢に見えてしまい、山形で行き倒れたところから始まる。
GPSで蘭丸を追ってきた光と、同じくGPSで光を追ってきた寛治と合流、そこで温泉地を巡る殺人事件に巻き込まれる。

事件は造り酒屋の一人息子の真(永瀬匡)が殺され、村に伝わる言い伝えから女医の竜胆(木村多江)にその嫌疑が掛けられてしまうという設定。
そこに、竜胆の恋人で温泉宿の一人息子の野々村龍之介(市原隼人)と、その母花乃(財前直見)が絡んでくる。

監督は堤幸彦で、ハッキリ言ってストーリー、演出的にはこれまでの堤作品、特に「TRICK」の焼き直しである。
宿の名前が「菩辺美庵(ぼへみあん)」で、宿中に葛城ユキの写真が貼ってあるなど、ここそこに笑いを散りばめながら、村に伝わる伝承を軸にミステリーを構築している。
ディープな「TRICK」ファンなら楽しめるのかもしれないが、「TRICK」もいくつもシリーズがあるため、個人的にはもうお腹一杯である。

ドラマシリーズも含め、温泉を巡るという設定は堤幸彦が20年来温めていた構想らしいが、その要素のほとんどをこれまでの作品で使ってしまっているような気がする。
蘭丸、光、寛治の3人は、役者の演技力もありキャラクターとして非常に魅力的だったので、「TRICK」のように山村を舞台にせず、都会を舞台にしたストーリーにした方が、新鮮味もあってまだ良かったんじゃないかと思った。


109.RANMARU 神の舌を持つ男 鬼灯デスロード編


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by ksato1 | 2016-12-13 06:48 | 映画 | Comments(0)