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久しぶりのギンレイの2本

もう終わっているが、久しぶりのギンレイの2本。
今年はまだ3回で5本しか観ていないので、さすがにちょっと年会費がもったいない気がする。

まずは「ルーム」。
今年のアカデミー賞主演女優賞作品だ。

5歳のジャックは母親のジョイと一緒に小さな部屋で暮らしていた。
彼はこれまでこの部屋から出た事がなく、彼の宇宙は部屋の中がすべてだった。
情報はすべて母親の話とTVから得る事になるが、部屋の中の物はすべてオールド・ニックという男が魔法でTVから取り出した物という事になっていた。

ジョイはハイスクールの生徒だった7年前、オールド・ニックにさらわれてこの小さい部屋に監禁されていた。
そしてジャックはオールド・ニックとの間に生まれた子供だった。
オールド・ニックは週に一度、物資を持って訪れた。

ジャックの5歳の誕生日が過ぎた時、ジョイは部屋を脱出する計画を立てた。
ジャックが病気であると見せかけ、オールド・ニックに病院に運ばせようとしたのだ。
計画はとん挫しかけるものの、なんとかジャックは外の世界に連れ出される。
運ばれるジャックは車が停車した瞬間に駆け出し、通行人に助けを求めた。

ストーリーはハッキリ2部構成に分かれている。
前半はジャックとジョイの脱出劇、後半は脱出後の二人が世界にうまく馴染めずに悩む話である。
どちらもきちんと作られて悪くはないのだが、きちんと作られている分、前後半のギャップも大きくやや違和感を感じた。
どちらかと言えば作品の主題は後半だと思うので、前半部の脱出劇はもっとサラッと、偶然通りかかった人が監禁されている二人に気付いた、くらいにしておいた方がよかったのかもしれない。

続いて「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」。
個人的には非常に好きな作品だった。

ナチスドイツが降伏し、イギリスはヨーロッパ戦線の終戦を迎える事になった。
無条件降伏の条約が効力を発する直前の夜、ロンドンの街は喜びに沸きかえっていた。
バッキンガム宮殿では英国王ジョージ6世がスピーチの練習をしていたのだが、その横で二人の王女は歓喜のロンドンの視察をしたいと言い出した。
特に妹のマーガレット王女はテンションが上がりまくり、母親のエリザベス王妃はそんな二人の姿を見て当然外出許可を与えなかった。
しかし長女のリリベットことエリザベス王女がジョージ6世に、国民の反応をこの目で見てみたいと告げると、ジョージ6世は彼女が王位継承者である事を考慮し、日付が変わった後午前1時までに戻る事を条件に二人の外出を許可した。
二人は意気揚々と出かけようとしたが、二人の将校がボディガードで付き、かつ行き先はリッツホテルのボウル・ルームであった。
やや落胆する二人だったが、リッツホテルでも国民は狂喜乱舞しており、熱狂ぶりは伝わってきた。
さらにその熱狂ぶりに、二人のボディガードがハメを外して二人から目を離してしまう。
すかさずマーガレットはボウル・ルームから抜けだして、ホテルにいた軍人とともにトラファルガー広場に向かった。
リリベットは慌てて妹の姿を追いバスに乗るのだが、バスは別の方向に進んでいく。
バスの中にいた軍人がリリベットをバスから降ろし、マーガレットの後を追うためにトラファルガー広場まで案内してくれる事になった。

基本は「ローマの休日」である。
調子に乗ったマーガレットがさまざまな事件をやらかし、戦争で心に傷を負った将校とリリベットがその後を追う。
この将校とリリベットの、ほのかな恋愛物語である。
当然、身分の違いがあるため二人が結ばれる事はない。
それを前提とした二人の恋愛感情がシンプルで、ストレートに心に訴えかけてくる。
画面の色使いをはじめとした世界観の作り方が巧く、21世紀のこの時代だからこそ、逆にとても新鮮な映像に見えた。

今回は「ルーム」目当てで観に行ったが、結果的には「ロイヤル・ナイト」の方が強く印象に残った。


92.ルーム
93.ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出


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by ksato1 | 2016-11-17 06:29 | 映画 | Comments(0)