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オレ的第38回日本アカデミー賞予想

さて、今年も日本アカデミー賞の季節がやってきた。
毎年恒例、「オレ的予想」をアップしたいと思う。

ただ今年は「オレ的」評価の高かった「舞妓はレディ」と「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」のノミネート(優秀賞受賞)が少なかったのは、やや残念である。

●作品賞
 「永遠の0」
○「紙の月」
◎「小さいおうち」
 「蜩ノ記」
 「ふしぎな岬の物語」

作品賞はなかなか渋い顔並びとなった。
この5作品の中で観ていないのは「ふしぎな岬の物語」。
その他の4作品はどれも甲乙付けがたいが、個人的には「小さいおうち」を推したい。
それ以外の3作品も悪くなく、特に「紙の月」は予想以上の出来栄えであった。
ただ、どれも他に類を見ないかと言えば、これまでにも似たような作品があったようにも思える。
「小さいおうち」は松たか子と黒木華が迫真の演技を見せており、独特の雰囲気を醸し出していた。
後から思い返しても一番印象に残る作品である。


●監督賞
 小泉堯史:「蜩ノ記」
 成島出:「ふしぎな岬の物語」
 本木克英:「超高速!参勤交代」
○山崎貴:「永遠の0」
◎吉田大八:「紙の月」

毎年、作品賞と監督賞はほぼリンクする。
今年は「小さいおうち」が外れて「超高速!参勤交代」が監督賞にノミネートされた。
この中では本命は「紙の月」の吉田大八だ。
主演の宮沢りえもかなり良かったが、不倫相手役の池松壮亮と同僚の小林聡美の絡ませ方が見事だった。
作品全体に緊張感が張り詰めていたが、これも監督の手腕によるものだと思う。
「永遠の0」は特撮が見事で「さすが山崎貴!」と思わせたが、逆に特撮部分だけが目立ってしまった印象もある。


●脚本賞
 加藤正人/安倍照雄:「ふしぎな岬の物語」
 土橋章宏:「超高速!参勤交代」
○早船歌江子:「紙の月」
 山崎貴/林民夫:「永遠の0」
◎山田洋次/平松恵美子:「小さいおうち」


脚本賞も作品賞、監督賞とほぼリンクしているが、「蜩ノ記」が外れた。
「小さいおうち」は監督賞でノミネートされなかった理由がよくわからないが、この5作品で考えると脚本賞も「小さいおうち」じゃないかと思う。
早船歌江子という人はよく知らないが、作品賞同様「紙の月」も悪い出来ではなかった。


●主演男優賞
 阿部寛:「ふしぎな岬の物語」
◎岡田准一:「永遠の0」
 佐々木蔵之介:「超高速!参勤交代」
 中井貴一:「柘榴坂の仇討」
○役所広司:「蜩ノ記」

ここも飛び抜けた候補がいないので難しい。
個人的には「WOOD JOB!」の染谷将太で決まりと思っていたが、ノミネートさえされなかった。
岡田准一は初めてジャニーズが賞候補に顔を出してきただけではなく、胸に正義感を秘めながらも無駄にアツくならない冷静な主人公を見事に演じていた。
阿部寛は観てないないので何とも言えないが、佐々木蔵之介、中井貴一は本人のポテンシャルから考えると特筆すべき演技とは言えなかったように思える。
「蜩ノ記」の役所広司もそれなりに良かったが、「最後の忠臣蔵」の瀬尾孫左衛門とイメージが被ってしまった。


●主演女優賞
 安藤サクラ:「0.5ミリ」
 池脇千鶴:「そこのみにて光輝く」
 井上真央:「白ゆき姫殺人事件」
 二階堂ふみ:「私の男」
◎宮沢りえ:「紙の月」
 吉永小百合:「ふしぎな岬の物語」

この部門は6人ノミネートされているが、半分の3作品しか観ていない。
そしてこの部門でも、個人的にはかなり評価の高かった「小さいおうち」の松たか子がノミネートされていないのがやや納得がいかない。
そう言う状況なので、印は宮沢りえのみとする。
他の映画賞では安藤サクラの評価が抜群に高い。
しかし同様に他の映画賞で評価の高かった「かぞくのくに」は、安藤サクラの演技だけではなく、個人的には映画全体でまったく評価する部分がなかった。
今回も同じパターンじゃないかと言う気がする。
井上真央は「八日目の蝉」と比較すると、それほど特筆すべきものはなかった。
二階堂ふみもエキセントリックな役どころだったが、その他の作品でも似たような役を演じた事も多く、特に目立っていいところはなかった。
それと、最優秀を受賞できなくとも、「舞妓はレディ」の上白石萌音もノミネートくらいはされても良かったんじゃないかと言う気がする。


●助演男優賞
 阿部寛:「柘榴坂の仇討」
○伊藤英明:「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」
◎岡田准一:「蜩ノ記」
 笑福亭鶴瓶:「ふしぎな岬の物語」
 三浦春馬:「永遠の0」

観た映画の中では、やはり岡田准一が良かった。
助演と言うよりも、岡田准一が主演のようにも見えた。
昨年の真木よう子に引き続き、2年連続で主演、助演ダブル受賞という事になるかもしれない。
個人的には「WOOD JOB!」の伊藤英明も良かったが、コメディ映画だけに受賞はちょっと難しいか。
それとこの部門でも、「舞妓はレディ」の長谷川博己がノミネートされても良かったんじゃないかと思う。


●助演女優賞
 大島優子:「紙の月」
◎黒木華:「小さいおうち」
△小林聡美:「紙の月」
 竹内結子:「ふしぎな岬の物語」
 富司純子:「舞妓はレディ」

この部門で「舞妓はレディ」の富司純子がやっとノミネートされた。
しかし最優秀は黒木華で確定だろう。
とにかく素晴らしい演技だった。
「舟を編む」のイマドキ編集者とはうって変わった真面目なお手伝いさんの役どころで、演技力の奥深さを見せつけられた。
そしてもし黒木華がいなかったら、小林聡美で決まりだったとも思われる。
「小さいおうち」の黒木華と同じ年に当たってしまい、小林聡美はちょっと運がなかったかな、という感じだ。

●アニメーション作品賞
◎「思い出のマーニー」
 「ジョバンニの島」
 「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」
 「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-」
○「STAND BY ME ドラえもん」

基本的にこの部門は、ジブリと細田守のための賞である。
第30回から創設されて今年で9年目、過去に8作品が受賞しているが、細田守は制作した3作品すべてで受賞、そしてこの間に制作されたジブリ作品は、細田作品の「サマーウォーズ」に敗れた「ゲド戦記」と、昨年ジブリ同士の争いで受賞できなかった「かぐや姫の物語」以外4作品がすべて受賞している。
ちなみに、細田作品とジブリで合計7作品で、残りの1作品は「鉄コン筋クリート」だ。
だが、今回は細田、ジブリの牙城に山崎貴が「ドラえもん」で殴りこみを掛けてきた。
内容的にはオーソドックスな「ドラえもん」だが、逆にそこが共感を得て2014年の邦画では「永遠の0」に次ぎ堂々の興行収入第2位である(余談だが、山崎貴は2014年の邦画興行収入ランキング1-2を記録した事になる)。
だが宮崎駿の引退を発表し、今後は長編作品を制作しない可能性もあるジブリとしては、ここはなんとか受賞したいところである。
そして内容も、個人的には「ドラえもん」より「思い出のマーニー」の方が好きだ。
応援の意味も込めて「思い出のマーニー」を推したい。


●外国作品賞
 「アナと雪の女王」
◎「インターステラ―」
○「ジャージー・ボーイズ」
 「フューリー」
 「GODZILLA ゴジラ」


唯一すべての作品を観たのがこの部門である。
作品の影響力と言う意味ではもちろん「アナ雪」だろう。
ただ個人的には、日本でのヒットは松たか子と神田沙也加に寄るところが大きいと思う。
そうなると、「外国作品賞」としての評価はやや下げざるを得ない。
となると「インターステラ―」と「ジャージー・ボーイズ」の一騎打ちだ。
どちらもとてもいい作品なので、好みで判断するしかない。
なので2014年オレ的映画ランキング第1位の「インターステラ―」を本命に推す。


昨年は「利休にたずねよ」本線、「舟を編む」対抗を基本にして予想したが、「利休にたずねよ」は無冠で「舟を編む」が4冠を獲った。
今年は特に本線に推したい作品はノミネートされていないのだが、たぶん大きなサプライズは無く、「小さいおうち」「永遠のゼロ」「紙の月」を中心に受賞するんじゃないかと思う。


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by ksato1 | 2015-01-19 21:09 | 映画 | Comments(0)