「ST赤と白の捜査ファイル」
なので今回の映画もかなり楽しみにしていた。
出来栄えとしては、ドラマ版のファンなら十分楽しめる内容と言える。
時折、元のドラマを見ずに映画だけ見て「外した」とか「面白くなかった」とか「良くわからなかった」とかスゴイ事を平気で言う人がいるが、まあそういう人は永遠に面白い物を楽しめないままでいいと思う。
ざっくり設定を説明すると、警視庁のST班とは科学特捜班の事を指し、それぞれある分野では異常な才能を示すものの著しく社会性を欠くために、組織に馴染めないメンバーが集まった集団である。
リーダー格の赤城左門(藤原竜也)は法医学の担当で、医学だけではなくあらゆる科学に精通し、現場を見ただけで数々の事件を解決する天才である。
しかし極度の対人恐怖症でもあった。
その他は、潔癖症のプロファイラー青山翔(志田未来)、絶対音感を持つフェロモン出しまくりの物理学担当結城翠(芦名星)、異常な嗅覚を持ち格闘技に秀でた第一化学担当の黒崎勇治(窪田正孝)、僧籍を持ちいつも袈裟姿で温厚、しかし実は黒崎の格闘技の師匠という第二化学担当の山吹才蔵(三宅弘城)がメンバーである。
そして、上司の言う事をまったく聞かない彼らのまとめ役が、キャリア警部の百合根友久(岡田将生)だ。
常に単独行動ばかりする赤城と、そのお守役の百合根の言い争いが、ド突き漫才のようでもある。
だが捜査が核心に近づくと、百合根を無視したメンバーがどんどん事件を解決していく。
このメンバーのキャラ設定が、なかなか巧妙だ。
それ以外にも林遣都、田中哲司、渡部篤郎、柴本幸、瀬戸朝香など、脇を固めるメンバーもかなり豪華。
さらに演出も、効果的なセリフを画面中大きくスーパーで表示するなどなかなか斬新である。
最初は「ガリレオ」的な事件を科学で解決するドラマかと思ったが、それだけではなくチームワークなどいろいろな要素を含む奥の深いドラマだった。
今回は、サイバーテロリスト役にユースケサンタマリアを迎えている。
STメンバーを罠に掛けようとした天才ハッカー鏑木(ユースケサンタマリア)に、STメンバーが挑む。
天才ハッカー役にユースケサンタマリアを抜擢している部分も見事だが、その鏑木を追うためのキーとなる堂島菜緒美に元天才子役の安達祐実、そしてその娘に今をときめく天才子役の鈴木梨央を配するなど、キャスティングにも制作者のセンスを強く感じた。
ストーリーは若干仲間内のじゃれ合いっぽい雰囲気が強かったりもするが、今回は連続ドラマ版であまり存在感のなかった松戸管理官(瀬戸朝香)が警察官としての矜持を見せるなど、登場人物を効果的に使っている。
この映画でいったん現在のSTチームとしての物語は終了するが、この作品もまだまだ各キャラの見えない部分を深堀することで、新しいストーリーをいくらでも作ることが可能だ。
原作との乖離を原作者がどう考えるかとか、豪華な出演者を何度も集めることができるか、などの問題はあるだろうが、「踊る」シリーズのように、何年かに1度、ドラマSPや映画を制作して息の長いシリーズにしてもらいたい。
6.ST赤と白の捜査ファイル
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