「GODZILLA ゴジラ」

東宝が制作をやめたゴジラの、アメリカでのリブート作品との事だ。
予告編を観た限りでは、その昔に作られたアメリカ版ゴジラと異なり、日本版ゴジラのフォルムがかなり取り入れられていたし、日本人役に渡辺謙を起用している点でかなりのやる気を感じたのだが、実際にはイマイチどころかイマ三くらいの出来だった。

生物学者の芹沢(渡辺謙)とグレアム(サリー・ホーキンス)は、フィリピンの炭鉱で古代生物の化石を発見する。
そこには巨大な生物の繭らしき物体もあり、さらに他の「何か」がいた形跡があった。
また、他の「何か」が掘ったと思われるトンネルが延々と続いていた。

舞台は日本のジャンジラ市に移る。
ブロディ夫妻はジャンジラ市の原子力発電所で働いていたが、突然の振動で原発の炉心がメルトダウンしたため、夫人が逃げ遅れて帰らぬ人となってしまった。
それから15年が流れ、ブロディ夫妻の息子フォード・ブロディ(アーロン・テイラー=ジョンソ)はアメリカ海軍で爆弾処理を行う特殊部隊に所属していた。
任務から14カ月ぶりに家族の元に帰還したフォードは、父が日本で逮捕されるという連絡を受け日本に飛ぶ。
父ジョー(ブライアン・クランストン)は、妻の命を奪ったメルトダウンが単なる地震ではなく違う理由であると信じて、こっそり立ち入り禁止区域となった原子力発電所付近を調査をしていたのだ。
保釈後に再び立ち入り禁止区域に立ち入る父を追い、フォードも立ち入り禁止区域に入るのだが、そこは放射能汚染されていなかった。
捕らえられた二人は旧原子力発電所に連れ込まれる。
そこには大きな穴の中に謎の生物がいた。
その生物は昆虫に似ておりムートーと呼ばれ、目覚めると大きな翼を広げて飛び立っていった。

ムートーはハワイに上陸し、島を破壊する。
するとムートーを追って、海からゴジラが現れた。
2体は対決をするものの、ムートーが逃げ出したため決着がつかない。
ムートーはそのままアメリカ本国を目指し、ゴジラもそれを追って行った。

一方、ラスベガス付近の放射性廃棄物処理場に保管されていたフィリピンで発見された繭が、もう1体のムートーとして孵化する。
このムートーは先のムートーと呼応しあい、お互いを求めて移動しはじめた。
予想ではサンフランシスコ付近で2体のムートー、そしてそれを追うゴジラが接触する可能性が大となる。
米軍は総力を結集し、3体を迎え撃つ準備を始める。

ストーリーは、よくありがちな怪獣映画である。
だが、当初の脚本からカットされたシーンが多いのか、良く分からない部分が多すぎる。
怪獣映画とは言え突っ込みどころ満載だ。

ムートーは原子力をエサとしており、電磁パルスを発して近づく電子機器をすべてショートさせてしまう。
だから米軍は最新兵器で攻撃する事ができない。
ではアナログの爆弾で攻撃しよう。
そこまではわかるが、ムートーの近くまで爆弾を運ぶ際にも、アムトラックで陸送する。
かなり至近距離までは空輸でもいいのではないかと思うが、えっちらおっちら鉄道で運んでいるうちに、2体目のムートーと遭遇してしまう。
そのあたりも、きちんと無ートーを追尾していれば避けて運ぶ事ができたんじゃないか。

また、かつてゴジラは水爆でも倒せなかったと芹沢博士が言うと、米軍将校がその3倍の威力の核兵器を使うと言う。
それにしては、付近の住民がまったく避難していない。
スクールバスはゴールデンゲートブリッジの上の渋滞で立ち往生している。
しかもその原因が、軍や警察による橋の封鎖で道幅が狭くなっているから。
と言うか、すでにサンフランシスコの街でムートーとゴジラが戦っているのに、まだビル内で普通に仕事している人がいる。

それとは別に、全体の構成も中途半端だ。

ゴジラとムートーのバトルは、非常に迫力がある。
特にサンフランシスコでのバトルはかなり力が入っていて、このシーンだけでも観る価値があるだろう。
とは言え、バトルシーンは全部合わせても20分にも満たない。
中途半端に人間を関わらせて時間を使うのなら、人間は何もできずに逃げまどうだけで、怪獣のバトルシーンをもっと増やすべきだったと思う。
実際、人間は何もできずに終わっているのだから。
正直、渡辺謙が芹沢博士役で出演している意味は、まったくなかった。

冒頭の原子力発電所のメルトダウンのシーンも、日本人的にはあまりいい気分ではなかった。
そもそも「ジャンジラ市」と言うネーミングも、日本字をバカにしている感がある。

すでに次回作の製作も発表されていて、次はキングギドラ、ラドン、モスラなどのスター怪獣が出演する可能性があると言う。
もしそうであるならば、怪獣のバトルをメインにして中途半端な人間ドラマは挟まないようにしてもらいたい。

95.GODZILLA ゴジラ


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by ksato1 | 2014-08-05 21:23 | 映画 | Comments(0)