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「魔女の宅急便」

子ども向けの映画としては非常に良く作られていると言えるだろう。
スタッフはおそらく「魔女の宅急便」という物語をこよなく愛している人たちばかりで、ジブリ版のアニメのイメージを出来るだけ壊さないように、小芝風花のキキで新たなる「魔女の宅急便」の映画を一生懸命作ろうとしていることが、画面からひしひしと伝わってくる。

ストーリーは、アニメ版より原作に近いらしい。
舞台設定は東洋のとある街に置き換えられている。
架空の街という設定で、メインストリートも色々な時代が混じり合ったようなファンタジックな商店街になっている。
キキが空を飛んだ時の視線も、いい角度で空撮されている。
歩いている時には必ず、キキが箒の柄の部分を下にして持っている部分にもこだわりを感じる。
そして特筆したいのが、小芝風花だ。
とても表情が豊かで、仕草による表現力もある。
宮沢りえが日テレのインタビューで答えていたが、小芝風花からはなんとも言えない清々しいオーラが出ていてキキにピッタリである。
おそらくそんな事はないと思うが、もし「ナウシカ」や「もののけ姫」が実写映画化されるなら、ナウシカやサンは小芝風花を抜擢するべきだとも思う。
そして、尾野真千子のおソノもいい。
この二人がジブリ版アニメのイメージを引き継いでいるので、作品全体のファンタジー感がギリギリで保たれている。

しかし低予算のためか、どうしても画面から安っぽさがにじみ出てしまっている。
まず、ジジやカバのマルコのCGがかなりお粗末。
キキが空を飛ぶシーンの合成もちょっと酷かった。
このあたりは予算によって出来の差がハッキリ出てしまう。
また前出の商店街やグーチョキパン屋はかなり作りこまれているのものの、小学校は芝生が剥げてて汚らしく見えるし、海辺のシーンもなんだか淋しげなロケーションだ。
実写版のファンタジー作品なのだから、芝生も美しく風に波打ってもらいたかった。
キキが最初とラストで戻ってくる島の港も、おもいっきり日本の田舎の漁港でファンタジー感がまるでない。

ストーリーも、クライマックスシーンでカバのマルコの治療のためキキが暴風雨の中空を飛ぶのだが、かなりあり得ない展開である。
演技に関しては役者の力量に頼ってあまり演出を入れていないので、新人やそもそも役者じゃない人の演技はかなり酷い。

しかし、観た後にはなんとも言えない清々しさが残る作品だ。
それはおそらく、低予算の中でスタッフ、役者が一生懸命作っているからだろう。
もちろん足りない部分はかなりあるのだが、それでも精一杯出せるものを出しつくした感がスクリーン全体に広がっている。

レベルとしては、学生が作った自主製作映画に近いかもしれない。
だが小学生が観ればおそらく楽しめるだろうし、この映画を楽しめない人は、本当のファンタジーを楽しめない人なんじゃないかと思う。


42.魔女の宅急便


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by ksato1 | 2014-03-02 14:07 | 映画 | Comments(0)