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「孤独な天使たち」

せっかく年会員カードを更新したので、今年はできるだけギンレイに行ってみたいと思う。
今回は「孤独な天使たち」と「トゥ・ザ・ワンダー」の2本立てだが、TOHOシネマズパスポートで映画を観まくった影響で体調もあまりよくないので、「トゥ・ザ・ワンダー」の方はスルーした。

「孤独な天使たち」はベルナルド・ベルトルッチ監督の作品だ。
原作はイタリアでは有名な小説らしいが、細かい事はよくわからない。

学校にも馴染めないロレンツォは、友達もいない変わり者である。
学校のスキー教室にも参加したくないため、両親にウソをついてその期間中自宅の地下室に隠れる事にした。
ロレンツォは周到に用意をして首尾よく地下室にもぐりこんだのだが、突然腹違いの姉オリビアがが地下室を訪れる。
この姉がかなりヤンキー入っており、ドラッグ中毒者でもあった。
1週間こっそりと地下室で暮らす計画だったのだが、この傍若無人な姉に振り回されてしまうロレンツォ。
しかし、ロレンツォの母親がオリビアの母親を追い出したという事情もあり、オリビアの話を聞くうちにだんだん二人は距離を縮めていく。

「ラスト・エンペラー」「シェルタリング・スカイ」「リトル・ブッダ」の東洋三部作と比べると、随分と小さくまとまった映画である。
しかし細かい設定がきちんと決まっている。
まず、思春期のロレンツォのがいい。
親の言う事を聞かない難しい年頃で、うっすらと髭が生えている。
いかにも、ミドルティーンならではのとんでもない事をしでかしそうな雰囲気である。

そして姉のオリビアだ。
今はドラッグ中毒のヤンキーだが、以前は写真家を目指していて、18歳の頃には大きな賞を獲った事もある。
転落するまでにいろいろな事情があり、さらにロレンツォが古い荷物から発見した写真には、彼が生まれる前に父とオリビアの母、そして幼くかわいいオリビアが幸せそうに映っていた。
久しぶりにあった姉が生きる事に苦しんでいるのを見て、ロレンツォの中で何かが変わった事を予感させてくれる。

ベルトルッチの健康も関係していると思われ、上映時間もコンパクトにまとめられてはいたが、なかなか渋い良作であった。


28.孤独な天使たち


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by ksato1 | 2014-02-01 08:37 | 映画 | Comments(0)