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「利休にたずねよ」

11代目市川海老蔵の映画主演3作品目である。
たまたま3作品とも観ているのだが成田屋の屋号は伊達ではなく、今回も素晴らしい演技力だった。
やはり単なる「六本木の暴れん坊将軍」ではない。

毎度のことで原作は未読だが、映画としての構成もいい。
冒頭は利休の切腹当日で、そこから時代が前後に遡る。
前半は秀吉の台頭とともに利休自身も名声を広げ、しかし次第に秀吉が利休に嫉妬をするというエピソードが続く。
後半は利休の若いころまで遡り、茶の道に入るきっかけとなったエピソードになっている。

前半の利休としての厚みのある演技、そして後半の茶の湯の道に入る前の、放蕩息子だった頃のやんちゃな演技のメリハリが素晴らしい。
弟子の山上宗二のたしなめ方など、利休がなぜこれほどまで達観でき、人間としての幅があるのかと思わせられるが、後半の若いころのエピソードでそれが明らかになる。
そしてそのための伏線の貼り方も見事。
結果的にはそのエピソードが、利休切腹の要因の一つにもなっている。

地味だが秀逸である作品の見本と言えるだろう。
この年になるとこういう静かな作品に共感しやすくなるのかもしれないが、年末年始に観るにはなかなかいい作品だと思う


99.利休にたずねよ


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by ksato1 | 2013-12-19 07:11 | 映画 | Comments(0)