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ギンレイの2本

もうだいぶ前に終了してしまったが、ギンレイの2本。
忙しくて体調も悪かったが、頑張って観に行った。

まずは「イノセント・ガーデン」。
「JSA」のパク・チャヌク監督のハリウッドデビュー作品との事だ。

田舎町で裕福な家庭に暮らすインディア(ミア・ワシコウスカ)は、父にハンティングを教わるなど寵愛を受けて暮らしていた。
毎年誕生日には同じデザインの靴を贈ってくれるのだが、18歳の誕生日にもらった箱には靴ではなくカギが入っていた。
そして父はその日に車の中で死亡して見つかった。

父の葬儀の時に、叔父のチャーリー(マシュー・グッド)がインディアと母親(ニコール・キッドマン)の前に現れた。
叔父はしばらくインディアの家に滞在すると言う。
オープンカーを乗り回して優しく接する叔父に、母親はだんだんと好意を抱きだす。
インディアは父親をこよなく愛していた事もあり、父の死後すぐに仲良くなった叔父と母に嫌悪感を覚えていた。
さらに叔父は、インディアの学校にまでついて来るようになりインディアの嫌悪感は増すばかりだった。

そんな時、使用人がいなくなってしまう。
インディアと母親を案じて様子を見に来た大叔母も突然姿を消してしまった。
インディアは二人がいなくなった事を不審に思っていたが、地下室の冷凍庫で使用人の死体を見つけてしまう。
父を亡くして精神的に不安定だったインディアは、だんだんと壊れ始めてしまう。

ストーリーは、思っていたよりも平凡な話であった。
あっと言うようなどんでん返しが用意されているかと思ったが、そういう訳ではなかった。
画面全体からミステリアスな雰囲気が伝わってくるものの、ストーリーはすんなり進んでしまう。
ミア・ワシコウスカのキワドイ演技にはいい意味で驚かされたが、それ以外は物足りなさを感じてしまい、後もう一捻り欲しかったかな、と思った。


続いて「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」。

サーカスでアクロバットのバイクに乗っていたルークは、とある街でロミーナという女性と出会う。
1年前にも同じ街で会っていたのだが、実は彼女はルークの子どもを出産していた。
ルークはサーカスを辞めてその街で暮らす事を決意するが、すでにロミーナはほかの男と暮らし始めていた。
それでも諦めきれず、ロミーナと子どものためにカネを稼ごうとするルーク。
彼は二人のために銀行強盗を始めるのだが、強盗に失敗して若手警官に射殺されてしまった。

実は若手警官は、ルークが発砲する前に射殺してしまっていた。
その事を気に病むものの、父親が街の大物であった事もあり一晩でヒーローになる。
そして警官の先輩たちから汚職に誘われるのだが、彼は父親の庇護もありその汚職を暴いてさらに称賛される。

時が流れて、ルークの息子と警官の息子が偶然出会う事になった。
警官の息子は親の愛情を得られずにグレてしまっていた。
そして何も知らずに二人は仲良くなるが、やがて自分たちの因縁に気付いてしまう。

強盗を射殺すると言う一つの事実から、その前後に親子2代に続く因縁を結びつけている作品である。
発想としては非常に面白いのだが、見せ方が凡庸だ。
ストーリーが単純に時系列を追っているだけで、しかも上映時間は140分、観ていて正直飽きてしまった。
技術に頼らずクールな作品に仕上げたかったのかもしれないが、結果的にはかなりダレてしまっているので、やはりフラッシュバックを多用したり、伏線をもっと強調しておいた方が良かったように思う。
あるいは、もう少し前半部分を思い切ってカットした方がよかったかもしれない。

たぶん何年か後には、ほとんど記憶に残っていない映画だと思う。


95.イノセント・ガーデン
96.プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

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●放射能ヒステリックビジネス

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by ksato1 | 2013-12-14 08:01 | 映画 | Comments(0)