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「 踊る」一気見

正確には一気ではないが、「FINAL」の宣伝でこの秋にTVで放送された「踊る」シリーズを「ほとんど」見た。
「ほとんど」と言うのは、子どもがレコーダーをいたずらして「2」の録画を途中で消しやがったから。
そしてなぜか、「1」は後から先週放送された。
「1」も「2」もすでに何度か見ているので、まあ見なくてもいいかなという感じだ。
ただ、TVはSPも含めて虫食い的にしか見てなかったので、「3」とともに今回改めて見直す。

で、感想はと言うと、「3」を見たときにも書いたけど「3」とそれまでの作品では明らかに面白さが違う。
「3」までは青島がバリバリに現場の一線で働いており、室井がこの現場の直接の責任者である。
警察上層部から理不尽な指示を受ける室井が、現場の青島たちを守ろうと苦悩し、青島は室井を信じて行動する、この図式に見ている者は共感するのだ。
努力、信頼、勝利で、信頼を友情に代えればいわゆる「ジャンプ三原則」なのだが、結局この三原則にみな感動するのである。

しかし「3」では、青島はちょっとエラクなっちゃってあんまり無茶できなくなってるし、室井は現場との板挟みではなく自分の警察官としての矜持に苦しむ。
室井と現場の信頼関係が、ほとんど描かれていない。
それどころかサーバントリーダーなんて役職の鳥飼を登場させて、上層部と現場の軋轢を中途半端に解消しようとしてしまった。
その時点で話は面白くない方向に進んでしまい、さらに中盤まで一生懸命調停をしていた鳥飼を途中で負傷させてしまうので、結果的にあまり機能しない事になってしまう。
なんだか鳥飼役の小栗旬がやたらかわいそうに見えてしまった。
「2」までは、本店から見下された現場が上層部の鼻を明かすところも見所だったんだけど、「3」では捜査一課も湾岸署員一緒に会議室に閉じ込められちゃっうので、両者の対立の図式も成立していない。

それを受けてか、「FINAL」と一緒に撮影されたと思われる最後のTVドラマSPも放送されたのだが、ここでは鳥飼が管理官となって、現場を見下すポジションになっている。
かつての一倉とか新城とか沖田の役どころである。
そしてさらにその上役として室井が登場して、「青島の現場での判断力はスゴイ」みたいな事を言う。
「3」でダメダメだったところを埋めようとしているようにも見えるが、「現場での判断力」を褒めると言うのも、ちょっと強引なような気もする。

最後のTVドラマSPは設定自体もかなり強引で、「FINAL」をなんとか「2」までの路線に戻すために強引に作られたような気がしないでもない。
まあそれでも、「FINAL」が面白ければいいっちゃー、いいんだけど。
「3」の時はかなり期待してガッカリしたから、今度はほどほど位に期待して観に行くことにしよう。


96.踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(再)
by ksato1 | 2012-10-25 21:36 | 映画 | Comments(0)