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「ダーク・シャドウ」

予告編を観た限りでは、お笑い色の濃い映画かと思った。
だが、実際には全然違う。
もちろん笑えるシーンは多いものの、全体のストーリーは哀しき愛憎がテーマ、そしてクライマックスシーンは立派なゴシックホラーだった。

リバプールに住んでいたコリンズ家は、18世紀にアメリカに移住する。
そこで水産業を営んで成功し町の有力者となるのだが、息子のバーナバスがついうっかり使用人の娘に手を出してしまう。
もちろんバーナバスはお遊びのつもりで、使用人の娘であるアンジェリークを捨てて美しい娘ジョゼットと結婚しようとする。
だがアンジェリークは激しく嫉妬の炎を燃やし、ついには自分は魔女となり、呪いでバーナバスをバンパイアにしてしまった。
さらにバーナバスが化け物だと民衆を焚きつけて、棺に封印して埋めてしまう。
その後、バーナバスが地上に出てきた時には200年が経過しており、コリンズ家はすっかり没落していた。

バンパイアとして200年後に姿を現したバーナバスは、なんとかコリンズ家を復興させようと考える。
しかし現在の家長のエリザベス以外は、役に立ちそうな人材がいない。
それでもかつての隠し財産を使って会社を再建するのだが、200年経ってもまだ生きていたアンジェリークが大きな水産会社を経営しており、なかなか上手く行かない。
そしてアンジェリークは、この期に及んでまだバーナバスに未練たらたらだった。
だがバーナバスはまったく相手にしない。
なぜなら、家庭教師としてコリンズ家に来ていたヴィクトリアがジョゼットにそっくりで、彼女に夢中だったからだ。
再び嫉妬に狂ったアンジェリークの怒りの魔の手が、コリンズ家を脅かす。

途中までは本当に笑える。
特に使用人のウィリーとミセス・ジョンソンが、いいアクセントになっている。
しかしバーナバスの復活などところどころで激しいシーンも挟まり、最初のうちはそれもメリハリとしてちょうどいい感じなのだが、クライマックスからラストにかけてはバリバリにシリアスな展開となる。
最後を笑えるオチにしてしまったら、広げた大風呂敷が畳まらずに「なんだかなぁ」という感想になってしまったのだろうが、いい感じのオチを付けて次回への期待感も高まる終わり方にしている。

子供向けとは言い難いが、ティム・バートン、そしてジョニー・デップ好きならば十分満足できるだろう。
個人的には次回作も作って欲しいかな。


52.ダーク・シャドウ
by ksato1 | 2012-06-07 00:23 | 映画 | Comments(0)