「Mother」一気見

さて「Mother」だ。
このドラマ芦田愛菜の出世作として話題になっているけど、非常にプロットが作りこまれた良い作品である。
個人的には芦田愛菜よりも、田中裕子と松雪泰子の母娘の人生に泣けた。

なんで「Mother」が2月に再放送されたのかと言うと、たぶん「カーネーション」人気にあやかったのだろう。
その頃「カーネーション」でも、尾野真千子と綾野剛が恋人役だったからね。
ちなみに「平清盛」で松雪泰子は美福門院得子で、山本耕史は藤原頼長なんだけど、そこに注目する人はほとんどいない。
まあ、「平清盛」の視聴率を考えると仕方ないけど(^_^;;

このドラマの秀逸な点は、二世代に渡り母娘の三角関係を設定しているところだ。
田中裕子と高畑淳子の母二人と娘の松雪泰子、そして尾野真千子と松雪泰子の母二人に娘の芦田愛菜だ。
松雪泰子の下に、高畑淳子の実の娘として酒井若菜と倉科カナの二人の妹を設定することによって、この母娘関係はすべて問題を抱える図式になっている。
だから松雪泰子と芦田愛菜は、逃げていてもなかなか安心できる落ち着きどころが見つからず、見る者が毎週ハラハラする展開になっている。

でもやっぱり物語のキモは、田中裕子と松雪泰子の母娘だろう。
最終回にこの二人の本当の過去が明らかにされるが、松本清張のサスペンスのようで、個人的にはこの部分に本当に泣けた。
田中裕子の演技が良かった事も大きいかもしれないけど。

そしてこのドラマでは、主要な登場人物に男はほとんどいない。
唯一の主要な男の役どころは、山本耕史である。
で、この山本耕史が予想外の動きをするところが、また面白い。
最初は悪役のようで、実はすごくいいヤツ、でも仕事柄冷静さは忘れておらず、罪を犯してまで鈴原家に味方しようともしない。
一方、綾野剛の役どころはやや中途半端。
彼が芦田愛菜をどう思っていたのか、ロリコンなのか単純に「物」として見ていただけなのかが、ややわかりづらい。
そこをきちんと描くと生々しくなりすぎるので、あえてわかりづらい演出にしたのだとも思うが、頑張り屋さんだった尾野真千子が娘より綾野剛を選ぶ部分にさらに説得力を持たせるためには、もうちょっとハッキリ描いた方が良かったような気がする。
だって「娘より綾野剛を選ぶ」部分こそが、このドラマの全ての始まりだからね。

ただ今回の再放送では、本来は初回放送が30分拡大、最終回が15分拡大だった部分が丸々カットされている。
だからそこで綾野剛が芦田愛菜をどう見ていたのか、もっと詳しく表現されていたのかもしれない。

マツコ・デラックスがどこかで、「実際に虐待されているシーンはほとんど映らないのだけれど、芦田愛菜を見ていると相当虐待されているんだなと視聴者が簡単に想像できる、その演技をあの年でできてしまうのが芦田愛菜のすごいところ」と言っていたが、たしかにその通りだとも思う。
大人が考えた演出を、すでに的確に演じることができるのだろう。
でも、視聴者が子役に求めている事は、実はちょっと違うのかもしれない。
天真爛漫に笑う可愛さこそが、子役に求められている事なのだろう。
だから鈴木福はバッシングされないけど、芦田愛菜はバッシングされるんだろうね。
でもいくらバッシングされても、本人が嫌気をさして辞めない限りはたぶん潰されることはないと思う。
演技力に関しては、それだけの天賦の才能があるから、使う方は使い続けるだろう。

それと、尾野真千子がなぜネグレクトになったのかをストーリーの途中で詳しく挟んでいたけど、これって「家政婦のミタ」と同じパターンだよね。
こういう見せ方も、今後は流行って行くのかな。


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by ksato1 | 2012-05-01 00:01 | 日記 | Comments(0)