「リアル・スティール」
舞台は2014年、人間による格闘技は廃れており、人々はロボットによる格闘ショウに夢中になっていた。
若い頃は自らボクシングのチャンピオンだったチャーリーも、今ではロボットを操作して戦わせている。
しかしこれがなかなか上手く行かず、次々とロボットを壊してしまい金策に追われる毎日だ。
そんな時、離婚した元妻が死んだと裁判所から連絡を受ける。
もう10年も会っていない一人息子マックスの親権について確認を受けるが、チャーリーは元妻の妹夫妻にマックスの親権を売り飛ばしてしまう。
ただし妹夫妻がマックスを迎えに来るのは夏休み明けだ。
それまで、チャーリーはマックスの面倒を見る事になった。
二人は最初はお互いを受け入れずに牽制しており、廃棄場で偶然ATOMを見つけた時も、チャーリーが一切手伝わなかったためマックスが朝までかけて一人で掘り出す。
メカに強いマックスはATOMが強いロボットだと信じているが、チャーリーはそんな旧型、しかもスパーリング用ロボットで勝負になるかと鼻からバカにしている。
場末の闘技場でも、最初はマックスは意地を張って一人で戦うのだが、チャーリーの助言により見事勝利を収める。
チャーリーもATOMが意外と動ける事を知り、ちょっと興味を覚える。
そこから親子で、ATOMを強いロボットにする共同作業が始まる。
簡単に言えば親子の再生ストーリーだが、プロットが細部までしっかりしており脚本もよく練られている。
まずマックスの年齢とキャラ設定。
11歳で日本流の「中2病」にはやや年は足らないが、そこそこ知識もあるので大人相手に小生意気な理論展開をする。
一方チャーリーは、元ボクシングのチャンプだけあって格闘に関する知識と感覚は鋭いが、理論的な事はからっきしダメ。
そんな二人がタッグを組むことによって、お互いを補いあう事になる。
ATOMには認識した動きを学習する機能が付いていて、ボクシングの動きをチャーリーが教える。
そしてコントローラで操作するより早く、音声認識でパンチが出るようにマックスがプログラムする。
ローカルで連勝を重ね、チャンピオンにチャレンジするのは「ロッキー」そのままだ。
起承転結がはっきりしているのでとてもわかりやすいストーリーではあるんだけど、見終わった後は何やら爽快感がある。
ロボット同士の戦いだから、派手なバトルだけどグロいシーンもないしね。
カミサンと観に行ったんだけど、家族で観に行っても良かったかもしれない。
8.リアル・スティール