「ハードロマンチッカー」

監督のグ・スーヨンって誰やねん、と思ったら、基本的にはCMディレクターで、他にも映画を撮っているし小説も書いてるんだね。
基本的には在日をテーマにした作品を作っているようなのだが、この作品も下関を舞台にした在日のアウトローの物語だ。

主人公のグー(松田翔太)は、誰ともツルまない一匹狼だ。
グーの後輩の辰が、カツアゲの仕返しにキムチョンギの祖母を殺してしまうところから、話はスタートする。
グーは辰が何をしでかしたのか調べているうちに、朝鮮人学校の高校生をボコボコにしてしまう。
この高校生はパクヨンオと言うボクシング学生チャンピオンの弟で、パク兄弟と朝鮮人学校の悪ガキ総出でグーに復讐しようと探し始める。
その過程で、グーに間違えられた暴走族のヘッドの金子がボコボコにされてしまい、金子の族もまた仕返しをするためにグーを探し始める。
その頃グーは、偶然紹介された仕事で下関から小倉へ移っていた。
仲間も敵もグーを血眼で探していたところに、とある理由でグーが下関に戻ってくる。

ひと言で言えば、バイオレンス映画である。
ただ、いわゆる少年漫画から派生したヤンキー系の映画と異なり、ケンカのシーンもなかなかリアリティがある。
バットで殴られた人間はかなりダメージを追っているし、こぶしで殴ったらすぐに顔が腫れる。
女子高生の顔も殴られてボコボコだ。
激しく殴られたらその後しばらくは結構な量の包帯を巻いているし、ボコボコにされても翌日元気に満ち溢れて仕返しに行くようなヤンキー物とはちょっと異なる。
そういう部分がきちんとしているので、見ていてなかなかハラハラさせられる。

しかし、脚本がちょっと雑。
最初のグーと金子の言い争いシーンで金子があまり目立たないため、グーがパクヨンオの弟に「オレは金子じゃ!」と名乗った時は、適当に思いついた名前を名乗っただけなのかと思った。
後から金子が出てきた時もグーと言い争いをしていた人物とはわからなかったし、だから、なんで金子は朝鮮人学校の悪ガキたちに仕返しせずにグーを探しているのかも、よくわからないまま話が進んだ。
カンテファン、イーパッキとタカシ、グー、そして後輩の安田たちとの関係も、誰と誰がどれだけ仲がいいのかがわからないし、タカシが誰にやられたのかも説明不足だ。
庄司と姉さんの距離感も、饒舌にしたくはなかったのだろうがちょっと簡潔にまとめ過ぎた感がある。

キャスティングが豪華、しかも乱闘シーンもかなり迫真の演技で見応えがあっただけに、脚本がもうちょっときめ細かかったら、かなり完成度の高い映画になっていたんじゃないかと思う。
ちょっと残念。


137.ハードロマンチッカー

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by ksato1 | 2011-12-07 16:24 | 映画 | Comments(0)